ビジネス奮闘記

皆さまにとってAOM Visa Consultingが身近なサービスになるようにこのブログでは少しやわらかめのトピックスもふまえて発信していきたいと思います。 オーストラリアやニュージーランド関連のほか、ふだんの活動や関心ごと含めてレポートします。 ご意見・ご感想などございましたらお気軽にメールにてお送りください。 AOM Visa Consulting Official Web site は こちらへ

2012年5月31日木曜日

Kirin の挑戦 ~ANZCCJ レクチャーにて

最近、日本企業によるオセアニア進出は目覚ましいですが、その中でも特徴的なのは、Food & Beverage -食品・飲料業界による進出です。2008年頃よりサントリーをはじめ、アサヒ、キリンとその戦略は積極的です。今夜は、ANZCCJにてキリンホールディングスの戦略担当である、Gerard Adams氏による、オーストラリア&ニュージーランドにおける現状についてのプレゼンテーションが行われました。メディアにてその進出は報道されていますが、実際のビジネスについて直接うかがえるとても興味深い機会でした。

オーストラリアではLionという会社を買収しましたが、この企業は、オーストラリアのビールXXXXをはじめとして、乳製品など多くのブランドを抱える巨大企業になっています。買収後の利益は好調であり、Lion 30%, Kirin 35%のシェアを誇っています。この2社のロゴも似ているのもなかなかの偶然ではありますが、特にLion傘下にある乳製品関連のブランドはこれらの収益を牽引しているようです。

オセアニア両国から日本への農業製品輸出については、オーストリアはうち12%を、ニュージーランドの66%を占めています。 オーストラリアからは主にビーフ、木材チップ、チーズなどの乳製品、 ニュージーランドからは乳製品、フルーツ、ビーフなどになります。


紹介していたケースモデルとして発表していたのは、ワインの分野です。キリンの傘下であるメルシャンとオーストラリアSt.Hallett Tatiara ワイナリーとの連携により新しく開発された「Tatiara」というブランドのワインです。こちらは、メルシャンより、日本人側の嗜好などそのマーケティング分野についての知識をそして、St.Hallett Tatiara側では、この需要に合わせた製品開発、ということで、昨年の3月に初めて日本市場で発売となったそうです。 以後、売上は好調であり、現在日本で発売されているリーズナブルなオーストラリアワイン種類のうち Jacobs Creek, Yellow Tail に追加されたブランドとして、急速にその売上げは伸びているということでした。

短期間にも関わらず、この売上げについては驚きました。 まさにこのM&Aによる成功例なのかと思った次第です。

今後ますます、これらをふまえて最近M&Aしたブラジルも含め、さらなる進出を進めていくようです。

参加していたみなさんは、ほとんどがこれら食品や飲料関係業界の方でしたが、とても興味深くこのレクチャーをきいていました。
今後、これらのケースをモデルに、多くの日本食品業界の企業も進出を検討できるのか、と思った次第です。オセアニアはアジアに比較してどうしても人口が少ない、ということが企業進出を検討するにあたり、悩むところでもあります。ただ、キリンのように、現地に根付いている企業買収をすることにより、循環よいローカルネットワークを構築し、そして日本企業の強みをPRしていくことができれば・・・と思います。今後の発展が楽しみです。

2012年5月28日月曜日

アメリカ移民政策の2極化

日経新聞に最近のアメリカ移民政策についての記事が掲載されており、興味深く拝見しました。せまりゆく大統領選挙がその背景としてもあげられますが、不法移民が大変多いこの国において、彼らの対処をどのようにすべきか、政策は2極化しているようです。 不法移民=要は一定の期間認可されていた期限以上に滞在、または強行突破で、国境を飛び越えてくる人(=ビザなし)、そしてそのままなんらかの仕事などをみつけてそのまま滞在し、いつの日か、その生活・家族もアメリカにおいて長期化する人たちである。 これらは意図的であり、実際問題、アメリカの雇用状況の中で、アメリカ人たちがつきたくないような仕事に彼らが貢献している構図などがあることも現実であり、経済の支えにもなっていることも見受けられます。

しかし、不法移民たちを長期滞在化+自国よりもはるかにその生活基盤ができてしまった、ということのみで認め続けるのも、合法に入国し、必死に永住権を取得した人たちにしてみれば、不公平な状況でもあります。 基本、オバマ大統領はこれらの不法移民たちの規制を強化する方向のようですが、先般の同性婚に関する支持のように、世論をどのくらい味方につけるか、という事とのジレンマのように感じます

