ビジネス奮闘記

皆さまにとってAOM Visa Consultingが身近なサービスになるようにこのブログでは少しやわらかめのトピックスもふまえて発信していきたいと思います。 オーストラリアやニュージーランド関連のほか、ふだんの活動や関心ごと含めてレポートします。 ご意見・ご感想などございましたらお気軽にメールにてお送りください。 AOM Visa Consulting Official Web site は こちらへ
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2012年3月7日水曜日

オーストラリア投資ビザセミナーのご案内 12日(月)18:00~

最近の活動の1つとして、昨年秋から東京都の行政書士の皆様を中心に「イミグレーションロー実務研究会(イミケン)」という勉強会を始めました。ふだん、行政書士の皆様は出入国管理法=いわゆる日本のビザに関わる実務を行っている方たちになり、今後日本の入管法を検討する上で、各国の移民法を勉強することで、よりよい入管法を検討していくことができれば・・・という主旨で開催されています。 国が異なることで、これらの法制度は文化的な背景も含めて異なります。様々な視点から比較することで、何かのヒントになっていただければと思う次第です。

来週12日(月)18:00~より オーストラリア移民法において「投資ビザ」に関わるレクチャーをさせて頂きます。このタイプの投資ビザはまだ日本では存在しませんが、アメリカやカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、そしてシンガポールについてもいろいろな形で実践されています。 

もしご関心ある方はどうぞご参加いただければ幸いです。

詳細につきましては、直接「イミグレーションロー実務研究会」あてまでお願いいたします。
多くの皆様のご参加をおまちしております。

2011年11月14日月曜日

オーストラリア移民法セミナー開催 ~イミケンにて~

今年の9月より親しい行政書士の先生方・アメリカ移民法弁護士の方とともに「イミグレーションロー実務研究会」という勉強会を発足しました。 行政書士の皆様は通常日本のビザを取り扱う立場でもあり、私を含め、海外の移民法を扱う方たちの双方による情報交換や移民法についての勉強により、その政策などもあわせて考えていいく、という会になります。 

今回は第2回目ということで、僭越ながらセミナーをさせていただきました。 初めてオーストラリア移民法をきく方にとってはまずは、その総論や背景、政策などを理解した上で、実務についてほりさげていくことのほうが理解しやすいと思い、今回は、どちらかといえば、少しアカデミックな内容としてご紹介させていただきました。

実際、私自身は、実務からはいった立場ですが、仕事を通じて、初めてオーストラリアを知り、コアラやカンガルーのイメージだけであったところから、実務の背景にある様々な歴史や背景を勉強していくことで、その政策が非常に理解できるようになったのも事実です。

あの時代、まだ大使館にオーストラリア関係の蔵書を集めた図書館がありましたので、よく仕事の合間にいろいろな本を読んでいました。 今まで全くしらなかったアジアとの関係やかつて実施してきた移民政策、そして、その根底にある、考え方など、非常に勉強になったことが記憶に新しいです。実務はもちろん関心がある人は多いと思いますが、このような背景を理解することで、現在の政策がある、そしてもちろん政府の与党によってもその移民政策は変化しやすい、という点をふまえ、実務をすることに意義を感じています。

ご参加頂きました方は行政書士の方がほとんどでしたが、オーストラリア研究をされている大学の先生やそして、Migration agent (オーストラリアの認定移民代行業者)にもご参加頂け、非常に意義のある機会になりました。 

オーストラリアの移民法を取り扱う上で、実務の点をいえば、個人的に斬新かつ、世界的にも先進国と感じるのはe-visa の発達です。この点は以外と一般の方には知られていない点であり、そもそもアメリカのESTA は オーストラリアのETA を学んで始まったシステムである、ということさえ、知られていないのが現状です。 なかなかイメージのこともあるのか、アメリカが最も先端をいっていると日本では理解されやすいため、その点、オーストラリア移民法には誇れるシステムがたくさんあることを今回、いろいろご紹介させていただきました。 

