ビジネス奮闘記

皆さまにとってAOM Visa Consultingが身近なサービスになるようにこのブログでは少しやわらかめのトピックスもふまえて発信していきたいと思います。 オーストラリアやニュージーランド関連のほか、ふだんの活動や関心ごと含めてレポートします。 ご意見・ご感想などございましたらお気軽にメールにてお送りください。 AOM Visa Consulting Official Web site は こちらへ
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2015年4月10日金曜日

法務省へのパブリックコメントを提出 ~ 富裕層誘致への長期観光ビザ施行について~

桜の季節はあっというまに東京では終わってしまいましたが、例年にないくらい、外国人観光客の存在を感じたこのごろでした。2月の春節もテレビのニュースになるほど、いよいよ日本は本格的な「観光立国」への戦略を開始したというのを肌で実感するところです。

どこの国も同じかと思いますが、入国への「ビザ」がキーでもあり、このプロセスの緩和により、より多くの方を誘致しやすくなるのは現実です。 日本も段階的にマレーシア、タイ、インドネシアなどなど、東南アジアを中心にすすめてきた政策は明らかに観光客増加に貢献しており、かつ、これらの国の人々にもより日本が近い国になったと思います。

これから2020年のオリンピックをみすえて、急ピッチで日本政府は様々な外国人に対する誘致および、おもてなしの国づくり、そして、裏方ともいえる外国人就労などなど、入国管理(ビザ)の面で、改正が大幅に必要となることが予測されます。

これらを反映して、省庁からのパブリックコメントの募集も最近大変活発になってきたと感じています。 もともと日本は「移民国家」ではないがゆえ、その入国管理の枠組みも「一時滞在」を基礎とし、かつ、移民誘致をするようなポリシーにできていない為、その考え方については移民国家の政策を参考にしていくことが有益と感じています。 少なくとも滞在することに対し、期間のみならず、その人に付与されるBenefitなども考慮している点は移民国家の大きな特徴といえます。

イミグレーションロー実務研究会を通じて、日本の入国管理法をよりよい国にしていくために、時代に合うような法律への提言を目的に海外の移民法を学ぶという非常に真摯な行政書士の皆様に多く出会い、長く外国移民法に触れている私の立場としては少しでも、オーストラリアやニュージーランドで実践している状況やそのインパクトなど、将来の日本にも十分参考になるような点が多々あるため、良い点をぜひ日本に取り入れていけるような提案ができればと切に願います。

そんな中、法務省からパブリックコメントの募集がありました。
今回は「観光立国」をめざすべく、富裕層を対象として1年間(長期)の観光ビザの新設を検討するにあたっての意見募集となり、以下のような方に1年間の観光ビザを認可するという提案です。

対象となる申請者の要件は
・18歳以上であること
・短期滞在の際に査証免除となっている国籍
・預貯金が3000万円以上
・医療保険の加入をすること

大いにオセアニアの実践を活用できる点が多いと思い、さっそく実務経験から主に以下の意見を提出させていただきました。

1.申請の目的や期間、ビザ期限について
審査は「目的」や「期間」によって審査されるべきであり、その内容によってビザ期限も決定するのが望ましいと考える。(3か月か1年か、ということではなく・・・)
「観光ビザ」「投資ビザ」「退職者ビザ」の区別をつくるべき

2.資産3000万円以上について
このビザは「観光促進」であり「投資家ビザ」ではないため、この線引きを明確にすべき。かつ、観光目的のために3000万円という金額は不要と感じ、もっと多くの方に「観光」を「歓迎」するような要件でなければ実際このビザを利用することは困難

3.国籍限定について
パイロットとして、はじめに免除国からスタートするのは賛成だが、このビザは「観光」誘致目的のため、広範囲の国籍に奨励することがのぞましい

4.保険加入について
基本日本の入管法ではこれら、健康診断や保険に関する要件が今まで存在しなかったという認識であるが、この点は非常に重要なポイントと感じる。ただし、観光目的であり、保険なしでもサポートできるような一定資産を確認できればあれば、高齢者に限ってこれらを義務付けたりしてもよいかと感じる。オーストラリアは高齢者(75歳以上)の渡航に際し、これらの要件が必要となる

5.外国人の滞在施設について
これはビザとは異なるが、すでに政府の提案にも記載があるものの、日本の宿泊施設として「気軽に利用できるキッチン付のレジデンス」がほとんど存在しないことが致命的。海外の長期滞在はこれらの施設ありきの点が現実であるため、高級レジデンスタイプのみならず、欧米にあるようなモーテルなどを参考にこれらの施設建設などは急務と感じる。


何よりも大きな証明として、オーストラリア・ニュージーランドは先鋭的な「観光立国」であり、様々な政策面において、観光誘致ということを長年にわたり実践してきていることが重要なポイントです。
日本のこの意見募集の背景は「観光促進」をさらに(長期滞在できるだけの資産をもつ)富裕層に広げたい、ということですが、、「投資誘致」ではなく、「観光誘致」という目的をまず、念頭におくのであれば、もっとマスの方を「歓迎」できる内容ではないと、意味がないというのが第一印象でした。 比較的入管法は「資産要件」や「給与水準」を提示することによって、要件をつくることが多いと感じていますが、このビザの目的が「観光」である、ということを理解したうえで、ぜひ他国の移民法も参考にしてほしい次第です。

まだまだ日本はこれらビザの緩和そして、様々なとりくみからもっと観光立国になれるポテンシャルは十分あると思います。



2014年7月12日土曜日

久しぶりにイミケン開催 ~アメリカビザ編~

定期的に参加しているイミグレーションロー実務研究会が開催されました。土曜日という週末にも関わらず、みなさんとても熱心で25名近くの参加者がいらっしゃいました。 シリーズ化しているアメリカEビザについてですが、 いわゆる、日本の駐在員が現地アメリカに派遣される際に多く利用されるビザになります。

アメリカは本国側と在外大使館側と管轄が分かれていることもあり、2重チェックのしくみを持っています。大半のビザは本国側で認可されなければならないものの、このEビザは在外大使館で完結できる数少ないビザのクラスであり、かつ大変需要の高いビザでもあります。

歴史的にもちろんアメリカは日系企業進出数が世界最大であり、そのマーケットは巨大ともいえます。そのため、日本でもこのEビザをメインにサポートしているビザコンサルティングはいくつか存在しています。 弊社から考察すれば、オーストラリアの就労ビザのしくみに非常に類似していること、また、考え方としても移民国家として、その理論を理解する点においては納得することが多々あります。しいていえば、オーストラリアには会社の「国籍」という考え方がないので、これらのようなビザは対日に対しては存在しません。

また、アメリカの大変特徴的な点としては、赴任候補者がときにアメリカ国籍やグリーンカードを保持しているケースもあり、このような場合は、家族は「永住者」としてグリーンカードを申請しなければならない、というふしぎなルールもあります。 家族であっても、これらに該当する場合、ケースによって1年くらい渡航できないケースもあり、ときに理解に苦しむ点もあります・・・

経験豊かな元アメリカ大使館査証課にいらした船曳先生の話題満載のレクチャーで、興味深い点も多くありました。

集まるみなさんもとても熱心な方が多く、ビジネスとは別に時に刺激になります。

大半が行政書士のみなさんですが、最近は特に、海外からの観光誘致や、人材受け入れ、など、多くの点で在留資格に関する法改正が急速に進み始めているのも事実です。
もともと移民国家ではないですが、時代に合った法改正はもうしていかなければならない時期にきており、かつ急務とも感じています。

国家として2020年のオリンピックという大きな課題ができた今となっては、大変多くの点で、門戸を開き、人材活用、および観光立国になる最大の機会と感じます。

これらの状況をふまえ、改正するためにはアジア隣国の事情や類似したとりくみ、そして行政書士など実務者からの意見、また、欧米などの移民国家が実践する政策もふまえて、日本が柔軟に変化していくことを大いに期待したい次第です。

急務として挙げられているのは特に建設業関係など「外国人労働者の受け入れ」です。
日本は今後「日本側」の観点のみならず、申請者となる「外国人」がどのように日本の制度を考えるか、という点も検討していかなければならないと思います。

申請者となる方にとっては、日本は数か国あるうちの1つのオプションに過ぎず、他国に魅力があれば、もちろん他国を選択するのがふつうであり、いかに外国人労働者にとって「魅力ある」国か、ということを提示できる点は大きいと思います。

まずは、イミケンとしても多くの在留資格エキスパート、しかも国籍別にスペシャリストがいらっしゃるので、これらをふまえて、少しでもよりよい日本の制度作りに少しでも支援することができれば、、と願います。

2013年10月31日木曜日

国際人口の新たな局面 ~ 厚生セミナーに参加して

久しぶりに国立社会保障・人口問題研究所の1日セミナーに参加しました。 私にとっては初めての「人口学」に関するセミナーで大興味深いものでした。

今日本は、「人口減」が25万人といわれるようになり、にわか、この人口論が社会的にも関心が高くなってきていると思います。 移民政策関係をしていると、この人口論、そして経済政策とのつながりは深く、これらを連動することで将来的な国家政策を検討していくことができる枠組みがあるかと思うのですが、どうもこれは、長くオーストラリアにかかわっている経験からの感覚であり、日本は実はまだまだ、、ということを実感した1日でもありました。

今回もっとも関心があったのは、オーストラリアからアデレード大学教授である、Graeme HUGO氏が基調講演されたことです。人口学の権威でもあるようで、今回の講演となったようですが、先生は、オーストラリア移民政策においても、移民省との連携にて、政策についてもかかわっている方です。日本において、オーストラリア移民政策についてトピックスになる機会がほぼ皆無である現状、個人的には、参加している日本の研究者および、聴衆の方にとって、どんな印象をもたれるのか、という点が非常に興味深い私でした。

オーストラリアは歴史的に、そして伝統的に「移民国家」であるがゆえ、日本とは比較しにくい国ではありますが、人口が少ない国が故に、自然増と移民増を考慮して、いかに国益になるように経済政策を人口政策・移民政策と連動して検討しているか、そして、詳細なるデータ分析から、毎年の政策をたてているか、という点は、日本も少しは遠い将来を検討するうえで、事例として参考になったのではないか、と思います。

