ビジネス奮闘記

皆さまにとってAOM Visa Consultingが身近なサービスになるようにこのブログでは少しやわらかめのトピックスもふまえて発信していきたいと思います。 オーストラリアやニュージーランド関連のほか、ふだんの活動や関心ごと含めてレポートします。 ご意見・ご感想などございましたらお気軽にメールにてお送りください。 AOM Visa Consulting Official Web site は こちらへ

2013年2月11日月曜日

オーストラリア大使館のチャンレジ

最近、日経新聞にはオーストラリア政府の試みがいくつか話題として取り上げており、関わるものとしては嬉しい限りです。 先日、グローバル人材育成についての記事が1面に大きく掲載されましたが、今日は、大使館も出張して若者に対しての講義などを積極的におこなっている、という紹介記事を掲載していました。アメリカ大使館も現在の大使であるルース大使就任以降、特に起業家支援に対しても非常に積極的で、かつて少し私も関わりいろいろとイベントをサポートさせ頂きましたが、今も、変わらず、定期的にリーダーシップ育成など、セミナーをしているようです。
一方、オーストラリア大使館は2011年よりブルース・ミラー大使が就任して以来、日本語堪能、そして多様な日本通でもいらっしゃる点を活用し、大学でも精力的に講演をしているようです。 ミラー大使は私もかつて在勤時代公使でいらっしゃったこともあり、非常になじみのある大使で、そして、その幅広い知識にはいつも圧倒されます。 学生との対話を多くもつことで、オーストラリアをもっと身近に感じていただける機会が増えたら、、、と本当に願います。

ご自身もかつて日本に留学していた留学生体験もしていることもふまえて、日豪のパートナーシップの重要性を自らの体験から語ってくださると思います。

また、別の記事で、円安による外国人観光客が増加!というニュースもあわせて興味深く拝見しました。 オーストラリア人にとって日本の冬=スキーのメッカとして、一時ブームとなったニセコをはじめ、最近は長野の白馬に冬は圧倒的にこのオーストラリア人の人口が増えるそうです。 ニュースでも「外国人が」というのではなく「オーストラリア人が・・・」といわれるほど、どこも見渡すとオージーのようです。 たしかに、白馬は何よりも東京からもアクセスがよく、便利で、リゾートと都会を両方エンジョイするにはニセコよりもよいのかもしれません。 面白い現象は、結構オージーの人たちは起業家精神旺盛で、これらの白馬にはオーストラリア人が経営するロッジやレストランなどなど、増加傾向であり、まさに国に浸透してビジネスを起こすバイタリティーある人も多いのが印象的です。 

今は、大使館も大使が大きな広告塔になるほど日本びいきですので、この機会を通じて、もっと日本政府も特に教育・そして観光エリアについては、日豪パートナーシップを強化できると感じています。

今後のミラー大使のご活躍をさらに楽しみにしております。

2013年2月9日土曜日

海外不動産投資セミナー

今年にはいってから政権交代もあり、アベノミクスの影響は確実にでていることを日々感じています。何よりも新年からのメディアにおける税制改正の話題はやまず、明らかに富裕層向けへの増税対策が今後の日本における富裕層へ非常に大きな打撃?になることが予測できます。

日本の根本的な考え方として、多額の借金をなんとか国民の税金からあてたい、という政策は昔から変わらす、この改革が特にこの近年加速していることを肌で感じています。加えて、国民も年々情報収集に非常に長けてきており、海外投資への波は今後もずっと広がると予測しています。

そんな中、今日は海外不動産投資セミナーを開催している「アジア太平洋大家の会というところでケアンズの不動産セミナーが開催されましたので、私も勉強がてら参加してみました。こんな会があるのか、、とこれもびっくりしましたが、海外不動産投資に関心あるかた、または実践している方などが情報交換の場として定期的に集まっているようです。 メディアからわかることは、いまアジアへの海外投資は非常に盛んであり、特にシニア層に関していえば、リタイア後のライフスタイルを海外で過ごす、という選択もふまえて、ビザと不動産は多くの関心をよせているようです。