~いろいろな理由や背景をもとに、現在の法律が確立している、ということをぜひご理解いただければ幸いです。

終了後は参加者でオーストラリアワインを囲みながら、なごやかに懇親会が開催されました。
ざっくばらんにこういう機会は実務をしていくこと、とは別に細々と継続していくことができれば嬉しいです。 長年大変お世話になっている旅行会社の皆様にもご参加いただきまして、本当にありがとうございました。

次回は、5月位になるかと思いますが、多くの方がご関心あるようなトピックスのセミナーにしたいと思います。

2011年7月12日火曜日

OECD によるレポート : 世界の移住状況について 2008-2009 統計

このほどOECDより世界の移住状況についてのレポートが発表されました。このレポートは2008-2009年度と若干古いデータではあり、まさに2008年の金融危機直後のデータということもあり、その情勢もある程度反映していますが、世界的動向をみる指標としては興味深いものとしてご紹介したいと思います。

国際的にみて移住数は労働市場の縮小にともない2009年に7%減少し、2008年度の450万人に比較して430万人と減少しました。特にアジアやヨーロッパ諸国、チェコやアイルランド、イタリア、スペインやスイスにおけるOECD諸国において顕著でした。ヨーロッパではEU加盟国においては2009年は22%の減少で、これに対照的なのはオーストラリアやカナダ、アメリカでは2009年度若干増加傾向となりました。ただ、一時的な雇用における移住に関しては労働市場の縮小にともない2009年度は17%も減少しています。

この指標から言えることは、各国で不足している労働力に対し移住者にてカバーする、という考えは今後も増加傾向になるであろう、ということです。 ただ、若い移住者はなかなか職につくことも難しくなっていることも現状であり、建築業界、金融や小売業などは難しい半面、教育や医療系、介護やヘルパーの仕事などは需要が高いということです。

また、興味深いデータとして、移住者の方が、その国の出生者に比較して、起業をする人が多いということです。雇用創出や新しいビジネス起業などに対して基本、政府は歓迎であり、これらの移住者による経済効果を期待しています。

人によっては学生として留学し、そのままその国おいて、移住する人も少なくありません。おおまかにいって留学生のうちの4分の1の学生がその国に残るという比率も比較すると、カナダの強さ、そしてオーストラリアも顕著に多い国でもあります。
ある意味留学生は、その国を担う重要な人材になることも多く、そのような意味で、移民の国は基本、学生から永住へ、という人材確保も重要視しています。 年々留学生は増加傾向であり、特に顕著なのは中国からの留学生の存在です。

移住傾向は年々経済や政治事情によっても大きく情勢は変化する傾向があり、今後は、ますます、新興国からの移住者が増加することが予測されます。その受け入れ先となる国が現状をふまえても今後はますますヨーロッパより、アジアに近いオーストラリア、伝統的に移民受け入れに寛大なカナダ、そしてアメリカ、という状況になるでしょう。

このような状況ふまえて、ますます自国の日本の国力の弱さを痛感してしまうこのごろです。 危機感をもって移民政策をしなければ、ますます日本は縮小してしまうと悲観的にならざるをえません。現実直視をして、真剣にとりくんでほしいと感じます。

2010年12月17日金曜日

移民省の今後の傾向 ~ 一時居住ビザと永住ビザについて ~

12月17日- 移民省サイトに興味深い記事が掲載されました。
現段階では、まだ討議中ではありますが、現在、存在する多くのビザクラスのスリム化― つまり、ビザクラスを減らし、そして、申請・審査プロセスも簡素化するという提案がすでに2010年6月4日に提案されたことをうけ、今後、2012年までに50% 一時居住ビザクラスを減らし、2015年までに50%さらに永住ビザクラスを減らすということを目標にそのプランが発表されました。

ビザは、「目的に準じて」その決められた種類(サブクラス)を申請することになりますが、状況に応じて、プロセスや審査ポイントも個々に異なり、考え方によってはそれは膨大な時間がかかることでもあります。法律もその点で、非常に詳細にわたり決められている事は、ある意味クリアではありますが、「どのビザを申請する」ということに時に迷うこともあります。 

