11月3日から5日間連続ドラマ「Japanese American ~ 99年の愛~」が放映された。アメリカにおける日系移民の歴史ともいえる収容所での生活や、第二次世界大戦下における日系移民による442部隊のことが家族をとおしてドラマチックに語られた。 オーストラリアに長くかかわっているといえども、やはり移民の歴史についてはとても関心深い。特に、もともとアメリカにルーツがある私としてはアメリカでの日系移民にはずっと関心が高かった。
戦時中、まさに敵対国となった日本からの移民としてアメリカ社会で生きていくには本当に大変なことであったと思う。収容所もリアルに復元されて、そのときの生活がクリアに想像できた。
でも、興味深かったのは、収容所生活とはいえ、ある意味、全員同じ国からの出身ということと、アメリカ側もその中での生活において、過酷な労働などを強いたり強制的なことをすることはなく、日系人たちが自活していく生活をつくりあげたことは、とても幸せだったと思った。 ドイツのユダヤ人に対する収容所とはまるで違うのである。
そして、もう1つ、この収容所の外では人種差別が激しい社会となっており、ある意味安全な状況であったこともうかがえた。社会でひとり立ちしたところで、何もできない状況だったのである。
テキサス部隊を救出するために派遣された日系人たちのみの442部隊は、その勤勉ぶりと、大和魂より、見事な功績をあげ、一気にアメリカの英雄となる。 日本人は芯があり、偉大と感じてしまった。
戦後、正式に、日系人たちは市民権も与えられ、アメリカ人としての人権を獲得していく。 今はたくさんいる日系人ではあるが、とてもこのドラマは刺激的となり、オーストラリアのこともふと考えるきっかけになった。 日本人として誇りに思う。