6月からすっかり時は経ち、だいぶ前回のブログから離れてしまいました。この6月~7月はオーストラリアは例年大きく法改正が実施される時期、加えて今年はまれにみるほどの大改正でもあったたため、まだまだその内容も模索している点も大きいですが、端的にいえば、さらに「ドライ」な政策になったといえます。 2009年に労働党が与党になって以来、特に労働者を守る方策に大きく転換し、かつ、現在の資源景気も影響し、オーストラリア経済は全般的にはかなり上昇志向です。その中において、さらなる雇用のミスマッチを抑える為に、「不足している職業に移民を」というストラクチャーがさらに明確になりました。 そのため、以下が大きな変化といえます。
1.雇用主がすでに決まっている(スポンサー) 人は永住への道がシンプルに
2.雇用主が特に決まっておらず、自身のスキルのみで永住を希望する人は、移民省の優先順位によって、申請時期がコントロールされる =スキルセレクトの導入
3.ビジネスや投資関連はさらに「国益」を生むビジネスにフォーカスされ、 「イノベーション」を生むべく、大型投資案件に集約される = レストラン経営やコンビニなどの中小規模ビジネスは「投資」という概念からははずされる。
2,3 については労働市場的にも先が明確にみえない部分もあることのため、移民省が「市場の需要にあわせて」その順番をきめていく、という考え方になります。
申請者自身で、申請時期を具体的に選べなくなってしまったことは大きな変革であり、今後、オーストラリアへの永住を検討する人にとっては、少し頭の痛い話でもあります。
これらから言えることは、「皆さん、極力、就業先を決めて(雇用主) 申請して下さい」 という考え方です。 そうなれば、労働市場においてミスマッチが極力減ること、そして、特に地方や過疎地におけるこれらの就業は歓迎されるため、州政府が積極的にその情報提供し、不足している職業情報を掲示することで、移住希望者はここから探していく、という形をとることができます。
ただ、もう1つスキルセレクトのよい点は、仕事先を探している人がこのデータベースに自分の情報を掲載することにより、求人募集している雇用主がここから適当な人を探すことができる、というマッチングの役目も果たしています。 これらのデータベースをうまく活用することで、適材適所、の究極を目指すものになった・・・と分析しています。
ただ、まだこのしくみ自体は政府としても初めての試みのため、まだどのように運営していき、いつのタイミングに自分が申請できるか、ということが非常にグレーです。 申請者も政府も動向をしばらくみていかなければなりません。
もう1つ、顕著な動きは、やはり労働者不足対策としての法整備を迅速にすすめている、という点でしょうか。以前も記述しましたが、資源業界に対する労働迅速不足は非常に重要な課題になっている為、いかにこの雇用確保ができるか、という点において、就労ビザ(457)の特化した業界・プロジェクトに対する措置はますますスピード感をもって進めていくと思います。 しかし、全般的に、とにかく人件費の上昇はめざましく、雇用主が負担する部分も無視できません。ここまで賃金が上昇した先は大丈夫なのか、と少し不安にもなります。 (例:就労ビザはAUD$51,400以上の賃金支払いでなければ発給不可能=ほぼ日本の平均収入にあたります)
個々のビザに関する改正についてはあまりに細かい為、詳細については、ホームページトップに概要をまとめていますので、ご覧いただければと思います。
~~~ このオーストラリア法改正とは別に、日本の在留資格もなんと60年ぶり!という大改正が7月9日に実施されました。 オーストラりアがほぼ3ヵ月ごとなんらかの法改正があるのとはだいぶ時間軸が異なりますが、まだこちらの施行も不安いっぱいな感じです。 かつてよりシンプルになった・・・という認識ではありますが、政策として日本の在留資格制度はどの方向をめざしていくのか、、、ということはいつも少し疑問に思うところです。まだこの日本の制度については、私自身も多く勉強しなければなりません。 今月末に行政書士の方が中心になって、これらの法改正についてのシンポジウムを開催することになりましたので、この機会に勉強できればと思います。
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