まだまだ私自身はこの不動産のしくみなどは勉強中の身でもありますので、皆さまの情報交換は非常に有意義でした。
今回はケアンズと直接スカイプを結んで、現地からの最新情報そして、具体的な物件や制度など、非常に興味深く拝見させていただきました。オーストラリアは州によっても若干法律が異なるため、その州に特化した不動産会社からの情報が確実かと思います。全般的にいまオーストラリアはとにかく物価が高く、不動産も上昇傾向ですが、その中でもケアンズはまさに「買い時」といえるほど国内でも価格は買いやすいそうです。 なるほど~・・・といろいろ勉強になりました。

後半は、今日は参加者のつもりでお伺いしたのですが、、いろいろ関心も高いようでしたので、少しオーストラリアとニュージーランドのビザ制度について皆さまにご説明させていただきました。 漠然ときいているものの永住権には?という点においては少し現実的な点をご説明できたかと思います。

今、日本人たちの関心ごと、そしてメディアの影響もかなりありますが、圧倒的な「アジア」への関心は強く、マレーシアを筆頭に、シンガポール、タイ、フィリピン、、、と本当に情報も多々あるようです。雑誌をみてもこれらの情報が圧倒的な地位を占めてますが、個人的に感じるのはやはり「どんんな目的」で、そして「どのくらい居住したいか」「永住権を取得目的か」などで、その選択は変わってくると思います。

総合的にみて、オセアニアは今、アメリカ、欧州らがリスクが高まってきている影響もあるため、消去法からいっても、かなり先進国の上で「優位」つまり、経済面におけるカントリーリスクも低いので、その評価がたかまってきていると感じています。 

日本人の富裕層もその資産価格によっていくつかカテゴリーが分けられると思いますが、ニュージーランド投資家ビザにアメリカ人が殺到しているところをみれば、先進国の税制の厳しさを懸念して移動する人が増加していることも統計から理解できると思います。

日本人の富裕層の分布は他国に比較して圧倒的に「高齢者」=つまり60歳以上が大半というところが他国と大きな違いになりますが、それでも、バイタリティーのある40代、50代は今後の人生を真剣に検討するならば、実はいろいろな生き方があり、そして、多くの選択もある、と考え始めていると思います。

AOMもこれらをふまえて、個々の皆さまにとって適格な情報提供を皆さまにしていきたいと思います。 とても関心高い人たちが多い、というのを実感したセミナーでした。

2013年2月5日火曜日

シンポジウム 高度外国人材に対するポイント制を活用した受入促進について

先日イミケンにご参加いただいた日本総研の方からお誘いをうけ、昨年日本の入管法にて施行された高度人材に対するポイント制についてのシンポジウムに参加してきました。

私自身はオセアニアを中心とする外国移民法を扱うスペシャリストではありますが、もちろん日本、自国におけるこれらの政策についても強く関心を日々持っています。なぜなら、日本ももう時代が変わってきており、人口や、国家の経済政策もふまえて、入管法をみなおす時期にきているということを痛感しているというのが本音です。 入管法に限らず、とにかく日本は法改正のペースがあまりにも遅い国であること、そして改正することに対する変化への対応や、社会がどうしてもまだまだ保守的である、という点はいなめないのが実情です。 しかしながら、「グローバル化」と唱えるのであれば、これらのプロセスは必須であり、本当にどのように国を強くしていけるのか、ということをもっと真剣に考える機会があってもよいと感じています。

ざっと見渡す限りほぼ80%以上が日々これらの入管法をとり扱う行政書士の皆さまだったと思います。はじめに、これらの制度を推進してきた経済産業省からこの制度の説明、そして、その後に、実際に施行後におきている現象や実際の申請者の状況など、パネリストもふくめて、現実的な状況をディスカッションされました。

「ポイント制」という響きはオーストラリアやニュージーランドでも実施されており、とてもなじみのある制度でありますが、大きな違いは日本の場合は、「永住ビザ」を前提とするものではないもの、そして、雇用主がきまっていることが前提である、また、何よりも「年収」に応じてポイントが加算される、という点でしょうか。 これらから現実的に計算し、該当する人は結局のところ、外国籍においても「欧米系」の「金融関係・IT」など「外資系」企業に勤務する人、になるということです。

また、もう1つ、日本の制度がとても異色な点は「家事使用人」または「親」の帯同が許可されること。という点です。この「家事使用人」というのはほかの国ではまずみあたらない制度であり、明らかに、この使用人を必要と考える客層が限定されてきます。