先生のほかは主に、「人口学」を研究されている先生による講演でしたが、普段はあまりうかがうことのないトピックスが多かったこと、そして、どちらかといえば、海外からの日本への流入する外国人について、また、日本における外国人との「国際結婚」についてが焦点となっており、移民政策=日本では在留資格になりますが、この点との関連性は弱く感じました。

しかしながら、パネリストの皆様が、オーストラリア移民法や国家としてのチャレンジに対しては非常に新鮮だったようで、どの先生からもこれらの政策についての関心の高さは少し嬉しい点でした。オーストラリアは歴史が浅い点や人口が少ないがゆえに、システマティックにできるのかもしれませんが、アメリカに比較しても、着実に移民政策を人口政策と経済効果に反映している先鋭的モデルと日々感じています。

日本において、地図からいかに外国人が偏って分布しており、特に東海地方・そして関東近辺に集中していることもあらためて、実感しました。 外国人に限らず、日本の現状は、都市に人口が集中しすぎており、地方都市への政策はまだまだ弱く感じます。

日本の研究者の方はRSMS(地方都市に移民することでボーナスポイントまたは優位に永住できるタイプ)の存在にもとても新鮮だったようですが、セミナーをきいていて、少し思いついたのは、やはり、日本の現状制度で法改正のスピードが遅いため、「特区」制度を活用し、その土地に合う労働力を呼び寄せるのも1つの手かもしれません。

たとえば、日本は今、2020年のオリンピックを目標として、ますます観光立国として早いスピードでサービス改善もしていかなければなりません。地方の魅力、そして外国語の提供が薄いエリアに、特区とし、これらの地区やニーズに必要とする雇用=外国人の労働力を活用し、かつ、自国の人へのプロモーターにもなりうる立場として、海外への新しい発信の仕方も検討できるのではないかと思います。 

ヒューゴ教授もおっしゃっていましたが、日本はまだまだこれから多くの点で人口政策の上で、活用できる機会は大きいと思います。 「多文化共生」というキーワードが随分語られていましたが、人口移動を検討するうえで、人口学・移民(在留資格)政策、そして外国人に対する社会保障制度、労働市場、という点はリンクして検討していくことが今後重要であり、特に「長期的に日本へ滞在する」外国人を視野にいれるのであれば、 共存していくうえで、必須の課題と感じます。

今日の参加者はほとんどが人口学の研究者だったと思いますが、オーストラリア移民政策がどのように映ったのか、今回は、オーストラリアのようなモデルが存在している、ということを広く知っていただくために、大きな機会だったと思います。

日本において、オーストラリア移民法について関わる数少ない1人として、日本がよりよい国になるために、問題提議の1つの意見として微力ながら、これらの制度について紹介することができればと思います。

2013年7月28日日曜日

イミケンセミナー 「高度人材ポイント制と難民政策について」

行政書士の皆さまと実施している「イミグレーションロー実務研究会」において、今回初めて、日本の在留資格に関するセミナーを実施いたしました はじまって2年近くたちますが、日本をトピックスにし、実務に関わる行政書士の方とアカデミックの大学の先生方が一緒に今後の日本の在留資格を検討するとてもよい機会となりました。 大変多くの方がご参加下さり、行政書士からの実務面におけるご意見も非常に興味深いものでした。

「高度人材ポイント制」については施行はじまってまだ時間も経過していないこと、そして実際の予定以上に利用されている頻度があまりに低いところもあり、まだまだチャレンジは相当な期間継続しそうです。これらについて政府の委員会メンバーであった上智大学教授の大石奈々先生より、この資格制度の現状について、また、今後の課題などが発表されました。

大石先生は国連のILOにおいてもキャリアを積んできた国際派であり、あらゆる視点から日本の在留資格制度についての分析、そして統計に基づく検証から、いまある日本の大きな課題は「この在留資格制度のみを改善しても、受け入れる社会のほうのインフラ整備が重要課題」というところが最終的な結論でした。 日本はもともと「移民を受け入れる国」として法整備がされてきていない国であり、外国人=あくまでも一時的な在留、という認識が根強く法律の中には残っているのが現状です。 また、日本特有としては「社会保障制度」が「国民皆保険制度」にみられるように、日本人のみならず、日本に居住している外国人に対してもこれらの恩恵はうけられる制度になっており、それがゆえに、「永住」を取得しなくても、これらのベネフィットがある、という点は永住のメリットがかえってみえない、というところも大きな点です。 いわゆる先進国にみられる移民国家においての「永住」の定義はこれらの社会保障制度にアクセスできるようになったり、教育制度において授業料がその国民と同様に扱われ、安価なサービスがうけられるようになったり、、と税金の面とも大きく関わっています。 根本的な問題は、日本はここの点における政策と在留資格は連動したものではないため、税金の使われ方、、、から変えていくのは非常に長期的なプランとなります。

そして、高度人材においての最大の焦点は「雇用」の点です。これらにおいて、日本社会における「高度人材」の扱い方=非常にドライにいえば、給与面において、諸外国に比較しても劣る点は、まったく魅力あるもの、とはみえないのが現状です。 日本の雇用制度、少しは改善されつつある年功序列、そして、給与昇給制度、 また、企業における外国人の割合、、などなど、メリットを追求すれば、、海外のほうが魅力的に映ってしまうこの現状はいなめません。

これらの法整備を検討する省庁の連携も必須であり、この政策プロセスにおいても横のつながりをもって、何が国家にとって有益となるか、そして、どんな国家にしたいのか、というビジョンをもたなければ、本当に難しい、、というのが総合的な私の感想でした。

高度人材と平行して、日本にはいま「人口減少」に対しての具体的政策がほぼ、ない、、、状況であり、この点も深刻に検討する時期にきています。 日本は日本人だけでつくっていくことはほぼ限界にきているのも現状である、というところを政府が危機感をもたなければ、、この問題はつねに空回りする状況であり、その間にどんどん高度人材は流出する可能性も大きい、ということです。

識者としてのご意見を述べつつ、その難しさも痛感しました。
法務省サイトにこれらの「高度人材ポイント制」に関する見直し案のpdfも拝読し、まだまだチャレンジは長期的となりそうです・・・・

名古屋大学の浅川晃広先生からは、高度人材とは真逆ともいえる「難民政策」について日本xオーストラリアの比較を交えて発表がありました。 日本は先進国の中でも最も難民受け入れに消極的というのは有名な話ですが、それでも、参与員になられた浅川先生のコメントは興味深く、「実際に難民としての痛切な雰囲気を感じない」難民申請者も多い、、という事実もあるようです。
オーストラリアは戦後かつて、人口増大のために大量にインドシナ難民を受入れ、永住者⇒国籍取得のキャンペーンも実施し、オーストラリア人としのアイデンティティを多くの移民たちに浸透させる政策もしてきた国です。 そうはいっても、近年は、ボートピープルがまた増加し、これらの制御に国は難民申請に対する厳格化、傾向にまたなりつつあります。

難民条約に加盟している国家はさまざまなジレンマを感じつつ、これらのプロセスについてはどの国も難題となっているようで、、、今後の在り方については、包括的に検討していかなければならない、、という状況のようです。 

大石先生は9月からメルボルン大学へ着任されるということで、個人的にはこのような識者の方がオーストラリア移民法を「体感」することで、日本の在留資格も客観的に検証していくきっかけになれば、、と期待するところです。 あまりにもオーストラリアはシステマティックに確立されているため、これを100%取り入れることはほぼ不可能ですが、少しでも、多くの気づきから将来的に在留資格改正のエッセンスになれば、、と感じます。

おふたりともオーストラリアに関わるアカデミックの方として、今後のご活躍をますます楽しみにしております。 

2013年6月23日日曜日

投資家むけのビザ~日本も検討へ

かなりのブランクをおいてしまい、季節はすっかり梅雨になってしまいました。日本の人事異動の多い4月、そして、5月はオーストラリア・ニュージーランドと長期海外出張にでかけ、6月はそのしわ寄せと7月法改正前の駆け込み…と時があっという間にすぎてしまい、ブログもキャッチアップしたい次第です。

少し時間はたってしまいましたが、5月は現場、オーストラリア・ニュージーランドにてじっくり投資家向けのビザについて多くの方とディスカッションする機会がありました。両国ともに、今、投資家誘致にはかなり積極的政策をとっており、オーストラリアはニュージーランドに追従して、昨年11月よりSiginificant Investor Visa (SIV) という初めて年齢制限のない永住ビザを構築しました。 この背景が実はニュージーランドがすでに2009年から実施している投資家ビザ(インベスタープラス)がきっかけ、ということをオーストラリア本土の人はほぼ「知らない」という事実にも今回大変驚きました。 いろいろな面で、オーストラリアは自国のほうがニュージーランドよりも進んでいる…と自負しがちですが、移民政策については双方追従傾向でもあり、この点、特に「個人」投資家むけの誘致はニュージーランドは確実に成功例としてあげられると感じます

日本ではまだあまりこのビザについての内容が日本語で伝えられる機会も少ないため、先日メディアから取材を受け、少しですが記事となりました今の日本マーケットにおける課題は、少しでもこの両国が実施している個人投資家向けのビザについて、知っていただく機会を増やすことができればと考えています。

また、最近日経メディアで報道されましたが、「日本もついに海外富裕層に長期の日本滞在資格 を政府が来日促進策として検討しはじめたということです。これは、かなり大胆な前進であり、非常に印象的なニュースでした。 今、日本は観光立国になるべく、あれこれと対策を練っていますが、その中でも、「ビザ緩和」というのはもっともハードルが低くんる絶対的効果がある、ということを実践の中から、政府も実感していることと感じます。 

これから、短期ビザもタイやマレーシアに対して、免除となる方向のようで、この次のステップとして、長期滞在者向けのビザ緩和は非常に大きな効果を期待できます

オーストラリアは年々「投資」する、というかなりドライな政策になっていますが、今の好例はマレーシアのMM2Hかと思います。 日本政府もこのビザのしくみをどのように構築するかがキーポイントですが、「外貨誘致」という考え方として、資金運用できるようなしくみを作ると、経済効果も大きなものになります。