今回の記事で、知ったことは、アメリカにも州別に個々の経済状況や地理的状況をふまえて、移民誘致をすすめるところも存在してきた、ということです。比較的、メディアでは「アメリカの移民政策=不法移民対策について」ということが多いですが、意外と、州によっては、具体的な政策をもってその州に有益となる人たちの確保にも動いているということでした。

州によっての政策=この点に関してはオーストラリアは非常に進んでいると思います。現実として比較してもオーストラリアは州が少ないため、これらの統括がわりとしやすい、かつ、ビジネスモデルとして、州政府と移民局、そして労働市場を把握するために、これらの情報共有が連携されているため、どの州でどんな業種があり、どんな職業が不足しているか、ということがすべて統計化されています。 シドニーなど、都市部については、誰もが住みたい大都会ではありますが、いわゆる地方になると、やはりその労働力確保にも困っている現状があります。 これらは、詳細にどんな職業?ということを分析することで 移民プログラムの中に、その職業リストを明示することで、どの州で自分のような職業が需要あるか、ということも把握できるシステムになっています。 
この分析は、端的にいえば、「職業不足のところを移民でカバーする」ことで、労働市場のバランスがとれ、全般として失業率低下につながるのです。 

今回のアメリカの動きをみると、今後、州ごとの政策が移民政策に大きく関与してくるのではないか、という前兆を今回の記事で感じました。 実際のところ、今はだいぶ認知のあがったESTAももともとのモデルは1996年に世界で初めて稼働したオーストラリアのETA システムがモデルです。
そういう意味で、明らかにアメリカ政府はオーストラリア政府の移民政策も分析していると感じています。 実質ETAが成功したことにより、世界中でオンラインによるビザ申請が開発されたことにもオーストラリア政府の貢献度は非常に高いと感じています。

アメリカは投資ビザプログラムであるEB-5がかなり成功しています。これもそもそも特定のファンドに投資するものであるがゆえ、経済効果や雇用をうめるしくみが明確なため、今後これらを応用して州ごとの政策に反映するのではないか、とこれからの動きをじっくり見ていきたいと思います。

2012年5月22日火曜日

OECD  幸福度 オーストラリアは1位!

OECDにおいて昨年からBetter Life Index (BLI) - 幸福度という指標が発表なっているようで、今年も発表になりました。 今年は加盟34カ国に非加盟のロシアとブラジルも加えて指標を算出したそうで、トップは昨年に続きなんと!オーストラリアで、ノルウェー、米国が続いたようです。この指標は 以下の点において各指標がだされ、これらを総計して、ポイントを計算しています

1. Housing       住宅
2. Income         収入
3. Job               雇用
4. Community      コミュニティ
5. Education             教育
6. Environment     環境 
7.Civic Engagement  市政
8.Health         健康 
9.Life Satisfaction   生活満足度
10.Safety        安全
11.Work-Life Balance ワークライフバランス

ちなみに日本は21位ということでした。 オーストラリアは近年の資源景気にも沸き、経済が他国に比較しても、特に北半球とはまた異なるサイクルをもつのか安定していること、そして、何よりも生活をする環境としては、伝統的にゆったり感があり、これらについては、気候のせいもあるかもしれませんが、国民性、という点でも大きいかもしれません。

今、北半球をみれば、欧州の経済危機もふまえ、失業率の高さ、そして、経済不安は慢性的になっているのが現状です。 その中で、オーストラリアの平均賃金は26927USD - これはOECD諸国の平均賃金 22387USDよりも高い金額となっています。
また、雇用についても15歳~64歳のうち72%以上が有給の雇用に就いているということです。
そして、特にレートが高い指標として、コミュニティへの参加や環境の中での協力や他の人を信用する意識が非常に高く97%ということです。また、政府・政治に対する信頼感はかなり厚く、近年の選挙からの数値でいえば、95%が信頼している、という指標がでています。 これらは特に日本を比較して、非常に異なる点、そして政府側の透明性という点も大きいのではないか、と感じました。

何よりも、オーストラリア人は、自分たちの生活や環境、ライフスタイルに対する満足度が非常に高い国です。 これらの事をふまえ、トータル、「幸福度 NO.1!!」の国になるのか、と非常に感心しました。 ますます、今後もこの成長は伸びていくものと予想しています。