実際パネリストからでていた本音としてはこの「高度人材」の制度を利用したい大きな理由は「家事使用人」を雇いたいから、、、ということにつきる…ということでした。

これらをふまえても「日本にとってどんな外国人が高度人材なのか」ということの位置づけを政府はもっと真剣に考える必要があるということを痛感します。
いま、まわりをみわたせば、毎日のように「どうしたら海外進出を成功できるか」「どうしたらグローバル人材を輩出できるか」と企業は常にこの「グローバル」というキーワードに悩んでいます。

私個人が考える「日本にとっての高度人材」 とは 「日本語を理解し、日本の文化、特にビジネス文化や習慣を周知したうえで、海外においての交渉役としても外国へ進出する際に大いにその国との橋渡しをする人」となる人と思います。 これは年収などではなく、いかに、日本をしっているか、そして、そのスキームを海外においても応用できるか、という点です。 外国の移民法にはよく「この国にとって有益な人か、国益となるか」という表現のしかたをしますが、まさに「日本にとって有益な人となるか」という考え方を入管法に位置付けることが必要と思います。

いま、在日外国人のうち、実は労働力となっている人口は年齢でいえば、実は若い人が多く20代~30代が圧倒的に多いのが現実です。それは、もちろん学生からの留学生を含めてをいいますが、今、まだ日本には 留学生から永住権へのスキームがかっちりとないのが現実です。 日本へ大きな期待をもってやってくる留学生ですが、就職難、そしてビザの問題から国に帰る人も少なくありません。 もし、本当に日本が日本にとっての高度人材をふやしたいのであれば、これら、学生からのpathwayを真剣に考えることがまず先決と感じています。

また、少し話題ははずれますが、ワーキングホリデー制度もほとんど今国は活用していません。海外から多くの若者、現在は11カ国も制度があるにも関わらず、これらの制度をもっとビジネスの環境にも活用することで、ダイバーシティを生むことができ、かつ、日本人たちもその国のビジネスをしることも可能となります。 「観光大国にしたい」といいつつも、もっと現状にあるビザの制度、そして、どうしたら、よい人材を確保できるか、ビザとからめて考える余地はあってもよいと思います。

高度人材のポイント制の話にもどせば、現行の制度はいまのまま継続しても、基本申請者となれる人の絶対数が少ない事、また、実際のことろ、この申請者となれる人=ほぼ欧米人ですが、本当に「永住」したい人が意外と少なく、これらのメリットのみを考慮して申請する、ということが予測されます。 
また、高度人材制度のみならず、基本的な点として、日本の在留資格は「就労」という大枠ではなく、文系は「人文知識」 理系は「技術」などと制限されているため、その仕事の範囲も制約があり、非常に使いづらいのも事実です。 

高度人材はうまく活用していくことができるのか、かなり難しさを感じていますが、これとは別として、「日本にとって有益となる人材」を確保するためのpathwayはもっと制度として可能なのではないかと思います。 1つの提案として

1.卒業した学生に1年間の就労ビザを与える

学生⇒卒業を満たした学生⇒1年間の就労できるビザ(就職活動用:practical training就労範囲制限なし)⇒ 就労ビザ(正式に雇用主にスポンサーしてもらう)

*これは、留学生にとって、大きなモチベーションとなり、留学生増加にもつながる。

2.ワーキングホリデー制度を活用

企業側がこれらのビザをもっている若者を「traineeやintern」として採用できる機会をふやす。現在は、実際このビザで来日してもよい仕事がないことが問題。 企業側も若者からその国の状況などを知るよい機会

特に観光業についてはワーキングホリデービザ保有者を積極的に採用できる可能性大(英語やその自国語を活用し、観光客にも対応可能なため)

3.就労ビザというもののしくみをかえる

現行は資格目的に準じるという制約がありすぎるため、端的に雇用主がスポンサーしてくれるという目的で「就労ビザ」というものにする。

今後の動向をまたじっくり観察していきたいと思います。
まずは、もっと若い人、そして、日本を勉強している人、日本語を習得している人を重視する政策が必要と思います。


2013年1月7日月曜日

2013年の幕開け

新年あけましておめでとうございます。東京は元旦から素晴らしい快晴となり、特に三が日は気温も高く、とても穏やかなお天気でした。皆さまはどのようなお正月をお過ごしになられましたか?