たぶん、今まで「ビザ」というのは「在留資格」という観念が強いため、この点を「運用する」という方向性にはなかったと思いますが、もっと他国の事例を比較し、早いスピードで改革することにより、多くの外国人誘致につながると思います。

反面、今よく報道されているのは「不動産購入」についての規制が外国人に対してほぼない・・・ということも大きな問題かと思います。 この点を上手に精査していかなければ、多くの外国人はこれらの投資をかなり現実に検討している、ということを念頭にしませんと、多くの問題が予測されます
外国人誘致=観光のみではない、ということで、投資面のしくみやシステムを構築する必要は今後でてくると予想しています

昨年4月に行政書士の会報(東京行政書士協会)にて投資ビザについての寄稿をさせていただきましたが、これらを含めて、日本におけるしくみを真剣に検討する時期に来ていると思います

2013年3月6日水曜日

アジア・太平洋地域への高度人材移民に対するチャレンジ ワークショップ

今週はスタディウィークといえるほど連日ワークショップに参加しました。どれも興味深いトピックスでしたが、本日は、上智大学で開催されたアジア・太平洋地域への高度人材移民に対するチャレンジ ワークショップ (The Challenges of Highly Skilled Migration in Asia and the Pacific)に参加しました。 日本では、なかなかこういう「移民」関係のトピックスを話題とするワークショップが少なく、かつ英語でのものは今まで在勤時代の法務省会議でしか経験がなかったため、非常に楽しみに参加しました。 タイトルの名前とおり、今時代は「グローバル化」しており、各国は高度人材確保に対しても非常に競争の時代を迎えています。 常に、高度人材と言われている人々はよい仕事を求めて移住する傾向でもあり、どれだけ、この、人材を国家で確保できるか、ということが近年の関心ごとにもなっているのが現状です。

そんな中で、昨年日本も「高度人材」確保を意識して、ポイント制が導入されたことにより、この傾向が明確化してきていますが、実際のところ、施行後、まだまだ課題は山積みです。 そのような中で、まわりのアジア各国、そしてオーストラリアを含めて、各国のとりくみについて各識者が参加し、活発なディスカッションが開催されました。 

オーストラリアからも移民省から多くの研究を依頼されている著名な教授が参加予定だったのですが、残念ながら急きょ来日できなくなったそうで、とても残念でした…。なかなか実務をしていても、研究者の声を聞く機会も少ないため、またの機会を期待したい次第です。

国は香港・シンガポール・オーストラリア・韓国・台湾・中国、そして日本の挑戦という各国の状況を次々に発表されました。 日本は歴史的・文化的にみても、特に韓国や中国、そして台湾などのとりくみは非常に比較材料としても有益でもあり、私自身もほぼ初めてきく内容も多く、大変興味深い状況でした。 これらの国でもっとも興味深い内容であったのは、台湾です。 台湾は中国と、歴史的に非常に複雑な時代もあったものの、現代については時とともにその政策はずいぶん歩み寄りの道をたどっています。そんな中で、台湾⇒アメリカに多く留学した学生たちがその後、自国のために貢献するしくみとして、特にITーシリコンバレー帰りの学生を優遇した政策が長く継続していたようです。その恩恵と、国家的プロジェクトとして、台湾のシリコンバレーのような街も整備し、そして、現に台湾においてはIT/テクノロジー産業は急成長したようです。 今の流れは、巨大市場として、そして、同じ文化圏でもある中国を視野に入れ、優秀な中国人を多く採用できるようなしくみを作り上げているようです。この中で、また興味深い内容だったのは台湾では中国籍の人を雇うことが法的にできない、ということです。そのため、多くのR&D センターを中国国内に配置することで、ここに採用した中国人を設置し、中国市場を開拓していく、という構図でした。 ここから学べる点は、国として、人材が他国へ流出しないように、戻ってくるしくみ、そして、隣国への市場開拓へもうまく、同じ文化圏の人材を活用する、という形で国家政策として作り上げている点です。

はたして日本は・・・といろいろアイデアを巡らせました。日本は歴史的に中国や韓国・台湾とも大きなつながりがありますが、何か特化した産業を検討し、人材育成、、、という点で、これらのしくみは特に構築されていない気がします。 少し思いつきになってしまいますが、 たとえば、今、日本は「観光立国」になるべく多くの課題をかかえ、そして国家的プロジェクトともいえるほどの重要課題になっています。 が、この人材育成の受け皿、そしてその発展性にむけての戦略はいまいち響くものは見当たらない印象です。 

「観光大国」としていま、近隣諸国で見渡せば、オーストラリアはアジア隣国において突出したその基盤、歴史、教育背景を持っています。また、事実として来日観光客としてのオーストラリアの数字次は毎年上昇傾向、かつ、彼らの興味深い点は日本に観光産業をつぎつぎと起業する人もおり、これがきっかけで、グローバルに認知度を高める効果さえ生んでいます。 

もし日本が真剣に観光立国になるという目標を立てるのであれば、必須言語である英語、そして、その観光産業の実態、しくみ、など日豪が連携することで、人材育成拠点としても活用し、そしてリターンしてくる人材を日本各地に配置することにより、効果を期待できるのではないか、と思いました。 人材育成、そして高度人材を作り上げるためには「教育」そして「現場」が必要です。 台湾のIT産業フォーカス、というヒントからふと思った次第ですが、 日本も「観光」を産業と位置付け、このように国家レベルでパートナーシップをつくることで迅速に観光立国になるレールを増やすことができるのではないか、と思いました。 ビザ面からもワーキングホリデーという「就労」でき、長期にわたり、滞在できるビザの活用はもっと政府レベルでプロモーションすべきであり、なぜ、11カ国も協定があるのにほとんど魅力的に活用されていないのか、という原因も追究すべきと思います。

今回のテーマである「Highly Skilled =高度人材」 とは?というのがもう1つの課題と思います。
日本という国にとってどんな人が高度人材なのか、以下が私が考える人材です。

<高度人材>  
・高度な技術をもっているもの
・これらの人材がくることにより国に有益となる=経済効果を生む
・日本のことを十分に理解し、(言語・文化含めて)かつこれらの慣習をもってビジネス活動を他国言語・他国の文化(=つまり外国人にとって自国)にて対応できる人
・高度=誰もがもっていないため、不足しがちな職業

時に、結果としてこの層は収入が高い人たちになりますが、常にそういうわけではなく、「高収入=高度人材」ということのみではなく、そのバロメーターは決して給与金額のみではない、というのが印象です。

ファシリテーターの大石奈々先生は社会的な環境の分析から今おかれている日本の現状をふまえて、その日本独特のチャレンジがある、という点を多くご指摘されており、まったくの共感でした。
なかなか、日本はまだビザの種類をつくったとしても、それを応用するための生活環境がおいついていない、というのが大きなチャレンジになっているということです。

長年実務をしてきた自分にとっては、熱心なカ国の研究者のみなさんの発表は非常に新鮮であり、また、本当によく分析されている、というのが印象でした。最近はイミケンを通じて、日本の在留資格について多く考える機会もあり、またどのように発展できるか、既存のしくみをどのように効果的に活用できるか、という点については、オーストラリアが既にときにビザクラスの「プロモーション」として実施してきた多くの成功例を実務者の立場として体感しているため、これらをふまえて、もっと「具体的なビザクラスをPRする」という手法は、既存のものを応用できる点において日本には導入できる点が多くあると感じています。

少なくても、日本でこのようなワークショップが開催され、また、参加者の多くの人も多様な問題意識をもちながらかなり活発な意見が交わされ、日本政府の方も場を共有していたことは、今まで参加した中で、もっともエキサイティングなものでした。

最後には、法人からアメリカ商工会議所、リクルートエージェンシー、そして、政府からも法務省・経産省の方もプレゼンされ、それぞれの立場からの意見も非常に興味深いものでした。

終了後、法務省の方でかつて、在勤時代に参加していた東アジア会議にてお世話になった方で、嬉しい再会もあり、とても充実した1日で、久しぶりにじっくりと Migration ということについて考えた1日でした。 ぜひまたこのような機会があれば、参加したいと思います。 

2013年2月5日火曜日

シンポジウム 高度外国人材に対するポイント制を活用した受入促進について

先日イミケンにご参加いただいた日本総研の方からお誘いをうけ、昨年日本の入管法にて施行された高度人材に対するポイント制についてのシンポジウムに参加してきました。

私自身はオセアニアを中心とする外国移民法を扱うスペシャリストではありますが、もちろん日本、自国におけるこれらの政策についても強く関心を日々持っています。なぜなら、日本ももう時代が変わってきており、人口や、国家の経済政策もふまえて、入管法をみなおす時期にきているということを痛感しているというのが本音です。 入管法に限らず、とにかく日本は法改正のペースがあまりにも遅い国であること、そして改正することに対する変化への対応や、社会がどうしてもまだまだ保守的である、という点はいなめないのが実情です。 しかしながら、「グローバル化」と唱えるのであれば、これらのプロセスは必須であり、本当にどのように国を強くしていけるのか、ということをもっと真剣に考える機会があってもよいと感じています。

ざっと見渡す限りほぼ80%以上が日々これらの入管法をとり扱う行政書士の皆さまだったと思います。はじめに、これらの制度を推進してきた経済産業省からこの制度の説明、そして、その後に、実際に施行後におきている現象や実際の申請者の状況など、パネリストもふくめて、現実的な状況をディスカッションされました。

「ポイント制」という響きはオーストラリアやニュージーランドでも実施されており、とてもなじみのある制度でありますが、大きな違いは日本の場合は、「永住ビザ」を前提とするものではないもの、そして、雇用主がきまっていることが前提である、また、何よりも「年収」に応じてポイントが加算される、という点でしょうか。 これらから現実的に計算し、該当する人は結局のところ、外国籍においても「欧米系」の「金融関係・IT」など「外資系」企業に勤務する人、になるということです。

また、もう1つ、日本の制度がとても異色な点は「家事使用人」または「親」の帯同が許可されること。という点です。この「家事使用人」というのはほかの国ではまずみあたらない制度であり、明らかに、この使用人を必要と考える客層が限定されてきます。

