ビジネス奮闘記

皆さまにとってAOM Visa Consultingが身近なサービスになるようにこのブログでは少しやわらかめのトピックスもふまえて発信していきたいと思います。 オーストラリアやニュージーランド関連のほか、ふだんの活動や関心ごと含めてレポートします。 ご意見・ご感想などございましたらお気軽にメールにてお送りください。 AOM Visa Consulting Official Web site は こちらへ

2010年11月30日火曜日

医療資格持つ外国人、就労年数の制限撤廃 法務省

30日の日経新聞の記事にまた日本の在留資格について大きく取り上げられていました。医療資格に関してでありましたが、実は今まで、この日本の国家試験をパスした外国人は免許取得後に勤務できる期間が規定されていたようで、これが撤廃になった・・・という記事でした。資格をもっていても、勤務期間が制限されていたときいて驚きましたが、やはり高度技術者であり、日本の雇用市場を奪う懸念からでしょうか・・・。でも、今は在日外国人の増加にともない、語学を含め、外国人医師の需要はますます高まると感じています。 この「医療」資格に限らず、もっと日本は外国人が住みやすい国に率先して形作っていかなければ、ますます、世界から孤立してしまうのではないかと日々懸念している状況です。 現在、医師を含む「医療」資格の外国人登録者は00年は95人で、02年には114人、09年は220人と微増傾向・・・ということのようですが、あまりにも低い数字にまた驚きました。改革が必要でしょう

2010年11月22日月曜日

日本の在留資格 ピークの半分以下に

22日の日経記事に大きく「日本の在留資格者 ピークの半分以下に」と掲載がありました。これは、外国からの労働者含め、日本に在住する外国人比率を表すものですが、特に高度人材の日本離れが加速しているようです。この背景には様々な要因があると思いますが、リーマン・ショック後の雇用環境の悪化、確かに多くの外国人が帰国したのも事実です。そして、根本的な背景としては、永住権を取得するまでの道のりが長い法律や、まだまだ外国人にとって住みにくい環境であることも要因にあげられると推察しています。東京の中心にはすでに六本木を代表して、ここは日本か?と思うほど、外国人比率が高い雇用環境も増えていますが、全般的にいえば、まだまだ開かれた国になるまでの道のりは長く感じます。

新聞にはあわせて興味深いデータが掲載されており、高度人材からみた労働市場の魅力度ランキング・・・なんと1位はスイス、続いて、シンガポール、米国、香港、ルクセンブルグ・・・オーストラリアは7位、そして日本はなんと42位!?大変遠い・・・と思いました。
スイスが1位というのも興味深いデータです。 シンガポールは、国家政策ともいえるほど、移民政策には真剣であり、投資活動の誘致や、各国の大学機関(シンガポール校を設立することで学位取得可能)、企業誘致など、非常に活発です。国が小さいがゆえに、危機感も深刻化していること、そして、政策に反映して、実践しているがゆえの結果かと思います。

日本は、鎖国をひらいてからもうすでに時はたつものの、この情勢、もっと危機感をもって、とらえていかなければ、グローバル競争には勝てない状況も近いと危惧するニュースでした。 
移民政策とは、日本にとって全く新しい分野でもあるとは思いますが、労働市場や人口政策と密接に関係するものであり、検討の時期に達していると懸念します。

2010年11月18日木曜日

ニューキャッスル大学スタッフとディナー

ビジネスパートナーとして親しくさせていただいているエージェントの方からお誘いを受けて、来日中のニューキャッスル大学スタッフとディナーにでかけました。 長年、ビザの世界は深くても、この最近になって、ようやくこの留学関係(教育)にも関わるようになり、いろいろ勉強になることが多いのも事実です。

オーストラリアにとっては外国人留学生を増やすことはとても大きな経済効果もあり、かつてはそのプロモーションも華やかなものでした・・・が、最近は、ご存じのように、勢いあるのはインド・中国が圧倒的であり、日本は年々、縮小傾向になってしまっています。それでも、交換留学や単位取得のようなプログラムを大学などに作ることによって、オーストラリアへの留学の魅力も内容によっては向上するものです・・・・ご一緒した方は、中国・韓国、そして日本とまわってきたようで、各国での留学事情などを話してくれました。

