ビジネス奮闘記

皆さまにとってAOM Visa Consultingが身近なサービスになるようにこのブログでは少しやわらかめのトピックスもふまえて発信していきたいと思います。 オーストラリアやニュージーランド関連のほか、ふだんの活動や関心ごと含めてレポートします。 ご意見・ご感想などございましたらお気軽にメールにてお送りください。 AOM Visa Consulting Official Web site は こちらへ

2012年6月6日水曜日

クィーンズランド日本商工会議所 メンバーによる来日

6月6日はクイーンズランド州においてQueensland day とされている日になります。このたび、オーストラリアからクィーンズランド日本商工会議所 メンバーが、日豪ビジネス交流をさらに活発化するためにもビジネス使節団として会頭をはじめ約13社ほどが来日しました。日頃から駐日クイーンズランド州政府事務所とは連携してクライアントを支援させていただいておりますが、今回は、現地企業から直接現場の話やプレゼンテーションを伺う事により、日本企業が進出する上で、多くの事を検討するとてもよい機会になりました。業界分野は金融から、会計、建築、ビジネスマネジメント、PR、食品など多様で、それぞれのプレゼンもとてもユニークでした。

いま、日本にある課題は、国内市場の縮小により、リスクヘッジとして海外へマーケットを拡大しなければならない事は必須であり、プラス、中小企業においては、社内における事業継承の問題、そして、アジアの中で安定した成長を継続している国での拠点を構える、ということについても検討内かと思います。

今、オーストラリアの対外貿易は中国が1位ですが、クイーンズランド州に関してはいまだ、日本が一番のお得意先となっています。かつて、バブルの時代には多くの日本の不動産開発会社も入り、ホテルやゴルフが建設され、そしてオーストラリア旅行ブーム、ハネムーンの行き先としても大変人気のあったゴールドコーストやケアンズなど、、、これらの時代を経て、今はまた新しい課題として日豪ビジネスを検討する時期に来ています。

これらビジネスが進出する上で、日々感じていることは、その受け入れ側になる州政府、そして、そこにある商工会議所の存在は非常に大きなものです。特にオーストラリアについては州政府との連携はビジネスにおいて強いもので、各州ともに、ビジネス誘致には非常に積極的です。

こういう状況で、州政府や商工会議所の活発なところはビジネス進出を検討する上でもおおいに有益になるため、クイーンズランド州はそのような点において、私見ではありますが、最も活発に感じています。

ランチョンにおいては様々なオーストラリア企業の方たちとネットワーキングができ、とても有意義でした。午後からは州政府事務所にて、ワークショップに参加させていただきました。この中で最も興味深かったのは、既に進出した企業をケーススタディとして日豪のビジネス環境の違いや税務、労務、ビジネスにおける基本的な情報の比較など、これからクイーンズランド州へ企業進出を検討する日本企業にとってはとてもわかりやすい情報が比較されておりました。参加されていた方々はどの程度の現実感をもたれたか、と思うところですが、こうして、ビジネス環境を機会を作り日本の皆様に紹介していく事は重要と感じました。

オーストラリアはどうしても「資源ビジネス」が先頭きっていますが、特に日本人にとっては、クールジャパンを代表する独自のカルチャーも含めて発信していける飲食や小売などのサービス産業も、親日家の多いオーストラリアでは今後おおいにその潜在的なマーケットがあると感じています。

丸一日クイーンズランド州情報につかり、今後さらに駐日州政府、現地オーストラリアのパートナーとも連携し、日本企業進出を支援していきたいと思います。

2012年6月5日火曜日

豪州 求む海外技能者

こんな見出しが大きく日経に掲載されました。いま、オーストラリアは空前の資源景気に沸いている半面、これらを支えていく、労働力確保にはかなり貧窮状態であることも現実です。 オーストラリア人だけではこれら資源関係に特化した技術や経験をもつ労働者は難しいのです。その1つとして、近年の人件費高騰も挙げられ、資源があるのは嬉しいものの、これを担う人材には苦労している状況であり、2014年にはすでになんと7万人も不足するというデータがでています。

移民の国として人気あるオーストラリアで「人材不足!」といわれたら、応募者も殺到しそうですが、これらの深刻さをふまえて、技術者を海外からカバーしようとついに政府レベルで4月にアメリカとその協定締結となりました。ここまでの政策はその深刻さが伺えます。基本、英語&資格制度ともに、オーストラリアとほぼ同等とみなされる国からの人材確保は効率的であり、さらにこの協定により迅速化が進められるということです。

エンジニア・電気技術士・配管工など検察関連の技術者は今後、オーストラリアに注目し、応募することで永住もほぼ問題なく道が開けるのではないかと思います。

資源業界に対する移民政策の措置はかなり現実的であり、昨年Enterprise Migration Agreement (EMA)という協定が発効され、今後、資源開発プロジェクトベースで、多数の海外労働者をこのプロジェクトで就労する事を目的に就労ビザが発行しやすくなります。5月にこのプロジェクト第一号として稼働しました。