果たして、日本は・・・・と思うのですが、日本は安全度は非常に高い国ではあるものの、政治を含め、まだまだ混沌としている部分はとても多いと感じます。 

数値として他国と比較すると、自国においての生活が果たしてよいものなのか・・・ともふと考えてしまいました。 英文原文は各国詳細にわたるレポートが掲載されており、とても興味深い内容でした。 またOECD 日本語サイトにも概要が掲載されています。

~~ますます、今後オーストラリアの発展に期待したいものです。

2012年5月21日月曜日

イミグレーションロー実務研究会  アメリカ編

本日はアメリカビザ第2回目ということで、船曳先生のレクチャーで主に駐在員等が該当するEビザを中心に講義が進められました。

アメリカ移民法は日本がそもそも真似していると思うのですが、国務省(外務省)とアメリカ国外の管轄に分かれています。従いまして、ほとんどのビザはまずはアメリカ本土において申請・審査され、その後に国外へという流れなのですが、このEビザは国外における審査、という点において異なるプロセスが存在します。 そもそも、貿易協定に基づくものであるということ、そして、たぶん想像するに、海外で審査するメリットは、その自国におけるビジネス慣習やカルチャーを最も理解しているがゆえ、これらの国外管轄において審査されると認識しています。(日本の会社をアメリカ側で審査しても、そのビジネスセンスや、業種などピンとこないケースも多い)
また、このビザの特徴として「株が50%以上その国籍であること」 が原則のため、日系企業によっても、これに該当しないメーカー大手などはこのビザクラスを取得することができない、という点は興味深かったです。

ステップとしては、これらはまず会社の審査という点が重要であり、この規模やアメリカにおけるビジネスがどの程度具体性があり、そして、その雇用創出などが生めるような規模であるか、など経済的利益がどの程度になるか、という点が大きなポイントと思います。 そもそもこのビザはオーストラリアでいえば 就労ビザ(457)に非常にその審査プロセスが似ており、 審査する観点もとても似ています。オーストラリアの場合は、3段階で 1.スポンサーシップ(会社の審査) 2.ノミネーション(ポジションの審査) 3.ビザ(ポジションに就く人の審査) となり、この1のところがいわゆる会社審査となります。 

これらのビザクラスは、まさに、ビジネスといっても多様な形態があるため、ある程度の経験を積むことにより、その感覚といいますか、規模やアメリカにおいて、受け入れられるようなビジネス化、というようなものが理解できるようになると思います。 そのため、ケースをこなすことがとても重要であり、アメリカにおける需要にマッチすることで、これらのビザも発給できるのかと思いました。

1つ興味深かったのは、ひとり質問された方が、配偶者としてこのビザの家族として渡航したい、しかし、この主申請者は実はほとんど滞在しなくてもビジネスをまわしていて、アメリカ滞在歴が大変短い、というケースで、果たしてこのような場合にビザはおりるものか、という内容でした。

先生の回答としては、「家族として同行またはすでに滞在している家族にjoinする」目的のため、ほぼ滞在歴のない家族にどのようにして、これらのポイントを説得するかが難しい、ということでした。

つまり、アメリカの場合は、ビザ発給後の滞在歴も十分審査のポイントになるということです。Eビザは永住ビザではないものの、これらの滞在歴も考慮しなければ家族としての渡航は難しい、という感じでした。 この点、オーストラリアについては、一時居住の場合は、渡航歴についてはそれほど観点としてみていない、というのが状況です。 確かに、アメリカについては、どうしてもグリーンカード目的や、そのほかいろいろな事情で、ビザを取る、とりたがる人は多いのですが、実際の滞在歴となると、かなりまちまちな状況です。 これらを精査するためにも、チェック機能があるのか、と思いました。 

どうしても、アメリカ=永住したい、という意識が強いのが現状のため、法律はこれらの観点から審査している点が大きなポイントです。 とにかく、目的を果たしたら帰国する、ということの説得性が重要です。

参加されている皆さんもこのEビザをある程度習得した後に457を勉強すると、とてもわかりやすいかと思います。 457については11月位を予定していますので、これらをふまえて、勉強して頂ければと思いました。 