その中で、とても興味深かったのが、韓国・中国でしているケース。大学受験などで、合格できなかった学生たちのために、セカンドチャンスというか、ある一定の点数を取得した学生に別枠で入学を許可し、たとえば1年自国(韓国)、その後2年オーストラリアで就学するプログラムを継続することで、最終的には、長く就学したオーストラリアからDegreeeが取得できる、というプログラムを実施しているということだった。 一緒の仲間と「へ~~・・・・」とこの合理的なプログラムに感心。

学校も、やはり経営を考えてなくてはならないもの。こうして、プールした学生たちにも、別のオプションを与えることで、その価値を見出し、特に英語教育に重視している国の人にとっては、魅力的なプログラムだそう。 ・・・留学もやっぱりビジネスだなと実感した次第です。

日本も今、留学熱が冷めているというか、保守的になっているとよくいわれ、この原因は就職活動ともいわれます。そのため、大学側も学生を外に目をむけられるようなプログラム作りが必須な状況なようです。本当はもっと自主的に海外へ出ていってほしいとも願います。

日本もほかのアジア諸国のパワーにおされ気味なため、オーストラリアからも関心をもってもらえるようなプログラムを作っていくことが必要と痛感しました。

2010年11月14日日曜日

APECが無事に終了

横浜で開催されていたAPECが14日に無事に終了したようです。アジア諸国そして米・豪など参加国のどこの大使館もこの大イベントに向けて大変な忙殺状況であったようですが、滞りなく終了し、きっと皆さんほっとしていらっしゃるのではないかと思います。

今回オーストラリアのジュリア・ギラード首相は初来日となり、また、この会議においても紅1点というところもあり、なかなかのインパクトを感じました。オーストラリア現地の新聞においても外交デビューともいえるこの大きなイベントに対しての評価は上々のようでした。

今後のギラード首相の活躍がますます楽しみです。

2010年11月13日土曜日

海外ロングステイ・移住フェア2010にいってきました

今年で5回目となるそうですが、海外ロングステイ・移住フェアにいってきました。「ロングステイ財団」さんが主催で、主に老後を海外で過ごしたい方、また、海外に長期間滞在したい方、少し旅行とは違う目的でいかれる方向けの大きなイベントでした。

朝早くから様々な企業がセミナーを実施していましたが、そのお客様の多さにびっくり!こんなにまでロングステイに関心があるのかと驚きました。ただ、最近の大きな傾向は西洋の国よりも安近のアジア、特にマレーシアやフィリピンでのロングステイは大人気。確かに物価の安さは魅力です。

常にごった返していたマレーシア観光局・・・・

オーストラリアは長年ロングステイしたい国1位を維持してきたものの、2001年に退職者ビザの大きな改正後、ほとんど申請が困難な状況となり、自然と安く、そして、ビザも比較的壁が低いマレーシアへと流れてしまう傾向となってしまいました。 それでも、ブースはやはりオーストラリアは人気あり。

日本人の「ロングステイ」の感覚ですが、ロングステイ財団のアンケートによれば、なんと3か月以内!?・・・とっても短いのです。そのため、一時退職者ビザで人気であったオーストラリアとはいえ、せめて6カ月の長期観光ビザという形であれば、もっとロングステイにも皆さんオーストラリアはご関心をもってくださるのでは、と実感しました。3か月以上の観光ビザは申請が必要ですが、それほど難しいものではありません。特に日本の冬の時期に半年過ごすというのはとても魅力であり、観光ビザでもそのような形で渡航が可能であるということをもっと多くの方に知って頂きたいと痛感しました。 ロングステイ=1年や数年規模、という感覚ではなく、もし半年くらいであれば、十分観光ビザで問題ないものです・・・。そのような点から、もう少しオーストラリアもプロモーションできるのでは・・・と思う次第です。 よろしければ、観光ビザご案内ページをご覧になってみてください。

