ビジネス奮闘記

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2011年9月4日日曜日

ウーマンズ・イニシアチブ・フォーラム in Tokyo

先日に引き続き、今日も起業についての話題です。

日曜日でしたが、ウーマンズ・イニシアチブ・フォーラム in Tokyo というフォーラムに参加してきました。これは、カルティエが毎年開催している女性起業家のためのビジネスプランコンテストがあり、そのプロモーションの一環として開催されました。ビジネスコンサルタント大手、マッキンゼー・アンド・カンパニーがサポーターとなり、このビジネスプランにおいても指導に携わる、というかなり贅沢な内容でした。 今年は5回目ということで、グローバルに地域別にその受賞が決まるようですが、日本からの参加者がまだまだ少ない、ということもあり、昨年の受賞者による講演からはじまり、今、日本社会における女性の雇用状況、そして経営陣としての地位など、現状を把握する上でも大変参考になる内容でした。

会場は、予想以上に大変多くの女性が参加しており、そして、その大半がすでに起業しているか、これから起業を考えている方という、こんなに多くの方が今、このテーマに強い関心をもっているのかととても勇気づけられました。

昨年の受賞者であるインドの女性が起業したビジネス「Travel  Another India 」を紹介し、観光業でも、特に地方と観光をつなげることにより、経済活性化、そして雇用創出している社会貢献型ビジネスの奮闘記をリアルに語って下さいました。 彼女が強く主張していたのは、起業=リスクはとても大きい、しかし、それに立ち向かうことによって得られる意義、やりがい、達成感は何ものにも替えられず、リスク以上に生きる力を得られる、ということでした。 また、ネットイヤーグループ CEO石黒さんは 「起業=リスクではなく、 起業後、さらにその会社を大きくすること=これがまさにリスクである」…ということをおっしゃっていました。 起業の時点における社会的責任の大きさと、事業拡大にともなう社会的責任の大きさはまったく異なるということ・・・・確かにそうだ、と思いました。

これらの講演前にマッキンゼーディレクターや支社長から「起業」ということについて、そして「女性の社会における価値」などの分析が大変興味深い内容でした。

まず、起業するにあたって重要なことはこの3つ。
1.事業戦略の明確化されているか?
2.どこで経済価値を創出するか?(利益を生むシステムにするか)
3.起業に必要な条件を兼ね備えているか?

起業に必要な条件とは?
1.アイデア
2.人材
3.協力先
4.資金調達力

そして5Cというものがキーになるということ。
1. Compete  (競争)
2. Concentrate (統合)
3. Capture (価値向上)
4. Create (創造性)
5. Cooperate (連携&企業とのアライアンス)

* どこで勝負するか?
* 競合との差別化・強みの根底=真似されないためのしかけの作り方
* 市場のタイミングや環境

これだけ挙げられるとなかなか大変にも感じますが、まずは自分のアイデアなどを客観的に人へ明確に伝えられ、そして、その価値が社会的に認められるものか、ということが大切である、ということをおっしゃっていました。 確かにアイデアだけもんもんとしていても、なかなか形にはならないものです。 そういう意味で「コンセプト」がいかに重要か、ということになります。

また、女性の社会における価値ですが、これも面白かったです。 経営陣またはリーダー的なポジションに女性が入ることにより、より企業における価値が高まるケースが圧倒的に多いこと、そして柔軟性がでて、創造力も高まる。また、何よりも利益率が高くなる、ということが数字として明確な説得性を示しているようです。 明らかに男性と違うところはその、リーダーシップスタイルやインスピレーションだそうです。 確かに、女性としての視点という意味では、リーダーシップの方法はより細やかにチームメンバーの適正をつかみ、そしてうまく人を動かすことができるのかもしれません。

マッキンゼーからはお二人女性がこれらのプレゼンをして下さいましたが、その洞察力、そして、ゲストスピーカーとのモデレータも非常にバランス取れている内容で、これも印象的でした。

最後に、石黒さんがおっしゃっていたこともなるほど、と思いましたがなんとなく、今まだ「女性らしい起業」が多いということ。「女性」ならでは、のアイデアが多く、これは私自身も時々感じます。
ターゲットを女性メインに絞るのではなく、社会全体としての存在意義、ということもふまえて、視野の広い起業もみすえていきたい、という感じです。スタンフォードで磨かれたそのサバサバ感は非常に説得力があり、彼女らしい意見でした。

これらをふまえ、今 私自身の関心事はやはり「グローバル人材育成」です。この課題への取り組みとしてオーストラリアン・インターンシップをぜひ活用してほしい、と思っている次第です。

このキーワードがすっかり日本では定着した今、ある意味和製英語でもあるのですが、要は、日本は今、この課題にかなり真剣に立ち向かわなければいけない現実が今、日本の雇用社会にあることは事実です。 その流れもあり、このようなフォーラムも活発化していることもあります。 元気なのは女性が多い・・・日本社会において、女性が牽引していくことはもちろん歓迎です。 女性に限らず、若い方がどんどん海外に関心をもち=と、いうか、危機感をもち、自分たちの今までのスタイルのみではもう他の国の若者とは対等にビジネスも難しい・・・・と思うくらいの気持ちになってほしいと思います。

今の世の中、情報はあふれ、そして、スピーディな中、なんでもインターネットやツイッター、facebookなどで、情報を手にとり、知識を高めることができます。しかし、経験というのは、ネットの世界だけではないということ、あくまでもこれらは「道具(Tool)」 であり、ここから、自分の世界をどのようにしていくかという道を決める情報箱でもあります。 経験を積む、ということはある意味行動力を自分でおこしていかなければならない次のステージであり、この点が、今の若者が大変消極的な点です。 現場を知り、体験してみる、そして若いうちはラッキーなのは、「失敗してもチャンスがある」ということです。年齢とともにリスクが高くなることは周知のことであり、この点をもっと、今、何をすることが最も価値あることか、という視点で考えてほしいです。

そんな多くのことをあらためて考えさせられた1日でした。 とても有意義なフォーラムでした。世界におけるアジア=特に新興国の強さや存在意義、あらためて実感もした日でした。 

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