2012年5月19日土曜日

オレンジと太陽 ~児童移民について~

4月から公開になっている映画「オレンジと太陽」をようやく時間がとれて見に行きました。 これは事実に基づいて映画化された話ですが、かつて英国政府により大量の児童が政府レベルでオーストラリアをはじめとする植民地へ強制移民させていた事実を相談者の話からソーシャルワーカーが見つけ、その後、オーストラリアにいる多くの残された人たちの家族探しへの支援などを地道に継続することにより、長い年月を経て、ついに社会的にも明るみになった・・・という歴史を丁寧に語っていました。

オーストラリアの移民政策は様々な暗い歴史ももちあわせていることは一般的にもよく知られている事ですが、私自身もこの児童強制移民という事実は、この映画が話題になるまで全く知らず、非常に驚きました。あらためて映画を見て、さらに驚いたのは、孤児院や恵まれない子供、そして親がその意志をもって施設に預けた子供ばかりではなく、親は何かの理由で、組織団体や教会関係に関わり、その後、ある時から、子供は既に施設に預けられた、そして幸せにくらしている、などと言われ、実際、子供のゆくえも知らない状況があり、子供は子供で、様々なルートを経て、親が孤児院に預けた、オーストラリアはよいところだ、などと言われて、大量の児童が輸送されていた、ということです。 つまり、親は親として、そして、子は子として、互いに、なぜそのようなことになったのかわからないまま、オーストラリアへ移民、という形で運ばれていってしまったことが多く発生していた事実があり、その数は1920年~1970年代までになんと13万人にも上ったということです。 運ばれていっただけではなく、現地においての強制労働や暴行なども多く受けていたという悲惨な状況です。 結局、調査していく上で、これらは組織的に、しかも教会団体や児童支援団体が主軸となり、そして政府レベルで、英国政府&オーストラリア政府という合意のもとで実施されていたことがわかり、2009年にようやく正式にオーストラリア政府が、2010年にイギリス政府が謝罪した、ということで、明るみになるまでに非常に長い時がかかったということです。 

なぜこのような政策がとられたのか、あらためてオーストラリア移民政策の歴史を少し考えてみました。
一般的によく知られているようにオーストラリアはそもそもイギリスの植民地となり、その後、流刑者たちを移民させたところから歴史は始まります。ヨーロッパからすれば、非常に遠い、アジア圏内にあるこの国は未知数ではあるものの、まわりのアジア環境を考慮するがゆえ、植民地としてヨーロッパ文化を浸透させるべく、1900年代から本格的に「白豪主義」としての様々な政策がとられるようになりました。 

1880~1930年代ピーク ~1970年代
Stolen Generation  - 先住民アボリジニとの混血児の同化政策 

基本、先住民アボリジニを下に見て、自分たちの白人文化によって国を統制するために、アボリジニとの混血児を強制的に家族から離し、白人的教育を強制的にうけさせる政策をとりました。この事実は、別の映画「裸足の1500マイル Rabit-Proof Fence」 でよく描かれています。この映画もまたショッキングな内容で、こんなことまでオーストラリア政府はかつて実施していたのかとその時も驚いたものです。 

1938~1970年代
Forgotten Australia - 児童強制移民

別政策として、今回の映画になった児童強制移民政策です。これは、英国政府が主導で実施され、教会や慈善団体などを中心として(fairbridge society etc) 児童を組織的にオーストラリアへ移民させていたものです。時は上記の政策とほぼ重なっています。つまり、どちらも「白豪主義」を推進するべく、将来を担う児童たちを増加させ、オーストラリアにおける白人化を進めたかったのか、と想像します。特に、オーストラリアはヨーロッパと異なり、島国であるという点、そして何よりもアジア圏にあり、ヨーロッパからみれば、白人化するには、外からの流入することで増やす、ということしか考えにくかったのか、と想像します。この児童移民は3歳~14歳が対象で、特に7~10歳が主な年齢層だったようです。 それにしても、映画の中でのインタビューなどを聞くと本当に残酷な歴史が存在していたのか、とただショックです。

白豪主義は多くの批判を受けて1973年を機に政府によりに終結します。この後は、急速にシフトし、世界大戦後のアジア難民大量受け入れ、と今までの名誉挽回というべきほど、多文化主義へ政策変化していくのです。

今回の主人公になったマーガレットハンフリーズ女史によって設立された児童移民トラストのサイトを見てみましたが、その歴史は詳細にわたり、記載されており、あらためてその壮絶な歴史は重いものでした。今現在もこの活動を継続しており、今回の映画化により、社会的にもさらに認知されることになったと思いますが、これらの事実があったということを忘れず、今後も少しでも家族が再会できるような機会が増えることを祈ります。