年末に自民党への政権交代と2012年最後の大きなニュースとともに、あらたな気持ちで、今年を迎えた次第です。経済界はかなりの期待から株価も震災以前に戻り、急速に円安が進んでいます。オーストラリアドルも一気に90円を超えて、ちょっとこの急伸ぶりには驚いています。製造業にとっては大きな前進になるのかと思いますが、、、留学する人たちにとってはちょっと大変な状況でもあります。 特にオーストラリア&ニュージーランドドルはこれらのマーケットに対する反応が大きいため、これからの動向をじっくりと観察していきたいところです。 安倍政権発足し、首相もかなりの意気込みで、次々とデフレ脱却策ともいえる提案を出し、ぜひ実践へと期待は高まります。

リーマンショック以降、民主党政権下、基本この4年近くは本当に低迷していたと思います。小泉政権の勢いが懐かしい次第ですが、この時代に活躍された竹中氏が今回の政権においても、大きな存在になると感じています。 何はともあれ、もっと世界を状況を深刻に観察し、経済活性化につながる方策をぜひ実行してほしい次第です。

予想としては、経済活性化すれば、さらに日本から海外へもっと日本企業のグローバル化は進む、いや、もうその道しかないと感じています。 その点において、税金がからむFTA/EPAそしてTPPを検討したうえでの進出は必須であり、いかに効率よく海外で収益を上げるか、日本は開国しなければ、その道は狭まるばかりと感じています。 この政策が大きく動くと、もちろんオセアニアにも大きな影響がありますので、その点を期待したいものです。

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私自身もひさしぶりにゆっくりとすごしたお正月でした。ベタではありますが、紅白も観賞し、そして最近お気に入りの「ジルベスターコンサート」では「威風堂々」カウントダウンがばっちりと決まり、やっぱりクラシックでの年明けは心地よいもの・・・と晴れやかな気持ちになりました。

3日には初詣で、初めて日枝神社にいってみました。 どこも大変な混雑の初詣に比較して、ゆったりじっくりとお参りできたのはとてもよかったです。 お願い事は多く・・・しかし、まずは家族含めてみんなが健康でありますように。 

4日には、秋にNYへ訪問した際にお会いしたアメリカ移民弁護士の方とランチをしました。 日本でもアメリカビザをしている会社はいくつかありますが、また現場の状況は異なるものです。国は異なりますが、アメリカ、オーストラリアともに、邦人も世界の中では最も多い国(アメリカ)と3番目(オーストラリア)であります。お互いに、共有できる部分多くのよき情報交換ができ、今後の北米方面の企業の動向も見ていきたいと思います。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2012年12月18日火曜日

2012年を思う

今年も残すところあとわずかとなりました。震災から1年、スカイツリーの開業、ロンドンオリンピック、そして最後に政権交代・・・などなどいろいろありましたが皆さまはどのような2012年でしたか?
だいたい年末になると、その1年についてふと振り返り、様々な出来事や出会った方が浮かびます。思い返すと、今年は本当に多くの方との出会いがあったと思います。AOM としての活動も少しずつですが、広がってまいりまして、大変多くの方からの温かいご支援を頂きました。少しトピックスごとに記しておきたいと思います。

<オセアニアの動き>
昨年からニュージーランドも開始したこともあり、オーストラリア・ニュージーランド両国の動きをみていくようになりました。今、世界はユーロ危機からの影響はまだまだ引きずっており、人口移動も含めて、労働市場のあるところへと移住や避難、という形で、急速にヨーロッパからの脱出は増加傾向です。このような点で、世界経済も不安な雰囲気はまだ変わらず、比較的安定しているオセアニアへの関心は今後ももっと高くなると予測しています。 企業についても日本も円高から今年は過去最高のM&Aが実施されたようです。オセアニアも例外ではなく、多様な業種のM&Aのニュースは非常に関心高く拝見していました 。 AOMもオセアニア方面の法人案件を少しお手伝いさせていただき、ビジネスや経済の流れ、そしてグローバル展開というものを肌で感じて、時にエキサイティングな年でありました。 ビザはあくまでもその人の移動に関わる点ですが、これらの先陣切って現場で活躍している姿はとても刺激となりました。

来年以降は予測されることはTPPの動向によって明らかにその進出企業や現場でのビジネス展開の方向性が変わってくると感じています。 オセアニアにとってTPPは非常に重要な政策であり、今後の動向をじっくり見ていきたいと思います。