実際パネリストからでていた本音としてはこの「高度人材」の制度を利用したい大きな理由は「家事使用人」を雇いたいから、、、ということにつきる…ということでした。

これらをふまえても「日本にとってどんな外国人が高度人材なのか」ということの位置づけを政府はもっと真剣に考える必要があるということを痛感します。
いま、まわりをみわたせば、毎日のように「どうしたら海外進出を成功できるか」「どうしたらグローバル人材を輩出できるか」と企業は常にこの「グローバル」というキーワードに悩んでいます。

私個人が考える「日本にとっての高度人材」 とは 「日本語を理解し、日本の文化、特にビジネス文化や習慣を周知したうえで、海外においての交渉役としても外国へ進出する際に大いにその国との橋渡しをする人」となる人と思います。 これは年収などではなく、いかに、日本をしっているか、そして、そのスキームを海外においても応用できるか、という点です。 外国の移民法にはよく「この国にとって有益な人か、国益となるか」という表現のしかたをしますが、まさに「日本にとって有益な人となるか」という考え方を入管法に位置付けることが必要と思います。

いま、在日外国人のうち、実は労働力となっている人口は年齢でいえば、実は若い人が多く20代~30代が圧倒的に多いのが現実です。それは、もちろん学生からの留学生を含めてをいいますが、今、まだ日本には 留学生から永住権へのスキームがかっちりとないのが現実です。 日本へ大きな期待をもってやってくる留学生ですが、就職難、そしてビザの問題から国に帰る人も少なくありません。 もし、本当に日本が日本にとっての高度人材をふやしたいのであれば、これら、学生からのpathwayを真剣に考えることがまず先決と感じています。

また、少し話題ははずれますが、ワーキングホリデー制度もほとんど今国は活用していません。海外から多くの若者、現在は11カ国も制度があるにも関わらず、これらの制度をもっとビジネスの環境にも活用することで、ダイバーシティを生むことができ、かつ、日本人たちもその国のビジネスをしることも可能となります。 「観光大国にしたい」といいつつも、もっと現状にあるビザの制度、そして、どうしたら、よい人材を確保できるか、ビザとからめて考える余地はあってもよいと思います。

高度人材のポイント制の話にもどせば、現行の制度はいまのまま継続しても、基本申請者となれる人の絶対数が少ない事、また、実際のことろ、この申請者となれる人=ほぼ欧米人ですが、本当に「永住」したい人が意外と少なく、これらのメリットのみを考慮して申請する、ということが予測されます。 
また、高度人材制度のみならず、基本的な点として、日本の在留資格は「就労」という大枠ではなく、文系は「人文知識」 理系は「技術」などと制限されているため、その仕事の範囲も制約があり、非常に使いづらいのも事実です。 

高度人材はうまく活用していくことができるのか、かなり難しさを感じていますが、これとは別として、「日本にとって有益となる人材」を確保するためのpathwayはもっと制度として可能なのではないかと思います。 1つの提案として

1.卒業した学生に1年間の就労ビザを与える

学生⇒卒業を満たした学生⇒1年間の就労できるビザ(就職活動用:practical training就労範囲制限なし)⇒ 就労ビザ(正式に雇用主にスポンサーしてもらう)

*これは、留学生にとって、大きなモチベーションとなり、留学生増加にもつながる。

2.ワーキングホリデー制度を活用

企業側がこれらのビザをもっている若者を「traineeやintern」として採用できる機会をふやす。現在は、実際このビザで来日してもよい仕事がないことが問題。 企業側も若者からその国の状況などを知るよい機会

特に観光業についてはワーキングホリデービザ保有者を積極的に採用できる可能性大(英語やその自国語を活用し、観光客にも対応可能なため)

3.就労ビザというもののしくみをかえる

現行は資格目的に準じるという制約がありすぎるため、端的に雇用主がスポンサーしてくれるという目的で「就労ビザ」というものにする。

今後の動向をまたじっくり観察していきたいと思います。
まずは、もっと若い人、そして、日本を勉強している人、日本語を習得している人を重視する政策が必要と思います。


2012年12月18日火曜日

2012年を思う

今年も残すところあとわずかとなりました。震災から1年、スカイツリーの開業、ロンドンオリンピック、そして最後に政権交代・・・などなどいろいろありましたが皆さまはどのような2012年でしたか?
だいたい年末になると、その1年についてふと振り返り、様々な出来事や出会った方が浮かびます。思い返すと、今年は本当に多くの方との出会いがあったと思います。AOM としての活動も少しずつですが、広がってまいりまして、大変多くの方からの温かいご支援を頂きました。少しトピックスごとに記しておきたいと思います。

<オセアニアの動き>
昨年からニュージーランドも開始したこともあり、オーストラリア・ニュージーランド両国の動きをみていくようになりました。今、世界はユーロ危機からの影響はまだまだ引きずっており、人口移動も含めて、労働市場のあるところへと移住や避難、という形で、急速にヨーロッパからの脱出は増加傾向です。このような点で、世界経済も不安な雰囲気はまだ変わらず、比較的安定しているオセアニアへの関心は今後ももっと高くなると予測しています。 企業についても日本も円高から今年は過去最高のM&Aが実施されたようです。オセアニアも例外ではなく、多様な業種のM&Aのニュースは非常に関心高く拝見していました 。 AOMもオセアニア方面の法人案件を少しお手伝いさせていただき、ビジネスや経済の流れ、そしてグローバル展開というものを肌で感じて、時にエキサイティングな年でありました。 ビザはあくまでもその人の移動に関わる点ですが、これらの先陣切って現場で活躍している姿はとても刺激となりました。

来年以降は予測されることはTPPの動向によって明らかにその進出企業や現場でのビジネス展開の方向性が変わってくると感じています。 オセアニアにとってTPPは非常に重要な政策であり、今後の動向をじっくり見ていきたいと思います。

<オーストラリア>
移民法からの観点でいえば、まさに「劇的な」変化=つまり大きな法改正の年だったといえます。学生は全般的に緩和傾向へ、受け入れる政策として、留学生誘致のために方向性が明確になったこと、これとは対象的に、永住ビザについては 「高度人材→ だれでも受け入れる、ということではなく、労働市場にマッチする方を優遇」という理論のもとに、①雇用主がみつかってない→ ポイント制はかなりハードル高く ②雇用主がみつかっている→ 就労ビザからは緩和傾向、 という済み分けが明確となりました。 そして、さらに投資家→誘致 という方向ですが、「超」投資の人をターゲットとすべく、ぐっとこれらの要件はあがり、誰でもが投資ビザを申請するのは難しくなった状況です。 原則として、「移民省」が優先順位もコントロールすることで、バランスよく移民を精査する、という超ドライな政策へと転換した大きな年でした。11月に発表になったSignificant Investor Visa =500万ドルを投資するビザですが、中国人にとってラッキーナンバーである「888」をビザクラス番号にするほど・・・大クライアントである中国人へのアピールは明確です。
来年はこれらの法改正の現実がいろいろとみえてくる年となるといえます。

<ニュージーランド>
ニュージーランドの大きな出来事はなんといっても「東京の大使館」での審査が終了してしまい、10月から上海での審査へ変更となったこと。これによって、申請ステップは変更し、そして、やはり国内に直接質問できるところもなくなり、不便さは感じます。 予測していたよりはだいぶスムーズに手続きはされているため、意外とうまくいくもの、、、ということも感じています。 

そして、もう1つ今後注目している点は、オーストラリアの投資ビザ関連の要件がぐっとあがったこともあり、今後、ニュージーランドを検討する人が増加するのではないか、と感じていることです。 先進国において移民候補先としてはこれらオーストラリア、ニュージーランド、カナダなどの英連邦、そしてアメリカが挙げられますが、富裕層にとって大敵である税金の問題とからめると多様な面においてニュージーランドの優位性がわかります。 まだまだ社会的にはだいぶマイナーな知識ではありますが、事実、現在ニュージーランド投資ビザの申請者第一位はなんとアメリカ国籍です。 先進国の中でも税制のメリットを理解した人たち、そして政治の安定性や安全面を考慮してニュージーランドへと移住してきているようです。 日本人で最近、珍しくこれらのニュージーランドの投資永住ビザについて本を出された方がいらして、このような状況は今後、もっと検討範囲内になるのではないか、と予測しています。

昨年の震災以来、これらのような富裕層の動きは劇的に変わったと思います。プラス、日本の税務法改正への予測もできている今、時間を考慮してかなり早いスピードで日本の富裕層たちも永住権というものを考える人が増えてきていると実感しています。

10月にクレディスイスから発表になったグローバルウェルネスレポートによれば、日本人はなんと世界2位の富裕層です。このレポートは非常に興味深く、今後の日本を検討する上で、富裕層たちの行動は明らかに変化していくと、感じています。

日本についての分析

- 日本の家計の富は前年比1.3%増加の約28兆ドルで世界第2位を維持
- 世界の富の増加における日本の貢献度は第3

<カナダ>
5月に急きょカナダ大使館のビザセクションが閉鎖してしまい、現在マニラへの申請と変更になったことをきっかけにAOM もサポートを開始しました。 しかし、まだニュージーランドに比較してもカナダの申請はなかなか苦戦・・・・。印象としてはどうしても現場の審査官が日本のカルチャーやビジネスなどにあまり慣れていないのではないか、ということを感じています。 オーストラリア・ニュージーランド・カナダとすべて英連邦ではありますが、移民法の解釈方法はカナダはだいぶ異なり、申請する上で学ぶことは多くありました。 

ビザセクションは英連邦において早々に「閉鎖」という形を取り始めましたが、今後大使館自身も英連邦は各国と連携して建物なども共有することで、経費削減につなげる。。。。というほどのプランを発表したのも今年です。 オーストラリアも本当にそうなるのか、、とますます心配になりました。来年にまた動きがあるかもしれません。

<インターンシップ>
昨年、オーストラリア政府が掲げた「グローバル人材育成先=オーストラリア」ということからAOMもインターンシップ事業を開始し、今年は大学で講義をしたり、学生と知り合う機会が多くでき、とても有意義でした。 今学生のみなさんは「就職活動」という大きな壁に早くからぶつかっており、自由な学生生活も少し保守的になっている人も少なくありません。 さまざまなことを考えている学生たちと接し、もっと広い視野、そして、もっとチャレンジングな機会をぜひ作ってほしいと思います。
来年から本格的に学生さんを中心としてインターンシップに参加していただくことになります。 ぜひ多くの経験をして、また後輩たちにも自身の経験をぜひ伝えていってほしいと思います。