オーストラリア政府のサイトには、少しだけ、これらの歴史について記載している文章がありました。記録や保存文書に関しての情報提供については協力的なように見受けられます。

~かなり長期間にわたり、この児童移民の事実は封印されてきましたが、特にアボリジニの同化政策以上に、世間には知られていなかったことはやはり、同じ、白人である英国政府との連携であったという点がスキャンダル的でもあり、もちろんしられたくなかった事実であると痛感します。

紆余曲折しているオーストラリア移民政策は、ある意味世界でもかなり特殊な国でありますが、多くの政策的失敗も認めつつ、現代においては、慎重に、かつ緻密に実践している状況です。 この実務を行うものとして、これらの歴史を心に刻み、日々謙虚でありたいと思います。

2012年5月17日木曜日

世界の大学 中国&インドへ

グローバル人材獲得激化の傾向として、世界の有力大学が自ら中国やインドへ進出しているということが報道されました。 まさに、留学してもらう学生を待つのではなく、大学そのものが国へ進出することで、その人材確保に動き出した、という状況で、この現象はそのスピードの早さや競争をしみじみ実感しています。 両国ともに大国であり、かつ人口が膨大であること、学生確保に動くのは明らかです。 オーストラリアからもモナシュ大学が進出予定になっています。

少し驚いたのが、インドへのpriority も非常に高く、ハーバード大がインドにビジネススクールを開設したということ。プラス、IIT(工科大)に1点差で不合格になった学生がアメリカのMITに行く時代・・・ときいて、インド人の優秀さに舌をまきます。

これらを見据えて、日本からも大学が順をおって中国に進出して、最多49拠点ということですが、これらの他国の大学に日本の大学もどのように差別化をして学生確保ができるか、本当に激動の時代ということを感じます。

2012年5月15日火曜日

心臓外科医について ~ 天野氏

昨日NHK プロフェッショナルにて 先日天皇の手術に執刀された天野氏がフォーカスされ、非常に興味深く拝見しました。 通常皇室関係は東大病院が管轄されていますが、主治医を順天堂からチームとして招いた事もその技術力の高さを想像できます。 一般的に、まだまだ日本における心臓外科手術は海外に比較して症例が少なく、その技術向上する上でも、若い医師たちは「数をこなす」ということ自体が難しい環境であることも事実です。

そんな中、天野氏はどんなキャリアを積んできたのか、という点も興味がありました。テレビで放映されている限りでは、日本で、一途にその経験を積んできた、という印象です。実父の心臓手術を目の当たりにした経験をふまえ、ひたすらその技術向上に向き合ってきた、という印象でした。海外での経験を多くされてきたのか、と思っていたのですがこの点は意外な点でしたが、実際の手術のケースをしている中では想像を絶する困難なケースをいくつもこなし、かつほぼ休みなく立ち向かう姿にはただ圧巻でした。

~ オーストラリアは 現在「医師」は実際 不足職業として、政府としても高度人材確保に、ビザの方もある程度緩和しているように見受けられます。 ただ、医師は想像できるに、各国資格があり、これらの資格をその国の資格に医籍登録としてしなければ臨床も不可能です。多くの医師が研修ビザ(Occupational Trainee  442) で渡航していた事を思い出し、現状、日本人医師はどの位いるのかと、弟の同級生が同じくかつて442で渡航したことを思い出し、つい最近話を伺う機会がありました。 

彼も心臓外科医ということで、現地での様々な経験をお話してくださいました。 医師資格については意外にも、日本の医師免許の翻訳と英語の試験(IELTS 7.0以上)と面接などで442 への参加は可能だったようで、その後、書類審査や面接を経て現地の限定的な医師としての資格(Limited Lisence)  に登録がされたようです。 アメリカにおける試験の大変さを理解しているがゆえ、比較すれば、だいぶその臨床へのハードルは低いように感じました。 日本人医師は多く研究などの目的で海外留学のような形で大学病院からの派遣などでいらっしゃる方はいますが、これらのような臨床タイプは、もしかしたら、オーストラリアはわりと門戸が広いのかも、と感じた次第です。 そのため、「心臓外科医」のような 症例をこなす事で経験を積んでいく専門医については、オーストラリアはよい国なのかもしれません。 

そして、現地においても外来・手術・術後管理と日本同様に勤務し、責任ある仕事もこなしていたようです。 その後就労ビザ(457)を経て、数年同じ病院にて勤務していたということでした。