果たして、日本人はここの領域に参画できるのでしょうか。今後十分に可能性はあると思います。
特にエンジニアの人にとっては朗報です。また、あまり知られていないのですが、Recognized Graduate Visa(476) というビザクラスが存在し、これは世界中の大学のうちオーストラリア政府によって認可された大学のエンジニア出身者であれば、18カ月現地で雇用先をみつけるための一時ビザを取得可能となり、その後、ケースによっては永住権につながります。

現在、この大学に指定されているのは日本ではなぜか、東京大学、京都大学も含まれておらず、唯一「東北大学」のみとなります。 そのため、東北大学のエンジニアの皆さんはぜひ、今のオーストラリアの現状を考慮して、現場における経験のため、または将来の永住権のため、検討してよい時期にきているのではないかと思います。

日本にも大変多くの優秀な方たちがいらっしゃって、そしてそのスキルが需要のあるところで活かされているのか、海外にも目をむけてぜひ検討していってほしいものです。

この7月から大幅に多様な種類の永住関連ビザの改正があります。今の資源景気も含め、今後の人口構造をふまえてオーストラリア政府はさらに、積極的に時代にマッチした移民政策をつぎつぎと提言していくことが予測されます。

海外で活躍するフィリピン人

今夜放映されていた番組「未来予想ジパング」で海外への「出稼ぎ」大国としてフィリピンの事例を様々な角度から紹介しており、興味深いテーマに思わず釘付けになって拝見してしまいました。 日本におけるフィリピンの方の印象としては・・・と80年代位には本当にたくさんのフィリピンパブがあり、確かに多くのフィリピン女性が「じゃぱゆきさん」といわれるほど頻繁に入国していたことが記憶に新しいです。しかし、最近、これらの傾向は、海外からの批判もあり、法務省において「興行」ビザとしての入国を大幅に取り締まるようになり、激減した状況です。

これにかわって、近年日本では、伝統的な家政婦として、また、インドネシア人同様看護士としての需要も今後みすえていく状況ではないかと思います。 フィリピンにおけるこれらの海外雇用についての実情を伝えていたのですが、政府になんと「海外雇用庁」という管轄まで整備されており、海外における雇用⇒そしてその外貨収益というものを国策として支援している姿には非常に驚きました。すでにこれらの収益はGDPの10%も占めるということですので、国としても軽視できない、重要な政策でもあります。

日本ではカルチャー的にもまだまだ「家政婦」を雇う人や層も限られている為、なかなかこの需要も伸びないのが現状ですが、香港や欧米各地では、「英語」が話せる、プラス、カトリック信者が多いという点においてまじめな気質のフィリピン人はどこでも人気のようです。

彼らが就いている職業の中で、実は日本企業が大変重視しているものがあり、これは大変びっくりしました。いわゆる「船員」の養成であり、日本郵船さんがケースとして取り上げられていましたが、既にフィリピン本国にも商船大学まで設立し、人材育成に投資し、将来の担い手として着実にその人材確保をしている状況に、日本企業にこれほどまでに多くの外国人を採用している企業があるのかと本当にびっくりした次第です。船員のなんと70%がフィリピン人だそうです・・・ 実際、豪華客船「飛鳥」においても約半数以上のスタッフはフィリピン人でした。 フィリピンの人にとって日本一の船会社での就職はきっと憧れるものでもあり、企業としても真面目な人材を確保できることとして、この関係はWINXWINであり、今後こういう形を他企業も真剣に考えていかなければいけないのではないか、と思いました。

グローバル競争の激化がすすむにつれて、人件費はそのコストを左右する大きなポイントです。また、不足している職業に誰かがうめあわせをしなければいけない事態にもなっており、しかし、日本人は人件費は高い・・・となかなかこの格差は悩みの種です。具体的には特に福祉や介護のエリアについて、日本は世界的にも高齢社会国として非常に深刻な状況です。
昨今ようやくEPAの関係で、インドネシア人がこの介護士に採用され始めましたが、国ももっとこのような日本郵船さんの事例を検討し、日本の現状における人材確保の必要性を真剣に考えなければならない時期にきていると感じます。 そのためには、人材開国は必須であり、どのように労働力をカバーするか、という点を重視して、検討する必要があると痛感します。

世界中でフィリピン人の働きぶりは国策と自負するよう、着実に認知されています。日本はこれらの政策を横目でみつつ、日本において何か足りないか、そして、どのようにすれば経済活性化を、雇用創出をできるか、というこを分析し、労働力の確保が必要と感じます。

日本の企業の試みとして非常に刺激になったテーマでした。