<現場>
2月にニュージーランド、11月にオーストラリアへと訪問しました。 日本でオペレーションしているものの、現場に行き、多くの方からジャパンビジネスの現状や現地にある日本政府のとりくみ、そして実際のライフスタイルなどなど、現場にいくと多くの発見がありました。 どちらの国も長い間訪問していなかったこともあり、非常に現地のヒアリングは新鮮でした。 現地に進出してきている日系企業の業界も年々変化してきているようで、これは、今後ますます政策によっても考えられることです。 オーストラリア=資源 ニュージーランド=木材などの資源 というような伝統的なビジネスから今後はもっとジャパンクールといえるようなビジネス参入は十分考えられるのではないか、と期待します。 アグリビジネス(農業)やサービス産業は注目したいエリアです。

AOMの来年の目標としては、日豪・日ニュージーランドネットワークを活用し、これらのようなジャパンビジネスのお手伝いできるようなしくみづくりを構築したいと思います。 現場にいる弁護士や会計士との連携、そして、これは日本人のみならず、オーストラリア人やニュージーランド人でも日本ビジネスにたけている方は多く存在するのも事実です。 ビザのみならず、総合的なプロフェッショナルチームとして、現場の方と連携していくことにより、企業進出のお手伝いができればと思います。

また、現地で感じたことは、個人の皆さまはこのようなImmigraton service についての情報がとても少ないということも痛感しました。 最近は日本からもオーストラリアやニュージーランド現場にいる方のサポートをする機会も増え、こうした皆さまに対して安心して、かつ個々のコミュニティにも有益となるネットワークをどんどんご紹介していくことができればと考えています。

<イミグレーションロー実務研究会>
最後に、ビジネスとは別の活動として昨年から行政書士の皆さまと始めた移民法の勉強会について、おかげさまで1年を迎える事ができました。 定期的にチームでこの勉強会を構成してきて、外国の移民法についての気づきや日本の在留資格に対する将来の展望など、同じ移民法を取り扱うみなさんとの交流はとても有意義でした。メンバーみんなが感じていることは今後の日本をみすえてよりよい社会を作っていくためにいつの日か、移民法観点から在留資格への提言などをしていくことができれば、と思う次第です。オーストラリアやニュージーランド移民法のよい点や合理的な点などをご紹介することで少しでもヒントになれば、と思います。 来年も引き続き活動を進めてまいりたいと思います。

・・・いろいろと長くなりましたが、来年の目標がこの1年の活動からだいぶ明確になりました。

少しずつではありますが、新しい年を迎えるにあたり、ちょっとは前進しているかな、と思います。今年も大変多くの方にご支援をいただきましてありがとうございました。 留学がきまったり、お仕事がきまり、就労ビザがとれたり、そして永住権がとれたりして、見送る私の立場として、新しい国でぜひみなさんには最大限チャレンジしてほしいと願います。 

少し早いですが皆さまもどうぞよいクリスマス&お正月をお迎えくださいませ。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

2012年12月3日月曜日

イミケン ~第9回 GVFセミナー 「EUの挑戦 国民国家を超えた入国管理の成否~シェンゲン条約と欧州統合」

イミグレーション実務研究会もはやくも発足から1年が経過しました。今年のしめくくりとして初のユーロをテーマとしたレクチャーが開催されました。 上智大学準教授の岡部みどり先生をお迎えして、近年のヨーロッパ情勢からこのヨーロッパに実施されている「シェンゲン条約」からなる「シェンゲンビザ」のお話をいただきました。

もともとユーロは共同体ということから、国境外の移動の自由、そして通貨統一=経済統合、と他地域にもないチャレンジングな体制を実施してきましたが、最近は特に経済力が高い国と低い国における格差問題から多くの難題に取り組んでいます。

昨年の「アラブの春」を機にあらためて、「国境管理体制」の復活の声も多くあがってきているのが現状ということで、特にフランス、ドイツ、デンマークなどにおいては切実な問題となっているようです。 確かに、経済状況が異なる国において、これらの自由移動が発生すると、人の管理の難しさは想像できる状況です。

シェンゲンビザは結構昔から存在しますが、どのくらい機能しているのか…という点も疑問でしたが、実際のところ、シェンゲンビザは発行されるものの、各国その国境管理に関する移民法はバラバラであり、そのような中で、このシェンゲンビザの位置づけも非常に複雑なものと感じました。

1つ、象徴的な事件として例にあげられていたのは、2011年4月~イタリア領内にあるチュニジア国境により近いランベドゥーサ島に大量のチュニジア人 約25000人が庇護申請をしたということです。その後、イタリア政府の措置としては6カ月にこれらの人に一時居住権を与えたということです。 そうなると、これらの人たちはビザが下りたのはイタリアであるものの、ここからEUのしくみとしてEU内は移動自由となるため、大半がイタリア⇒フランスへと移動することで、フランスにとっては大変なお荷物になってしまった・・・という事件があったようです。 結局のところ、イタリア政府も自国においてこれらのチュニジア人を管理しきれない、という背景から、ビザを発給⇒ ほぼ確実にフランスへと移動する、ということを予測して、行っていたことで、フランス政府としては大変な措置となってしまったということです。

一見便利にみえるシェンゲン条約であるものの、これら、加盟国にとってはかなりの問題がおしよせてくる危機的状況にもなりうるわけで、あらためて、国境管理の意義を考えさせられました。

~この事件はまさに2001年8月、オーストラリアでおきたパシフィックソリューションを思い出しましたが、(400人くらいのアフガニスタン人がオーストラリア海域にはいり、ボート上陸を試みた際に、急きょ10日間くらいの間に法改正を実施し、その結果、ナウルで庇護申請を実施することになった・・・という方策)

今、ユーロ経済の不安定さからメディアでも多く取り上げられておりますが、経済事情により人の移動は年々激しくなり、スペイン⇒南米へ、 ギリシャ⇒オーストラリアへ と今までと逆の移民が増加しているのも現状です。 常に経済活動のある場所へ移動が発生する、という理論は普遍であり、これらを考慮すると、今後ますます、ヨーロッパ経済動向や将来の国づくりにおいて、一層複雑化を感じざるを得ません。

あらためて、人の移動は雇用のあるところへ常に移動がある、ということを実感しました。
ユーロ圏内における管理は本当に大変・・・というのが率直な感想でした。 ~オーストラリアはあらためて「人口政策」と「労働市場」をみすえての分析を常に実施する超ち密政策である、ということを実感した次第です。

後半に少し「高度人材ポイント制の意義」のようなトピックスでみなさんとディスカッションしました。
つい5月から日本政府はこの制度を開始したわけですが、一方オーストラリア政府はこのポイント制の制度の雇用ミスマッチを強く懸念し、逆に、今後は雇用が確定している「雇用主スポンサービザ」に重点をおいていく政策へ変化しています。 日本とオーストラリアのポイント制は大きく異なりますが、(日本=原則雇用主がいないと申請できない オーストラリア=雇用主がない場合にポイント制を申請) オーストラリア政府の実施した「雇用主がなくても自分自身の能力による申請」という形はこれから、縮小傾向になるのではないか、という予測です。 

結局のところ経済効果を最大限に活かす=各地域(州)にある労働市場においてカバーできない職業を移民でカバーする、ということにより、労働市場バランスをとっていくという考え方に尽きると思います。・・・しかし、これを実施するためには常にデータ分析をする、というち密な研究が必要ということです。

ユーロについてあらためて現状を知ることができたとても興味深いレクチャーでした。

2012年10月31日水曜日

入管国際セミナーに参加しました

昨年から行政書士の皆さまといろいろと勉強会をさせていただいていることもあり、少しずつ日本の在留資格についての状況もみえてきた気がします。毎年入管協会で、「入管国際セミナー」というものをされているということなので、今回初めて参加してみました。 毎年各国の移民法に関する識者によるパネルディスカッションや最近の傾向、そして入管からの最新情報などを意見交換しているようです。今回は特にアメリカビザコンサルタントで一緒にイミグレーション実務研究会もしている船曳先生がパネラーとして参加する、というのもあり、興味深く伺いました。

前半は今年大きく在留資格に関する入国管理法がかわりましたので、法務省のほうからこの法改正に関する情報、また、特に高度人材に関するポイント制の説明がありました。
5月から施行されたのですが、、まだまだ試行錯誤中のようです。 個人的にかなり興味深い点は、やはり、この方式が非常に英連邦全般の国でとりいれているポイント制に近いことです。 ただ、他国移民国家のように、直接永住、という形での申請は不可能なものの、優遇策として始まったこの試みは過去の入管法を考えれば、かなり斬新と感じています。 
1つただ、ほかの国にかえってない点は、このポイント制に該当する人のメリットとして、ヘルパーを帯同できたり、国から親を呼び寄せることができる、という点でしょうか。ここは非常に日本特有の点かと思います。 背景としては多くの外国商工会議所の意見が関わっているのでは、という感じです。まだまだ、とにかくはじまったばかりのため、今後1~2年をみて、調整していくのではないか、と思う次第です。

その後、各国の移民法の状況について各講師から発表がありました。国はロシア・インド・中国・そしてキプロス・・・アメリカ、と様々でした。今は新興国への進出がめざましい日本企業にとって、特にロシア・インド・中国の情報は貴重なのではないか、と思います。ただ、聞いている限りでは、本当に郷に入れば郷に従う・・・・という状況はまぬがれないため、これらを1つずつ把握していくことがまずは第一歩ではないか、と思います。

参加者は圧倒的に行政書士の皆さまが多い印象でした。皆さんはこれらの他国の移民法をどのように感じているのか、、と思った次第です。はじめから外国の移民法に携わっている自分にとっては、日本は常にその比較対象ですが、まだまだ日本はもっと改変できる点が多くあると感じています。 カルチャーとして、特に「法改正」については非常に遅い日本にとって、これらの対応がまだまだ今後、遠い道のりには感じつつも、それでも、この近年の法務省による改正、または特別措置も含めて、少しスピード感がついているとも感じています。