<オーストラリア>
移民法からの観点でいえば、まさに「劇的な」変化=つまり大きな法改正の年だったといえます。学生は全般的に緩和傾向へ、受け入れる政策として、留学生誘致のために方向性が明確になったこと、これとは対象的に、永住ビザについては 「高度人材→ だれでも受け入れる、ということではなく、労働市場にマッチする方を優遇」という理論のもとに、①雇用主がみつかってない→ ポイント制はかなりハードル高く ②雇用主がみつかっている→ 就労ビザからは緩和傾向、 という済み分けが明確となりました。 そして、さらに投資家→誘致 という方向ですが、「超」投資の人をターゲットとすべく、ぐっとこれらの要件はあがり、誰でもが投資ビザを申請するのは難しくなった状況です。 原則として、「移民省」が優先順位もコントロールすることで、バランスよく移民を精査する、という超ドライな政策へと転換した大きな年でした。11月に発表になったSignificant Investor Visa =500万ドルを投資するビザですが、中国人にとってラッキーナンバーである「888」をビザクラス番号にするほど・・・大クライアントである中国人へのアピールは明確です。
来年はこれらの法改正の現実がいろいろとみえてくる年となるといえます。

<ニュージーランド>
ニュージーランドの大きな出来事はなんといっても「東京の大使館」での審査が終了してしまい、10月から上海での審査へ変更となったこと。これによって、申請ステップは変更し、そして、やはり国内に直接質問できるところもなくなり、不便さは感じます。 予測していたよりはだいぶスムーズに手続きはされているため、意外とうまくいくもの、、、ということも感じています。 

そして、もう1つ今後注目している点は、オーストラリアの投資ビザ関連の要件がぐっとあがったこともあり、今後、ニュージーランドを検討する人が増加するのではないか、と感じていることです。 先進国において移民候補先としてはこれらオーストラリア、ニュージーランド、カナダなどの英連邦、そしてアメリカが挙げられますが、富裕層にとって大敵である税金の問題とからめると多様な面においてニュージーランドの優位性がわかります。 まだまだ社会的にはだいぶマイナーな知識ではありますが、事実、現在ニュージーランド投資ビザの申請者第一位はなんとアメリカ国籍です。 先進国の中でも税制のメリットを理解した人たち、そして政治の安定性や安全面を考慮してニュージーランドへと移住してきているようです。 日本人で最近、珍しくこれらのニュージーランドの投資永住ビザについて本を出された方がいらして、このような状況は今後、もっと検討範囲内になるのではないか、と予測しています。

昨年の震災以来、これらのような富裕層の動きは劇的に変わったと思います。プラス、日本の税務法改正への予測もできている今、時間を考慮してかなり早いスピードで日本の富裕層たちも永住権というものを考える人が増えてきていると実感しています。

10月にクレディスイスから発表になったグローバルウェルネスレポートによれば、日本人はなんと世界2位の富裕層です。このレポートは非常に興味深く、今後の日本を検討する上で、富裕層たちの行動は明らかに変化していくと、感じています。

日本についての分析

- 日本の家計の富は前年比1.3%増加の約28兆ドルで世界第2位を維持
- 世界の富の増加における日本の貢献度は第3

<カナダ>
5月に急きょカナダ大使館のビザセクションが閉鎖してしまい、現在マニラへの申請と変更になったことをきっかけにAOM もサポートを開始しました。 しかし、まだニュージーランドに比較してもカナダの申請はなかなか苦戦・・・・。印象としてはどうしても現場の審査官が日本のカルチャーやビジネスなどにあまり慣れていないのではないか、ということを感じています。 オーストラリア・ニュージーランド・カナダとすべて英連邦ではありますが、移民法の解釈方法はカナダはだいぶ異なり、申請する上で学ぶことは多くありました。 

ビザセクションは英連邦において早々に「閉鎖」という形を取り始めましたが、今後大使館自身も英連邦は各国と連携して建物なども共有することで、経費削減につなげる。。。。というほどのプランを発表したのも今年です。 オーストラリアも本当にそうなるのか、、とますます心配になりました。来年にまた動きがあるかもしれません。