皆さまの関心の高さを肌で感じるとてもよい機会でした。

2010年11月12日金曜日

MITメディアラボ副所長 石井裕氏 講演会

現在、ビジネスとは別に関わっていることは「アントレプレナーシップ活性化」です。自身もベンチャーの域ですが、昨年から関わっているNPO団体 日本MITエンタープライズ・フォーラムにおいて、MITメディアラボ副所長 石井裕氏 講演会を開催しました。 石井先生は「Tangible Bit」の研究において世界的な先駆者であり、MITでも最も人気のある先生のうちの1人です。 今回は、Global Entreprenuership Weekというアントレプレナー活性化のためのイベントのキックオフとして開催し、たくさんの方にお越しいただきました。 石井先生の講演は初めて拝聴しましたが、噂通り・・・といいますか、とにかくPassion! Energy! Spirit! という熱い方でした。 講演は1時間以上にも及び、そのスライド数の膨大な事・・・。先生の著名な研究ケースをいくつかご紹介するなか、最後は、MITで生き抜いていくことのタフさ、何のために生きるか・・・などお話しくださいました。

とても印象的だったのは、「どのように自分は社会に貢献したいか」という問いに対する彼の哲学。
自分が死んだあとに何を残したいか、Hunger (飢餓)精神をもつ、生きるということへのメッセージがとても重く感じました。 またMITについては 「はじめ、頂きをめざしてのぼろう」という気持ちであったが、山などはじめからない。 山は自分で0から作り上げ、5年以内に初登頂しなければならない、それがMITである。」ということだった。 人と同じことをしても何もおきない。自分で作り上げていくこと、そして、その功績をどのように残すか・・・最後にはMemento Mori (死後の世界) というキーワードを何度も発していました。

想像以上に迫力のある講義であり、また、人生観や今後の自分の目標などを考えさせられる大きなきっかけにもなりました。 人間、やはりPasisionをもって生きることがとても重要。これは最もなことと感じます。 非常に衝撃的な講演でした。 なお、講演内容は今回USTREAMで全公開しています。よろしければ 日本MITエンタープライズ・フォーラムサイトよりご覧ください。
 
Photo Credit Tomotaka Nagakubo

2010年11月10日水曜日

ひさしぶりの丸の内

最近はオフィスの場所がかわったのもあり、丸の内にくることもだいぶ少なくなりました。久しぶりに朝丸の内にくる。お天気は最高で、道行くビジネスマンはオフィスへの足取りもあわただしい。しばらくこの世界にいたことも思い出しながら、てくてくと歩く。ここへくるとやはり東京は大都会であり、また、世界の都市と比較してもビジネス街は非常に便利かつ素敵なところと感じる。ニューヨークやロンドン、シドニー、大都市は多々あるが、洗練されたお店が並び、カルチャーイベントも多く、そして、このコンパクトな場所に集結していることがとても便利。ふと近くには皇居もあり、海外から帰ってくると最近は東京のよさを実感する。今は紅葉が素敵で最高な季節。自然も楽しみつつ、またオフィスへと戻る。

2010年11月5日金曜日

日系移民について ~99年の愛~

11月3日から5日間連続ドラマ「Japanese American ~ 99年の愛~」が放映された。アメリカにおける日系移民の歴史ともいえる収容所での生活や、第二次世界大戦下における日系移民による442部隊のことが家族をとおしてドラマチックに語られた。 オーストラリアに長くかかわっているといえども、やはり移民の歴史についてはとても関心深い。特に、もともとアメリカにルーツがある私としてはアメリカでの日系移民にはずっと関心が高かった。 

戦時中、まさに敵対国となった日本からの移民としてアメリカ社会で生きていくには本当に大変なことであったと思う。収容所もリアルに復元されて、そのときの生活がクリアに想像できた。
でも、興味深かったのは、収容所生活とはいえ、ある意味、全員同じ国からの出身ということと、アメリカ側もその中での生活において、過酷な労働などを強いたり強制的なことをすることはなく、日系人たちが自活していく生活をつくりあげたことは、とても幸せだったと思った。 ドイツのユダヤ人に対する収容所とはまるで違うのである。

そして、もう1つ、この収容所の外では人種差別が激しい社会となっており、ある意味安全な状況であったこともうかがえた。社会でひとり立ちしたところで、何もできない状況だったのである。

テキサス部隊を救出するために派遣された日系人たちのみの442部隊は、その勤勉ぶりと、大和魂より、見事な功績をあげ、一気にアメリカの英雄となる。 日本人は芯があり、偉大と感じてしまった。 
戦後、正式に、日系人たちは市民権も与えられ、アメリカ人としての人権を獲得していく。 今はたくさんいる日系人ではあるが、とてもこのドラマは刺激的となり、オーストラリアのこともふと考えるきっかけになった。 日本人として誇りに思う。