移民省のサイトにも「医師や看護士として渡航する場合」 として特別にこれらの職業に関するPathway を説明しています。 今は、特にこの就労ビザに関しては医師の方は別プロセスで行われ、極力効率化して、現地の病院への勤務を可能にしているようです。

なかなか、これらのような経験をしている日本人もまだまだ少なく、かつこれから日本人医師も技術向上のために、海外へ行きたい若い医師もいらっしゃると思いますので、あらためてこのトピックスはまとめてご紹介していく予定です。

それにしても天野氏はただただ、すごい「プロフェッショナル」と感じました・・・。

2012年5月14日月曜日

ついにユーラスエナジー オーストラリアへ

最近、注目していた会社に「ユーラスエナジー」があります。 これは豊田通商株式会社)グループの電力事業としてスタートした会社でしたが、その後東京電力も出資して、アメリカをスタートとして、風力発電や太陽光発電などクリーンエネルギー事業としていまや、世界中で展開している企業です。企業のプロジェクト実績をみれば、おわかりになるように、ほぼ全世界を網羅していて、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、そして日本と素晴らしい展開を継続しています。 最近ふと、オセアニアはその中で、唯一進出していない・・・・と気になっていて、いつかくるのではないか、と思っていた矢先に大きな報道として、このたび、南オーストラリア州の風力発電会社を買収したことにより、事業進出、ということを知り 「ついに!」という気持ちです。 オーストラリアは何よりも土地があり、そして、自然環境をみれば、特に太陽光など、他国に比較してもかなりの供給国となる点は大きなポイントです。もちろん、国家政策としても、このクリーンエネルギー事業はかなり高い優先順位の業界でもあり、国をあげて、これらの企業誘致や事業を推進しています。

今回は、風力発電ということでしたが、今後、国内において、太陽光も含めて、展開していくことも可能なのではないかと見ています。 あとはどの州で展開するか。この点も大きな注目です。

日本企業がこのような形で、先端技術を活用したビジネス、そして何よりも環境にやささしいビジネスを展開していることにも今後が楽しみです。 
他国における実績を背景に、オーストラリアにおける事業展開に期待したいものです。

2012年5月13日日曜日

サムスンの戦略的マネジメント

つづけてもう一冊・・・。最近特に気になる企業のため 一気に読んでしまいました。 今はスマホをはじめとする驚異的企業に成長して、その躍進ぶりはすざましいです。アップルをぐいぐいと追っています。韓国を代表するこの企業の戦略とは・・・ととても興味深いものです。

かつて、日本のメーカーはソニーをはじめとして、世界中にあふれており、そして何よりも「Made in Japan」というゆるぎない、製品の強さ、ブランドから多くの人から愛されましたが、いまは海外ホテルにいっても部屋にあるのはLGなどを代表とする韓国製品が大きなシェアを占めています。 いつからこのような構図になってしまったのか。その原点ともいえるこの企業の強さに関心を持ちました。

歴史を振り返ると全ては1997年のアジア危機から始まったようです。この危機を経験した韓国は国をあげての経済復興に誰もが努力し、そして団結した結果、今の韓国があるようです。 日本より半分以下しかいない人口、そして資源のない国において、海外展開を視野にいれなければ生き残れない、という危機感は日本の何倍にも増して長く感じていた結果、その究極を人材確保や人材育成に集中したようです。 ただ、興味深かった事は、創始者をはじめとして3代目まで皆、日本へ留学していること。日本のトヨタやパナソニックなど、多くの企業をロールモデルとして運営してきていること。日本に共通する点は多く吸収しているのです。 でも、戦略の中で、日本と決定的に早くから異なっていた事はローカル化、つまり現地の需要をキャッチする力、その国は何を欲してるのか、徹底的に、研究し、そのマーケットインという考え方です。 日本はあくまでも製品の質などを重視したプロダクトアウトの発想・・・という点において、その製品の自信に満ちたセールスの方式がグローバル環境においては明らかに誤算になってきているということのようです。

全般的に、日本企業がグローバル化できていない、という点はこの「現場を知る力」や「現場に任せてその需要をつかむ」というところが韓国ときっと対象的なのでしょう。

ですが、 昨日NHK で特集していたキティちゃん旋風~ サンリオのグローバル戦略は日本企業において元気に成功している例として非常に興味深いレポートでした。 まさに、現場にすべてその戦略をゆだねている点が、成功への道なのかと実感しました。 文化背景や好みも全く異なる国において、日本で人気があるからといえ、同じようには決して伸びることはなく、何よりもまず、現場のニーズを知ること、これが大原則である、ということを実践していました。 