<インターンシップ>
昨年、オーストラリア政府が掲げた「グローバル人材育成先=オーストラリア」ということからAOMもインターンシップ事業を開始し、今年は大学で講義をしたり、学生と知り合う機会が多くでき、とても有意義でした。 今学生のみなさんは「就職活動」という大きな壁に早くからぶつかっており、自由な学生生活も少し保守的になっている人も少なくありません。 さまざまなことを考えている学生たちと接し、もっと広い視野、そして、もっとチャレンジングな機会をぜひ作ってほしいと思います。
来年から本格的に学生さんを中心としてインターンシップに参加していただくことになります。 ぜひ多くの経験をして、また後輩たちにも自身の経験をぜひ伝えていってほしいと思います。

<現場>
2月にニュージーランド、11月にオーストラリアへと訪問しました。 日本でオペレーションしているものの、現場に行き、多くの方からジャパンビジネスの現状や現地にある日本政府のとりくみ、そして実際のライフスタイルなどなど、現場にいくと多くの発見がありました。 どちらの国も長い間訪問していなかったこともあり、非常に現地のヒアリングは新鮮でした。 現地に進出してきている日系企業の業界も年々変化してきているようで、これは、今後ますます政策によっても考えられることです。 オーストラリア=資源 ニュージーランド=木材などの資源 というような伝統的なビジネスから今後はもっとジャパンクールといえるようなビジネス参入は十分考えられるのではないか、と期待します。 アグリビジネス(農業)やサービス産業は注目したいエリアです。

AOMの来年の目標としては、日豪・日ニュージーランドネットワークを活用し、これらのようなジャパンビジネスのお手伝いできるようなしくみづくりを構築したいと思います。 現場にいる弁護士や会計士との連携、そして、これは日本人のみならず、オーストラリア人やニュージーランド人でも日本ビジネスにたけている方は多く存在するのも事実です。 ビザのみならず、総合的なプロフェッショナルチームとして、現場の方と連携していくことにより、企業進出のお手伝いができればと思います。

また、現地で感じたことは、個人の皆さまはこのようなImmigraton service についての情報がとても少ないということも痛感しました。 最近は日本からもオーストラリアやニュージーランド現場にいる方のサポートをする機会も増え、こうした皆さまに対して安心して、かつ個々のコミュニティにも有益となるネットワークをどんどんご紹介していくことができればと考えています。

<イミグレーションロー実務研究会>
最後に、ビジネスとは別の活動として昨年から行政書士の皆さまと始めた移民法の勉強会について、おかげさまで1年を迎える事ができました。 定期的にチームでこの勉強会を構成してきて、外国の移民法についての気づきや日本の在留資格に対する将来の展望など、同じ移民法を取り扱うみなさんとの交流はとても有意義でした。メンバーみんなが感じていることは今後の日本をみすえてよりよい社会を作っていくためにいつの日か、移民法観点から在留資格への提言などをしていくことができれば、と思う次第です。オーストラリアやニュージーランド移民法のよい点や合理的な点などをご紹介することで少しでもヒントになれば、と思います。 来年も引き続き活動を進めてまいりたいと思います。

・・・いろいろと長くなりましたが、来年の目標がこの1年の活動からだいぶ明確になりました。

少しずつではありますが、新しい年を迎えるにあたり、ちょっとは前進しているかな、と思います。今年も大変多くの方にご支援をいただきましてありがとうございました。 留学がきまったり、お仕事がきまり、就労ビザがとれたり、そして永住権がとれたりして、見送る私の立場として、新しい国でぜひみなさんには最大限チャレンジしてほしいと願います。 

少し早いですが皆さまもどうぞよいクリスマス&お正月をお迎えくださいませ。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

2012年12月3日月曜日

イミケン ~第9回 GVFセミナー 「EUの挑戦 国民国家を超えた入国管理の成否~シェンゲン条約と欧州統合」

イミグレーション実務研究会もはやくも発足から1年が経過しました。今年のしめくくりとして初のユーロをテーマとしたレクチャーが開催されました。 上智大学準教授の岡部みどり先生をお迎えして、近年のヨーロッパ情勢からこのヨーロッパに実施されている「シェンゲン条約」からなる「シェンゲンビザ」のお話をいただきました。

もともとユーロは共同体ということから、国境外の移動の自由、そして通貨統一=経済統合、と他地域にもないチャレンジングな体制を実施してきましたが、最近は特に経済力が高い国と低い国における格差問題から多くの難題に取り組んでいます。