どの程度、人口政策に対して危機感をもっているか、ということが入管法には反映してくると感じています。

日本は「留学生をどうしたら増やせるか」と悩む一方、留学生にとっても日本における就職は日本人以上に非常に難しい環境でもあります。 これらをふまえて、本当に留学生を増やしたい、ということであれば、留学生にとって魅力ある国、にみえるように法整備する、というのが1つの方策と感じています。 それには、やはり留学→就職へのpathwayを考えてもよいのではないか、と思う次第です。

今、ただでさえ、日本の学生たちの就職難の中で、これらの意見はさらに批判的に受け止められる可能性も大きいですが、しかし、本当にグローバル化したい、と国家が思うのであれば、必然的なステップであり、日本社会がもっと順応していかなければ、国際化、はまだまだ遠いと思います。
できるところから、風通しをよくする、ということをぜひ検討していってほしいと思います。

~~いろいろとよい勉強の機会になりました。

2012年10月3日水曜日

RBA - 日本の在留資格変更についてのレクチャー

イミケンでご一緒しています行政書士の中井先生が外国人弁護士による組織 Roppongi Bar Association にて「最近の日本在留資格についての変更がどのように日本経済にインパクトがあるか」という内容でレクチャーをされましたので、参加してきました。 今年は5月に高度人材をみすえてのポイント制、そして7月には外国人登録カードが廃止され、在留カードへの変更、と大きな改正の年でもあったこと、そして昨年の震災の影響もまだ在日外国人の人口減には影響しているところもありますので、これらをふまえての内容となりました。

日本は大原則として、ほかのアメリカやオーストラリア、カナダのような移民国家を形成する事を念頭において法律をつくっていないため、あくまでも「入国管理、そして在留管理」という視点で、実施することが大きな違いです=つまり、在留している人たちがその後永住へ、というPathwayはそれほど明確にはつくられておりません。 なんらかの事由で日本人の家族となった場合は、永住への道がある程度ありますが、職業やスキルにおいての永住、ということになると、まだまだ、移民国家に比較すればハードルが高いという印象です。

そのような中で「高度人材ポイント制」は画期的な法改正として実施が始まりました。 オーストラリアでもあるような年齢、学歴、職務経験、そして収入(これはオーストラリアはありません)でポイント計算し、一定レベルに達した場合は、その後5年後には永住ビザ申請への道がある、というもので、今までの「居住10年以上」ということからだいぶ短縮化されるものになります。

様々な特色が付与されており、特に「家事などのヘルパー」を雇う事ができたり、親などを呼び寄せたりすることができるのが大きな点のようです。 これらは逆に、オーストラリアなどにはない点です。

実施されて年間2000人くらいをみているそうですが、、、まだ300くらいしか申請がない、という現状も伺いました。これには様々な理由があると感じます。

なかなか、日本は歴史的に、といいますか、この在留資格関連の法律、そしてその要件などを緩和するのが非常に時間がかかる、印象です。 今はそうはいっても、特に震災後、さらに外国人は減少し続け、そして、日本の人口自身も現象しているいま、労働市場ももっとグローバル化することで、活性化しなければ、どんどん世界においていかれる、と危惧しています。 

少し古いですが、その昔、明治維新の頃は多くの外国のものを柔軟に受け入れ、その後日本経済にも大きな変革をもたらしたことも過去にはあります。 その頃のことも少しふまえて、スピーディに時代に順応していくことが今は問われているのではないか、と思います。

いろいろ今年は特に日中韓と騒がしい年になっていますが、国際競争に対処していく為には活発な経済活動をもち、日本経済に貢献してくれる外国人受け入れが必須の課題と感じます。

まずは今年が大きな過渡期かと思いますので、今後の動向を観察していきたいと思います。

2012年8月25日土曜日

イミケン オーストラリア移民法 基礎について

ふだんは平日夜開催しているイミケンセミナーですが、今回は夏休み中ということもあり、週末に初めて開催してみました。あらためて、オーストラリア移民法の基礎ともいえる成り立ちや歴史から最近の政策まで、と幅広いトピックスを網羅しました。

夏の暑いさなかでしたが、関心高い方が多く参加下さいました。また、週末ともあり、少しふだんとは違う客層?も混じり、ディスカッション形式ですすめていきました。

オーストラリアは入植以来、ヨーロッパ人による支配が長く続き、白豪主義、そしてその後に多文化主義、難民も大変多く受け入れた歴史があります。 ~しかし、時代とともに、その流れは経済トレンドと多く関わり、今の政策はかなりドライ、といっても過言ではないでしょう。 いかに国益になる人をバランスよく受け入れるか、そして国の失業率を下げる為に、不足職業をデータから分析し、緻密にそのコントロールを移民政策にて扱う、という方向性が色濃くなってきています。

特に2009年の労働党へのシフト以来、労働者を保護する政策が強くなったこともあり、人件費の高騰、そして、これにともない、海外からの人材に関してもかなり厳格な要件が並べられるようになり、就労ビザはかつてよりもぐっとハードルは高くなったのが現状です。

しかしながら、一度、就労ビザ取得すると、永住への道は緩和され、労働市場へのマッチングを優先することで、全体的なバランスを取っている・・・というように伺えます。

短い時間に多様な面からのレクチャーとなり、最後には日本の在留資格についても少しふれました。今は、日本も高度人材をどのように定着させるか、また、看護士などに外国人を受け入れる方策、そして、観光立国への戦略などなど、外国人を多く受け入れることにより経済活性化をしなければならない、という危機感はいろいろなところで伺えます。

移民政策としてスピーディなオーストラリアの方針を聞いた後に日本の事情をふりかえり、参加者の皆さんがそれぞれにご自身の意見を語って下さったことも貴重な情報交換でした。

イミケン発足からもうすぐ1年!ということもあり、終わった後は参加者の皆さまと懇親会、そして、中心メンバーとディナーにてあれこれと構想談義にはいり、今後ますます多くの方が参加していけるような会にできればと思いました。

週末に大変お疲れ様でした!

2012年8月17日金曜日

アメリカの不法移民に対する新政策

アメリカの大統領選も11月に控え、選挙戦も日増しにメディアを通じて激しくなってきたようです。オバマ政権も早くも4年の月日が経ったということになります。 選挙を控えた今、6月に大統領令として不法移民に対する新政策が発表され、この受付が最近開始されたということが報道されていました。 

今、アメリカには1100万人の不法移民が存在するといわれています。国境をわたりやってくるヒスパニック系が圧倒的な数を占めていますが、アジア系、イスラム系、ヨーロッパ系と様々です。今回の政策はアメリカに不法入国した当時、子供として入国した以下の条件の人たちには暫定的な労働許可を与えようというものです。これによって強制退去される恐れはしばらくなくなり、若者たちも就業意欲をもって職につける、ということです。 

・不法入国時、16歳誕生日前であった。
・2007年6月15日以来居住している。
・2012年6月15日時点で30歳以下である。
・2012年6月15日以前に審査なく入国、または2012年6月15日時点で合法的な入国状況が終了する。
・現在学生で通学中または高校卒業、Certificateを教育機関で取得、またはアメリカ軍において在籍
・犯罪歴なと人物審査において問題ない人
・2012年6月15日時点でアメリカに居住し、この申請時にもアメリカにいること。


確かに入国時に子供だった彼らには罪はなく、その為に将来に不安を継続させながら生活することもつらいのは事実です。 オバマ大統領が4年前に、「不法移民たちにも永住権を」というドリームアクトというものを掲げたものの、いまだ野党の反対のために法案は不成立のままという状況のため、今回「大統領令」としてこの条例を特別に設けたようです。

これらの背景として明らかに、現在のアメリカは労働力としてこれら不法移民たちの貢献度も高い=一般のアメリカ人がつかないような仕事で社会を支えている=経済を支える大きな労働力、
そして、何よりも大統領選を見込んでも、人口で大きな割合を占めるヒスパニック系の票は無視できない、というのが現状です。 そのため、彼らに好意的な政策は受け入れられることにより、票にもつながる、ということです。 
これに対し、野党のロムニー氏率いる共和党からも、はっきりとした反対意見はいまのところでていないようです。なぜなら、彼らにとってもヒスパニック系の票が重要な割合である為です。

受付開始から、長蛇の列をなし、若者の夢に託すこの思いが報道からも痛感しました。・・・しかし、現状として、不法入国時に、自身のIDやパスポートなど証明する書類をもって来ている人ばかりではなく、これらの証明をすることさえ大変な人も数多くいるのが現状です。そのような状況もある程度想定範囲内としてこの法令を開始したと思いますが、まだまだ大変な状況は続きそうです。

何はともあれ、社会の構図、そして選挙戦、双方のバランスを見込んだ上での政策を打ち出すことがリーダーには重要・・・ということがこの法令から実感しました。
移民の国ではアメリカをはじめとしてオーストラリアやニュージーランド、カナダもそうですが、税金によって賄われる支援や費用に対して、とてもシビアであり、基本国籍や永住権保持者に関してはこれらの恩恵をうける権利がありますが、それ以外は社会保険など、極力負担がないようにする構造になっています。そのため、不法移民を認め続けると、それにかかる社会的負担は増大し、国の財政にもかかわってくる、ということもあるため、全面的に肯定することは難しいのが現状です。

しかし、今回の法案については、少なくとも現在この条件に見合う若者にとっては嬉しい朗報であり、そして彼らも将来の展望を明るく検討できる内容の為、就職に対するモチベーションも上がり、結果的に若者から雇用に対する経済活性化も少しできるのではないかと感じました。

~日本は基本「移民でできた国」ではないため、このような考え方はまだまだ遠いと思いますが、時々メディアでもあがる不法移民についての扱いについては、特に未成年で入国した場合のケースについて、今後、「出生国よりも育った環境が長く、かつ、生活習慣や教育が肉体的、精神的、現実的に日本にタイがある」という場合は彼らの将来にも大きな影響が予測されるため、緩和していく猶予はあってもよいのではないかと思いました。

また、ある意味日本は外国人にとってとても「やさしい福祉の手厚い国」と常々感じます。国民皆保険制度という基本概念からと思いますが、どの程度税金が外国人に対して利用されているか、という社会保険の観点で少し政策を考えて、効果的に外国人の在留を検討してもよいと思います。

