テレビで「ユーロ危機」についての特集をしていたので、興味深く拝見しました。 そもそもギリシャ危機からはじまっていますが、この国家として財政難を隠していたことがユーロ圏全体に飛び火、体力のない国から次々と今は危機的状況になっているというのが現状です。具体的にはギリシャ・スペインが最も悲惨な状況なのですが、特にスペインにフォーカスして取材していました。
かつて、ユーロ圏として統合した事を機に、スペインには雇用を求めて多くの労働者が世界から移民したということ。具体的には同じスペイン語圏となるアルゼンチンをはじめとする南米、そして隣国のモロッコなど、流入しましたが、今となっては、失業率が25%以上となり、住居については強制退去が1日40件以上発生するという状況、生活自身が危うくなっています。その中で、いままで移民としてきていた人たちが次々の自国に戻ったり、今度は逆にスペイン人がアルゼンチンへ、など労働を求めての人の移動は今後ますます活発になる、ということが明白です。彼らにとっての危機感はこの「移民」という構図ではっきりとしてきていると実感しました。前にも少しふれましたが、ギリシャについてはオーストラリアに歴史的に多く移民流入していたこともあるため、オーストラリアへ親族をあてにやはり移民希望者が殺到しているのが現状です。
グローバルにおける「人の移動」というのは番組の中で識者も答えていましたが、今後の成長国や景気のよい国を求めていくこともあるため、経済成長をみすえての移動は分析できるということ。個人的に感じたのは、同じような文化圏、そして何よりも「同じ言語」を使用する国への移動はかなりハードルが低いため、ヨーロッパからは今後この行動はますます増加すると感じました。
日本はそういう意味で、唯一の言語を使用する1国であり、経済がいろいろあっても結局まだ危機的状況にはなっていないこともあり、日本以外への選択はそれほどせまられてないにしても、これからは「高度人材」における競争が激しくなる、という意味で、ライバルが日本人だけではない、ということをもっと今の若者が深刻に考えなければ、次の世代はないと感じる次第です。
労働に関していえば、スペインで、アメリカ企業が急速に撤退しており、一気に1500人が解雇になった企業もあります。大使館前でもデモを起こしているスペイン人がとても印象的でした。ここはまさにアメリカ的ですが、対象的に日本の日産が来年は700名雇用予定を発表。背景として従業員に会社存続のために給料据え置きに同意か、という投票を経て、社員の意志を尊重した結果、ういたコストと新規ラインの導入により雇用が可能となった。という経緯でした。 各国の反応は、それぞれですが、ユーロ危機をとりまく問題はまだまだ長い道のりと感じました。
日本も今、ここまでの経済危機はないにしても、あきらかに製造業を中心とした業界、そして雇用環境は昔では考えられないほど「危機的」になってきていると思います。ソニーやシャープなど、Made in Japan のブランド力、強さからここまで変化するのかと驚くばかりですが、会社=永続的ではない、ということを日本人も考えなければいけない時代に本格的に突入したと感じています。
ことばでは「グローバルで生き抜く人間力」などいろいろキーワードはありますが、海外の人材は明らかにフットワークも軽く、そして行動力もあり、これらをふまえて、労働市場へ動いていく高度人材を現実的に考える時期と思います。
最後に番組では、ギリシャ国営事業が国家財政確保のために次々と売却されている、ということも大変象徴的であり、ある意味ここまでするのか、と思った次第です。 地中海における重要拠点ともなる港を中国に売却したり、国益、ということをどのように考えているのか、とその決断のポイントは疑問に思ったところも多く、資金調達だけが国の復興、とは厳しいのではないか、とさらに不安になりました。 まさにヨーロッパにもアジアパワーの存在感は今後ますます強くなる気がします。
今後の経済成長の波はやはりアジアか・・・と結論としては実感した次第です。
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