ビジネス奮闘記

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2012年8月8日水曜日

アウンサン・スーチーさんの映画

最近メディアにはミャンマーへの経済投資進出の記事が一気に増えた状況下、タイムリーにこの映画が公開されました。長い軍事政権下による支配から民主化運動へのリーダーとして実に全てを託し、この運動へささげてきたといっても過言ではありません。 その姿にある背景などとても関心があったため、さっそく見に行きました。
スーチーさんはイギリス人の夫との間に二人の男の子がいる4人家族。長い間イギリスに居住していたのですが、このミャンマーの事態に祖国への平和を願い、この運動を始めたのがきっかけです。そもそもお父様が将軍としてこの国を支えてきた、という背景がスーチーさんを奮い立たせたということ。 私自身ほとんどこの国の背景などの知識がないまま拝見したのもあり、一言で「非常にショッキング」な映画でした。 ただ、始まる際に「これは事実に基づいて製作された映画である」ということが全てを物語るのではないか、と思う次第です。 その現実の悲惨さはつらいものでした。
メディアには彼女の家族についてはほとんど登場してこなかったこともあり、彼女の運動の支えとなっている中枢、特に旦那様の惜しみない努力、そしてノーベル平和賞に至った経緯、息子たちの献身ぶりなど、祖国のために戦う妻や母を支援するその家族の姿は非常に強烈な印象として残りました。
また、1つ驚いた場面としては、長期にわたり夫が国際的な立場からミャンマー軍事政権を批判、そして民主化にむけての運動として主に欧米諸国によるサポートがあったが、この欧米のみでは困難、と判断し、アジア諸国からの打診も必要・・・ということで、映画の場面で登場したのはなんと日本政府でした。 これはとても意外で、こんな背景があったのか、と思った次第です。この打診がきっかけとなり、ミャンマー軍事政府は弾圧していた民主化運動リーダーたちの解放をはじめた、という筋書きでした。 この経緯があったのであれば、ミャンマー民主化運動の人たちにとって日本の存在は非常に大きなものということが理解できます。

この映画の公開直前に、スーチーさんが軟禁解放後初めて国外訪問を許されタイに訪問したこと。そして現大統領との信頼関係から今後加速化するとみられる経済促進など、日本企業はいまそのまさに投資進出に非常に積極的になっています。 まだその民主化は「確信的」となっているかはいまだ疑問ではありますが、これら外資企業がどんどん進出することにより、政権自体が、欺瞞的な振る舞いは時とともに不可能になるのではないかと推測します。

6月にかつてノーベル平和賞を受賞した際に、自身が出席できなかったこともあり、オスロでスーチーさんによるスピーチが実施されました。この映画にて背景を知った上でニュースをきくとその涙ぐましい月日を感じざるをえません。あらためて、「鉄鋼の蘭」(Steel Orchid) と言われるその強さを感じました。

「経済交流」という、得意分野である日本の力によって、この国の平和が一日も早く回復することを願う次第です。 非常に多くの事を考えさせられた映画でした。

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