アメリカはいろいろいっても、このような政策を聞くとやはり人権に関しては「寛大な」国と、感じました。 

2012年7月28日土曜日

改正入管シンポジウムに参加しました

7月9日に日本の入管法が改正になったことをうけて、行政書士を中心として改正入管シンポジウムが開催されました。 パネリストの皆さんはふだん、行政書士の中でも国際業務に携わっている第一線の方々で、今回の改正についての見解はそれぞれに興味深いものがありました。

入管法は5月に外国人高度人材をうけいれるべく「ポイント制」というものが新しく始まり、その後にこの改正ということで今年は大きくその変化がみられる年でもあります。

日本の現状をみれば、急速に進む人口減、特に労働力となる人口層が今後減少することが明らかなことをふまえて、人口政策の一環としても今後はこれらの入管法も真剣に討議されていく必要があると実感しています。

興味深いポイントはいくつかありましたので列記してみます

<高度人材受入れに関するポイント制について>

・基本的にこのポイント制はハードルが高い。該当する人が非常に限られている+これらに該当する人たちは比較的Expatにあたる人たちが多く、日本には長く滞在するような人が少ない=永住を検討する人も少ない

・ポイント制に該当する人はこの認定をうけてから4年6ヵ月で永住ビザ申請が可能、ということになったが、実質、それまでに蓄積した滞在歴があったとしても、これらが計算されないため、当初必要とされた10年の滞在歴、ということを念頭において滞在してきた人にとって、過去の滞在歴を計算に入れてもらえなければ状況によってはあまり意味がない。

・結局のところ、このポイント制においての最大の魅力は「家事使用人の雇用」が可能になったということ。今までこの家事使用人雇用ができる人は対象がかなり限定されているため、希望していても雇用できない人が多かった。ここの部分ができるようになったことが最大のメリットと感じている人も少なくない=しかし、このタイミングに家事使用人 雇用のための最低賃金が15万円⇒20万円になったことは負担と感じている人も多い。

・経産省は2000人を目標としているが、、いまのところ、、、まだこの10%にも満たない・・・・。


<7月9日の改正について>

・実質この改正は「在留資格」については何も変更がない。 外国人登録カードが廃止になり在留カードになる、など入管法に関与するツールが変更になったという点が大きな変化。

・大半の外国人からの意見としては「わかりにくい」改正 - 実質何がどのように変更になったか、の周知がいまいち不明瞭であり、かつ、市町村など自治体の対応についてもバラバラ。
特に英語による情報が不足している。

・社会にたいするアナウンスが不足。実務者に対して、そして外国人に対しても不明な点が多すぎて、いまだ混乱は継続中。

・・・・・・・・・

最も感じたことはやはり社会への周知の方法かと感じました。実務者である行政書士の方をもっと政府は活用して、より効率的にこれらの新しい改正を社会に浸透させるために、法務省が積極的に、PRそして、プロセスの説明、統一した情報・資料を提供することが非常に重要なのではないか、と感じました。 これはもちろん地方自治体への指導も同じことになります。
ただでさえ、日本の場合は地方自治体によってそのフォームなどもバラバラであり、かつ英語による情報があまりにすくない状況でもあります。

私自身の視点はどうしてもオーストラリアとの比較からになってしまいますが、もっと効率的に、そして合理的な行政のしくみが確立できるのではないか、と感じました。

何はともあれ、これらの目的の背景は日本にもっと高度人材をうけいれるしくみをつくり、経済効果を生んでいけるしくみをつくること。半面、不法滞在等資格のない人たちにたいする統制を整備することで、スリム化する、という方向に進んでいることは理解できます。

まだまだ、改正もはじまったばかりですが、少しずつでも浸透していくことを祈ります。

2012年7月9日月曜日

オーストラリア7月の法改正について

6月からすっかり時は経ち、だいぶ前回のブログから離れてしまいました。この6月~7月はオーストラリアは例年大きく法改正が実施される時期、加えて今年はまれにみるほどの大改正でもあったたため、まだまだその内容も模索している点も大きいですが、端的にいえば、さらに「ドライ」な政策になったといえます。 2009年に労働党が与党になって以来、特に労働者を守る方策に大きく転換し、かつ、現在の資源景気も影響し、オーストラリア経済は全般的にはかなり上昇志向です。その中において、さらなる雇用のミスマッチを抑える為に、「不足している職業に移民を」というストラクチャーがさらに明確になりました。 そのため、以下が大きな変化といえます。

1.雇用主がすでに決まっている(スポンサー) 人は永住への道がシンプルに

2.雇用主が特に決まっておらず、自身のスキルのみで永住を希望する人は、移民省の優先順位によって、申請時期がコントロールされる =スキルセレクトの導入

3.ビジネスや投資関連はさらに「国益」を生むビジネスにフォーカスされ、 「イノベーション」を生むべく、大型投資案件に集約される = レストラン経営やコンビニなどの中小規模ビジネスは「投資」という概念からははずされる。

2,3 については労働市場的にも先が明確にみえない部分もあることのため、移民省が「市場の需要にあわせて」その順番をきめていく、という考え方になります。

申請者自身で、申請時期を具体的に選べなくなってしまったことは大きな変革であり、今後、オーストラリアへの永住を検討する人にとっては、少し頭の痛い話でもあります。

これらから言えることは、「皆さん、極力、就業先を決めて(雇用主) 申請して下さい」 という考え方です。 そうなれば、労働市場においてミスマッチが極力減ること、そして、特に地方や過疎地におけるこれらの就業は歓迎されるため、州政府が積極的にその情報提供し、不足している職業情報を掲示することで、移住希望者はここから探していく、という形をとることができます。

ただ、もう1つスキルセレクトのよい点は、仕事先を探している人がこのデータベースに自分の情報を掲載することにより、求人募集している雇用主がここから適当な人を探すことができる、というマッチングの役目も果たしています。 これらのデータベースをうまく活用することで、適材適所、の究極を目指すものになった・・・と分析しています。

ただ、まだこのしくみ自体は政府としても初めての試みのため、まだどのように運営していき、いつのタイミングに自分が申請できるか、ということが非常にグレーです。 申請者も政府も動向をしばらくみていかなければなりません。

もう1つ、顕著な動きは、やはり労働者不足対策としての法整備を迅速にすすめている、という点でしょうか。以前も記述しましたが、資源業界に対する労働迅速不足は非常に重要な課題になっている為、いかにこの雇用確保ができるか、という点において、就労ビザ(457)の特化した業界・プロジェクトに対する措置はますますスピード感をもって進めていくと思います。 しかし、全般的に、とにかく人件費の上昇はめざましく、雇用主が負担する部分も無視できません。ここまで賃金が上昇した先は大丈夫なのか、と少し不安にもなります。 (例:就労ビザはAUD$51,400以上の賃金支払いでなければ発給不可能=ほぼ日本の平均収入にあたります)