昨年の「アラブの春」を機にあらためて、「国境管理体制」の復活の声も多くあがってきているのが現状ということで、特にフランス、ドイツ、デンマークなどにおいては切実な問題となっているようです。 確かに、経済状況が異なる国において、これらの自由移動が発生すると、人の管理の難しさは想像できる状況です。

シェンゲンビザは結構昔から存在しますが、どのくらい機能しているのか…という点も疑問でしたが、実際のところ、シェンゲンビザは発行されるものの、各国その国境管理に関する移民法はバラバラであり、そのような中で、このシェンゲンビザの位置づけも非常に複雑なものと感じました。

1つ、象徴的な事件として例にあげられていたのは、2011年4月~イタリア領内にあるチュニジア国境により近いランベドゥーサ島に大量のチュニジア人 約25000人が庇護申請をしたということです。その後、イタリア政府の措置としては6カ月にこれらの人に一時居住権を与えたということです。 そうなると、これらの人たちはビザが下りたのはイタリアであるものの、ここからEUのしくみとしてEU内は移動自由となるため、大半がイタリア⇒フランスへと移動することで、フランスにとっては大変なお荷物になってしまった・・・という事件があったようです。 結局のところ、イタリア政府も自国においてこれらのチュニジア人を管理しきれない、という背景から、ビザを発給⇒ ほぼ確実にフランスへと移動する、ということを予測して、行っていたことで、フランス政府としては大変な措置となってしまったということです。

一見便利にみえるシェンゲン条約であるものの、これら、加盟国にとってはかなりの問題がおしよせてくる危機的状況にもなりうるわけで、あらためて、国境管理の意義を考えさせられました。

~この事件はまさに2001年8月、オーストラリアでおきたパシフィックソリューションを思い出しましたが、(400人くらいのアフガニスタン人がオーストラリア海域にはいり、ボート上陸を試みた際に、急きょ10日間くらいの間に法改正を実施し、その結果、ナウルで庇護申請を実施することになった・・・という方策)

今、ユーロ経済の不安定さからメディアでも多く取り上げられておりますが、経済事情により人の移動は年々激しくなり、スペイン⇒南米へ、 ギリシャ⇒オーストラリアへ と今までと逆の移民が増加しているのも現状です。 常に経済活動のある場所へ移動が発生する、という理論は普遍であり、これらを考慮すると、今後ますます、ヨーロッパ経済動向や将来の国づくりにおいて、一層複雑化を感じざるを得ません。

あらためて、人の移動は雇用のあるところへ常に移動がある、ということを実感しました。
ユーロ圏内における管理は本当に大変・・・というのが率直な感想でした。 ~オーストラリアはあらためて「人口政策」と「労働市場」をみすえての分析を常に実施する超ち密政策である、ということを実感した次第です。

後半に少し「高度人材ポイント制の意義」のようなトピックスでみなさんとディスカッションしました。
つい5月から日本政府はこの制度を開始したわけですが、一方オーストラリア政府はこのポイント制の制度の雇用ミスマッチを強く懸念し、逆に、今後は雇用が確定している「雇用主スポンサービザ」に重点をおいていく政策へ変化しています。 日本とオーストラリアのポイント制は大きく異なりますが、(日本=原則雇用主がいないと申請できない オーストラリア=雇用主がない場合にポイント制を申請) オーストラリア政府の実施した「雇用主がなくても自分自身の能力による申請」という形はこれから、縮小傾向になるのではないか、という予測です。 

結局のところ経済効果を最大限に活かす=各地域(州)にある労働市場においてカバーできない職業を移民でカバーする、ということにより、労働市場バランスをとっていくという考え方に尽きると思います。・・・しかし、これを実施するためには常にデータ分析をする、というち密な研究が必要ということです。

ユーロについてあらためて現状を知ることができたとても興味深いレクチャーでした。

2012年12月1日土曜日

2年ぶりのオーストラリア

気がつけば暦の上ではすでに師走!・・・ということでもうすぐ2012年も終わりです。今年はまさにMarketing Year であった、、という感じです。 2月にはニュージーランドにも訪問し、多くの現場をみてきました。 そして今回11月中旬から2年ぶりにオーストラリアへ訪問してきました。