この提案が実際に開始された場合、それはまたどのように運営していくか、興味深いですが、移民省の政策として、今後も注視していきたいと思います。

2010年12月6日月曜日

生体認証について-ビザ審査一環のプロセスとして開始

12月6日-移民省はオーストラリア国外での申請用紙利用のビザ申請において、該当国における審査で、生体認証を義務付けることになりました。 ついにオーストラリアも・・・・というのが第一印象です。この生体認証については、もちろん、あのアメリカ9・11が教訓となり、全世界的に考え直した一大プロジェクトであり、その後各国の入国管理における審査の一環として、多く取り入れられてきています。ただ、まだ「ビザ申請のうちの1つのプロセス」としては、他の国では実際まだ稼働していないのではないかというのが私自身の認識です。

政府勤務時代から長らく研究も重ねられ、今後のプロセスに含められることは予測範囲内ではあったことでしたが、ついに実施の域になったと感じています。まずはアフリカ、アジア、ヨーロッパ、中東を中心とする該当国においてこのプログラムが開始されました⇒ このプロセス導入国 

政府としてこのプログラムの理由として大きな柱は以下になります:

・ 個人情報偽装からクライアント情報を守る
・ オーストラリア渡航を安全にする
・ オーストラリア出入国管理の強化
・ 国家安全保障の改善

これらをふまえ、今後、このプログラムも増加するのではないか、と予測しています。

ビザ審査のプロセスも時代とともに大きく変化してきていると思います。 オーストラリアはある意味、電子化を初めて取り入れた国でもあり、その斬新なシステム構築、そして、プロセスの提案など、他国も手本にすることも少なくありません。 このプログラムも今後、どのような位置づけになっていくか、非常に興味深いところです。

2010年10月1日金曜日

大学の卒業論文 ~:近年のオーストラリア難民政策における国家安全保障と人間安全保障問題

慶応義塾大学にオーストラリア研究で著名な関根政美教授がいらしたこともあり、政府在勤時代に移民政策を勉強する上で、法学部に在籍していました。日々の実務から最も関心の高いエリアであった難民政策についてのテーマを卒業論文にしまして、今となっては、ある意味在勤時代に形にできてよかったかと感じます。 参考までに要約を記述させていただきたいと思います。(2005年執筆)


論文題目:
『近年のオーストラリア難民政策における国家安全保障と人間安全保障問題』

<本文要約>

 オーストラリアはイギリスの入植時代を経て第二次大戦後、アジア系を大量に含む移民を導入したことにより経済的国家形成を果たした移民国家としてその存在意義は大きい。東南アジア諸国を隣国としている地理的条件からも「白豪主義」から「多文化主義」へ移行し、多くのアジア系を含んだ世界各国からの移民を受入れる国へと変容したその政策転換は象徴的であり、特に難民を多く受入れてきたオーストラリアは他諸国に比較して難民支援と人道援助の歴史は斬新であったといえる。

 現ハワード首相が1996年就任以来、時代の変遷に応じて移民政策を指揮してきたが、多文化主義政策によるアジア系移民が増大する状況の中で、近年の移民政策においてとくに不法入国者への対応・難民受入れ規制について問題視されるようになった。なかでも2001年8月に発生したいわゆる「タンパ事件」はオーストラリア移民政策を大きく方向転換させた。オーストラリア領域外にて難民認定手続きを実施する措置、いわゆるPacific Solutionという解決策を政府として見出した。さらに翌月にはアメリカ同時多発テロが勃発し、以降、各先進国は安全保障対策としてテロ撲滅にむけて特に出入国管理規制を加速させることとなる。

 このような状況から先進国として発展途上国への難民支援は期待されるものの、国際社会も競争が激化する中、積極的な難民受入れは国家のために得策といえるのだろうか、先進国の多くが窮地に追い込まれているのが現状である。オーストラリアにとって2001年は国際情勢もふまえて移民政策を中心に大きく国家政策を転換させることになる象徴的な年となった。
 
 
本論文ではオーストラリア政府の近年における不法入国者や難民に対する政策について、テロ対策含む安全保障を前提とした移民政策という枠組みで認識してよいものか、また、相対して不法入国者や難民たちの人道的措置は果たして国際的立場から人権援護という観点から受入れられるものなのか、激動の2001年を振り返りながら検討したものである。