個々のビザに関する改正についてはあまりに細かい為、詳細については、ホームページトップに概要をまとめていますので、ご覧いただければと思います。

~~~ このオーストラリア法改正とは別に、日本の在留資格もなんと60年ぶり!という大改正が7月9日に実施されました。 オーストラりアがほぼ3ヵ月ごとなんらかの法改正があるのとはだいぶ時間軸が異なりますが、まだこちらの施行も不安いっぱいな感じです。 かつてよりシンプルになった・・・という認識ではありますが、政策として日本の在留資格制度はどの方向をめざしていくのか、、、ということはいつも少し疑問に思うところです。まだこの日本の制度については、私自身も多く勉強しなければなりません。 今月末に行政書士の方が中心になって、これらの法改正についてのシンポジウムを開催することになりましたので、この機会に勉強できればと思います。

2012年4月18日水曜日

日本人口 ついに最大25万人減 ~ 人口と日本のビザ緩和政策

日経1面に大きく「総人口最大25.9万人減」という見出しが掲載され、ついに・・・という気持ちです。今年年初での予想では20万人、ということを発表していたのですが、予想を上回る早さで急激減しているということ、そしてこの1年間でなんと外国人だけで5万人も減ったということで、自然減だけでもすでに18万人ということです。 この状況をどの程度深刻にうけとめるか、日本政府はかなりの重荷になることはまちがいありません。

日本の顕著な傾向として以下が挙げられます。
① 高齢化
② 出生率の低さ
③ 震災による外国人流出

他国に比較して人口流入、流出は移民国家ではないため、それほど数値にはいままででていなかったかもしれません。しかし、震災という大きな打撃、そして、欧州危機のような経済的な要因もふまえて、以前よりもはるかに外国人に限らず、日本人も多く海外への移住なども検討しているのは新しい動きです。

これらの現状を検討すると、ますます、真剣に日本は人口政策ということを在留資格もふまえて検討していく時期にきていると感じます。基本、ここの数値をコントロールする精査はいまのしくみからは存在しないため、今後、安定した経済活性化を生んでいく為に、どのようなしくみを作ることが重要か、腰をすえて検討すべき時期になっていると思います。

同じ日に、傍ら「中国人へのビザ緩和」ということも大きく掲載されました。 観光による経済効果を生むしくみとして、徐々に中国人への観光ビザを段階的に緩和している法務省ですが、昨年は沖縄に1泊滞在することにより、3年間の数次ビザを発給、というユニークなものを構築し、この効果は絶大だったため、この応用編として、震災にあった東北地方への1泊をくみいれることで、同じように3年間の数次ビザを発給可能とするものを7月から施行のようです。 ある程度の富裕層むけと要件はまだ高いものの、これで、ほぼ自動的に中国人観光客が東北地方へ滞在するしくみをつくることはその土地の経済活性化にももちろんつながるわけで、この制度は歓迎したい次第です。

法務省もあれこれとアイデアを提案して構築しているように見受けられますが、このように経済効果を生むような在留資格のしくみ作りは日本の「深刻な人口減」をふまえても今後もっと検討範囲内と思います。

同じような考えではありますが、急速的に復興事業が必要となる東北地方にいかに、資金を投じ、スピーディに復興させ、平常へもどしていくか、国をあげての大きな課題です。 この「特区」とされるところに他国で実施している「投資ビザ」のしくみをつくることができないか、という提案を東京都行政書士会の広報誌「プエンテ」にてさせていただきました。 現在の在留資格のしくみから比較すれば、かなり急進的な発想ではありますが、経済効果や財政赤字そして、雇用創出目的のために他国(アメリカ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド)では、投資家から資金をつのることで、永住権を与えたりするしくみがあります。同じものをあてはめることは難しいものの、このようなとりくみが他国にはいくつもあり、そして、経済効果をスピーディにあげるという成功をしていることも事実です。 参考にしていただければ幸いです。

まずは、日本の現状において、改正可能な部分から徐々に応用していき、将来的には、人口政策とからめて検討していけるようになれば、と思う次第です。
何はともあれ、日本国全体の活性化をするためには「人口減」は深刻である、という点をおさえて、今後の政策を検討してほしいです。

2012年3月29日木曜日

介護福祉士 外国人合格36名 ~ インドネシアとのEPAについて

EPAにより来日したインドネシア人による介護福祉士国家試験結果が発表され、このたびはれて36名が合格したというニュースが報道されました。外国人合格者は全体の37.9%ということで、以前の看護士試験(11.3%)に比較すると高い合格率に、この業界の方のみならず、EPAとして実践している政府関係もほっとしたのではないかと思う次第です。日本語という言葉の壁はかなるハードルが高いという認識ですが、それでも滞在可能な4年間のうちになんとか頑張りたい!とい強い信念のもと、皆さん、本当にこの努力は涙ぐましいものでもあります。 きのうニュースでは横浜市が日本一高齢者人口が増加している市として、この介護福祉人材育成に対する危機感から地方自治体が真剣にこれらの雇用確保にむけ、外国人介護福祉士候補者に対する補助を支援している事が紹介されていました。

高齢者支援として介護福祉士の存在は年々その人材確保が深刻化しています。業界やその現場にて人材を管理している人にとっては、これらの職業に対する賃金の問題もあり、日本人の介護福祉士の人材確保はかなり厳しい状況です。高齢者人口に比較して、サポートする人材の少なさからいえば、即戦力としてすでに海外で、看護士や介護福祉士として職務経験のある人を確保することは重要な雇用ともいえます。 

不足している業界や業種へ海外からの人材にて補充する、という考え方が少し日本にもEPAという形で現実化してきた第一歩といえるでしょう。 それでも、日本語へのハードルはあまりに高い、ということもあるため、この点、柔軟に人材確保のための方策をとっていってもよいかと感じました。

日本の失業率を検討すれば、もちろん、日本人の雇用確保が最優先にされるべきですが、これは現実問題、やはり職業や業種は偏るもので、今回のケースを1つのステップとしてさらに今後のEPA方策も検討してほしいと願います。

~~別のニュースとしてASEANが2015年の経済共同対創設へ本格的にインフラ整備を開始、今後はこれらの国々が鉄道でつながり、域内の人的移動が緩和される方向と発表されました。
具体的には2015年をめざして統一ビザ=まさにEUのシェンゲンビザのような考え方ですが、域内観光促進をメインに経済活性化を担うものと、検討しているようです。 
アジアにもついにこのような体系ができると、ある意味、経済力としても大きなパワーとして対日、対中への存在感は増すことでしょう。 日本もいろいろな意味で、これらの動向もふまえて、いかに自国への投資や国を支える人材を受け入れるか、という点を考えなければならないと思います。

2012年3月13日火曜日

オーストラリア 投資ビザセミナー ~イミケン活動にて~

隔月で開催しているイミグレーションロー実務研究会において 第2回オーストラリア移民法 <投資ビザについて~ニュージーランドとの比較を交えて> を行いました。

この会も数を重ねるごとにメンバーもだんだん定着して、かつ、運営側の皆様ともよいコミュニケーションを通じ、各国の移民法を学ぼうという姿勢がとても強く感じられます。

日本の在留資格にはまだこのタイプの投資ビザは存在しませんが、いわゆる一定金額の経済的要件を満たし、かつ、多額の投資をその国へ投入することにより、経済効果を生み、かつ国益につなげる、という考えのもと、アメリカやカナダ、オーストラリアをはじめとする移民国家では存在するビザプログラムになります。

昨年からの顕著な動きとしてはやはり、震災以降、日本人も自国への経済に対する不安、そして生活する上での不安から、海外への逃避?を検討する人が急増したのも事実です。特に富裕層による海外投資はかえって活発になったということは多くメディアでも報道されました。

この中で、他国の永住権を取得することにより、税金優遇を考慮して、資産移動、という考えもあらたに日本人の中には多く芽生えたことも事実です。 そのような中、オーストラリアも選択の1つとして検討する人もいらっしゃいました。

オーストラリア投資ビザの特徴は、各カテゴリ-には「州政府スポンサーつき」と「なし」があり、州政府と連携することにより、若干要件のハードルが低いものがそれぞれ用意されています。 これは、投資家(永住申請者)が選択した州に居住することを前提に、州政府は投資家に対し、ビジネス情報や州のあらゆる情報提供、ビジネスを生みやすくするための提案など多くの点で、支援することで、該当州に投資してもらおう、という考え方です。
そして、「投資先」としての商品が「州政府債権」と固定しているものであるということ。 各州によっては利率が若干異なるため、同一ではないものの、基本安定的な商品として、日本の事情を考慮すれば年間4-4.5%の利率はかなりお得感もあります。

ただ、これらのビザはなんといっても経済的要件がとても高いということ。そして年齢も55歳未満、ということもあり、ほとんどの富裕層が60-70代になる日本においては、なかなかハードルが高いのも事実です。

一方、これらとニュージーランドの投資ビザを比較しましたが、こちらは対照的に「投資先」がバラエティーある投資商品を選択できること、そして年齢も65歳以下まで申請が可能であること。 これらはアクティブな投資家にとってはかなりのメリットでもあります。
両国のしくみは対照的なため、少しでもそんな制度がある、ということを皆さまにご理解いただければと思います。

~イミケン運営メンバーも、時間とともに、とてもよいチームになってきました。なんといってもアフター研究会のディナーとしてよく行くイタリアンがとてもおいしく、毎回楽しみです。

日本のビザエキスパートとしてはそれぞれ大変ご活躍なさっている方ばかりの為、セミナーを通じてよりよい日本の在留資格制度についても検討していくことができればと思います。
代表の中井先生が15日にはドイツ商工会議所にて7月から大きく改正となる日本の在留資格制度についてのセミナーも行うようで、各商工会議所との連携もあわせてすすめていくことができれば幸いです。

2012年3月7日水曜日

オーストラリア投資ビザセミナーのご案内 12日(月)18:00~

最近の活動の1つとして、昨年秋から東京都の行政書士の皆様を中心に「イミグレーションロー実務研究会(イミケン)」という勉強会を始めました。ふだん、行政書士の皆様は出入国管理法=いわゆる日本のビザに関わる実務を行っている方たちになり、今後日本の入管法を検討する上で、各国の移民法を勉強することで、よりよい入管法を検討していくことができれば・・・という主旨で開催されています。 国が異なることで、これらの法制度は文化的な背景も含めて異なります。様々な視点から比較することで、何かのヒントになっていただければと思う次第です。

来週12日(月)18:00~より オーストラリア移民法において「投資ビザ」に関わるレクチャーをさせて頂きます。このタイプの投資ビザはまだ日本では存在しませんが、アメリカやカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、そしてシンガポールについてもいろいろな形で実践されています。 

もしご関心ある方はどうぞご参加いただければ幸いです。

詳細につきましては、直接「イミグレーションロー実務研究会」あてまでお願いいたします。
多くの皆様のご参加をおまちしております。

2012年2月24日金曜日

オーストラリア 労働党のゆくえ と日本の移民政策について

オーストラリアでは27日に現労働党の党首選が実施されることが発表になりました。長年の保守党から労働党にかわってから早5年あまり・・・元首相のラッド外相と現首相のギラード首相の間における確執が政局不安をかもし出しているとのこと。 ギラード首相も支持率が低迷しつつも、ラッキーなのは今、オーストラリアは資源景気に沸いており、国民からの不満はそれほど目立たない。加えて、もともと、ラッド首相が退陣にかつて追い込まれてしまったのは資源税を発表したことで、民間会社から多くのバッシングをうけてしまったこと・・・・そのため、それ以来、この資源会社に対する税金制度についてはまだ構築されておらず、法人にとっては、今、追い風となり、収益を上げているという状況が継続しています。 同じ党内におけるもめごとのため、それほど政策には響かない、という見方が強いようですが、TPPやEPA /FTAをはじめとして、オーストラリアの課題はまだまだ山積みです。

オーストラリアは労働党に代わって以来、もっとも影響をうけたのは移民政策かもしれません。もちろん、「労働党」というだけあり、労働者保護=Fair Work といわれる労働基準法にあたるものが整備され、そして何よりも外国人労働者を滞在させる「就労ビザ」の規定をはじめとして、永住ビザも労働市場と人口政策を検討しながら、いかに国民(国籍保持者や永住者)の労働市場を奪わず、かつシステマティックにバランス良く、外国からの労働力を確保できるか、という視点で大きく移民政策はシフトし、一般的には「規制」が増えたのが事実です。
この流れは労働党が続く限り変わらないと思いますが、オーストラリアはしみじみ、与党の政策で移民政策が斬新に改正になる国ということを常々実感しています。

~そんな中、メディアでは「日本における移民政策を検討すべき時期にきている」 と中川正春少子化担当相からコメントがありました。「人口政策だけでなく、どういう形で外国人を受け入れるか議論する時期に来ている」と述べ、日本の移民政策に関する有識者の議論の場を設ける考え明らかにしました。


報道において「日本の移民政策」というキーワードはほとんど今までなかったのではないかと思います。あくまでもスタンスは「在留するための目的別資格」と位置づけが色濃い現代において、今の人口減から真剣に国益を追求するためには、海外からの労働力は必須であり、どのように位置つけていくか、ここが今後の課題です。
個人的には、日本を開国するためにこの考えはぜひ支持したく、そしてオーストラリアやアメリカなど、移民国家のモデルを検討する中で、日本にとってよりよいモデルを形成してほしいと願います。