短い期間ではありましたが、ブリスベン+シドニーと訪問し、多くのジャパンビジネスに関連する方にお会いしてきました。 ブリスベンは初訪問だったのですが、、なんと嵐(Storm)にも遭遇してしまい、、大変でした・・・(ミーティングする予定だった方の家の窓が全壊し、、、結局家からでられなく、ミーティングはキャンセルになった) が、翌日にはすっかり晴れて、なんとか、、、というところです。 ブリスベンはこじんまりとしたシティですが、夏も感じるさわやかな街でした。 最近クイーンズランド州はとても活発で、日本によくみなさんいらしていたので、すっかりチームとして親しいメンバーがそろいましたが、現地では、元クライアント、そしてこれから赴任予定の方、ビジネス仲間などとみなさんでネットワークかねてのディナーなどもさせていただき、とても楽しいひと時でした。

また、ブリスベン日本商工会議所訪問した際に、最近ビジネスマンのみならず、日豪ビジネスに関心ある学生向けに学生メンバーを募集始めた、ということで、ちょうど訪問した日に学生向けのプレゼンがありましたので、参加させていただきました。 ほとんど日本からの留学生でしたが、驚くほどみなさんモチベーション高く、そして優秀な人がそろっていて、本当に彼らが将来日豪ビジネスに関わるのかもしれない、、とも思ったくらいです。 そういう意味で、若いうちから商工会議所にてビジネスの空気に触れる、という機会は非常に大きいと感じました。 Arrow Dynamics というコーチングの会社により基礎的なビジネスネットワークのレクチャーがあり、これもとても有益な内容でした。とにかく、QLD州メンバーはいつも活発です。 そんな空気を感じながらシドニーへと向かいました。

シドニーは2年前に独立してまもない頃Migraton Agent Conference に参加するために訪問して以来でしたが、前回知り合った方も含めて、元クライアントで現在シドニーで活躍している方や現在のクライアント、そして日本・オーストラリア政府などなどシドニーにいるビジネスパートナー&元同僚であるジェイコブワイリーとともに日豪ビジネスに関するトピックスをメインに大変多くの方にお会いしました。 やはり、現場にいくと多くのことを知ることができる、というのが今回の率直な感想です。日本側からではみえない部分も大変多くあり、特にJETRO所長様とは大変有意義な意見交換をすることができました。 日本側からはマーケットは要は世界中にあり、その中で、いかにオーストラリアに魅力をもち、企業進出していただけるかが鍵です。 今後、明らかに世界のマーケットの中心はアジアパシフィックになると予測される中、オーストラリアの存在価値をどれだけ説得できるか重要です。 税金のこともふまえて多くのことを考えさせられました。

弊社はもちろんビザ代行がサービスになりますが、やはりほかにはない大きな点は、単に代行をすることのみではなく、ソリューションを提供できるということです。 ビザをうまく活用することにより、以下に一時滞在を効果的にするか、これは「グローバル人材育成=オーストラリア」の活動にもつながりますが、 人的交流が増えることにより ビジネス活性化につながる点は大きく、これらをふまえてコンサルテーションを日本側+オーストラリア側双方からできること、そして日本人+オーストラリア人というチームにより可能であることは大きなポイントと実感しました。

最後にシドニーのショッピング中心街ともいえるWestfieldに来週くらいにオープンするラーメン「一風堂」さんを見学してきました。2008年のニューヨークオープンを皮切りにすでにアジアでは4カ国位に進出し、かなりの成功をされている企業で、今回初めてオーストラリア進出となります。 これは、単にこの企業のことのみならず、現在JETROでは、伝統的な製造業などとは別に、これらのようなサービス(飲食など)・小売産業の進出促進に積極的支援をしているがゆえ、大きなビジネスモデルともなる期待があります。 まだオーストラリアはモスバーガー、味千(ラーメン)くらいしか日本の飲食店は進出していないため、ぜひ今後の展開に注目したい次第です。 どうもとんこつラーメンはかなり欧米の人には人気があるようです。

とても短い滞在ではありましたが、来年の方向性を明確にした大きな機会となりました。

みなさん、数年居住する、そして永住する人もいるわけで、弊社としてはビザ代行+発行のお手伝いするのみではなく、その後のビジネス活性化、そして個々の人生において現地の素敵な仲間をよい形でご紹介していくことで、よりよいお手伝いができれば幸いと存じます。

あらためて、現地にて多くの方に歓待いただきまして、大変お世話になりました。心より御礼申し上げます。 来年はもっと頻繁に訪問したいと思います。
2012年最後に非常に有意義な旅となりました。