日本はこのように隣国においてモーレツな企業が多くある中、もっと危機感をもってグローバル戦略を考えなければ、特に人材育成や人材確保において非常に遅れをとり、かつ優秀な人からみれば魅力の低い国にみえてしまう、と痛感しました。 サムスンの人材に投入するその情熱は極端かもしれませんが、それほどまでに、アジアには強力な企業があるということを、脅威と感じ、戦略をたてなければ、今後、よい人材はどんどん海外へでてしまう、と感じました。

サムスンのパワー感全てがよいとは思いませんが、これらの企業とは別戦略として今、日本がグローバルに関心持ってくれる点は 「ソフトパワー」かな・・・と思いました。 いわゆるジャパンクールの輸出です。 キティちゃんをはじめとして、生活の中で欠かせなくなったコンビニ文化、そしてユニクロなど・・・・。クールジャパンはもっと飛躍できる面があると感じます。 でもこれらも結局、いかに現場のニーズ、そして現場の人材をとりこめるか、にかかってると思います。 

会社は強大になったサムスンではありますが、、個々の人生が犠牲になっていないことを祈りつつ、日本は日本らしさで今後、クールジャパン戦略、人材確保含めて、相当真剣に検討するべきと感じました。


2022年 これから10年活躍できる人の条件

久しぶりにふらり本を購入しました。最近ビジネス書コーナーは就職関連も多いですが、グローバル人材を意識しての「生き方」本のようなものも多く、日本は今、大手企業人はそれほど安心していられない、という不安からもビジネスマンは混とんとしている様子がうかがえます。

この著者、神田昌典氏は私自身は存じ上げなかったのですが、どうも世間ではとても有名のようで、彼のキャリアに関心をもちました。もともと外務省出身で、その後海外留学を経てビジネスの世界へ。外交からいっきにビジネスマンへとシフトし、そのキャリアは華麗なるものです。 ふと、政府の仕事をしている=一般的には公務員になるため、基本、大半が保守的な感覚をもっている方が多いがゆえ、ここからの転身は個人的にも親近感をもちました。かれこれ、私を含め古巣のオーストラリア政府出身の起業家も実はちらほらいらっしゃる所は興味深い点です。

今回この本を書いたきっかけはどうも癌になったことが大きな要因のようです。この点はお正月に読んだスティーブジョブスと重なる点が多く、人は死を目前にすると、今までの長い人生から多くの事を凝縮して何か行動に移す、という印象です。今までの経験をもとに、今後10年間についてを分析、とりまく環境の予測やこれからの日本についてなど、非常に興味深い内容でした。元外交官というのもあるのかもしれませんが、ビジネスを考える上でも常に「国益」を考慮するという点は共感するものもあります。

日本は特に大企業文化、というものがゆるぎなく、かつこのビジネスモデルはあるいみ日本会社の典型的モデルともいえます。戦後たくさんの大手企業が台頭し、明治以降の財閥系を含め、企業を系列化することで、その連帯感、安心感を生み、そして終身雇用制という長期的モデルを堅実にしたことはまさに「カイシャ」 カルチャーといえます。 しかし、今おきていることは、グローバル化の波も荒波となり、ものつくりだけでは内需はもう無理な時代となり、海外を視野にいれなければほぼ無理の状況に変化してきていることです。 いま、自動車業界はなんとか頑張っているものの、かつての王道、ソニーやパナソニック、シャープなどなど、製造業は苦境にたたされています。

この本では、これらの時代の波をみつつ、今後活躍していく人たちの中心は40代と説いています人間、人生いまはだいたい日本は80歳位となってきたことを考えるとその半分の40代がもっとも脂にのっているということです。 個人的にも40代は人生最後の挑戦の時期と感じており、この過ごし方によって今後が変わると感じています。また、人生半分きたところで、あとの半分どのように生きていきたいか、を真剣に考えるよい時期とも感じます。
20代、30代という若い時期からこのチャレンジ(例えば起業)をすることもよいですが、多様な経験をひととおりし、なんとなく世の中や社会のしくみが理解できるのはきっと30代後半なのかと思います。

これらの経験をふまえ、その後の半分をどう生きるか。こういう問いかけに、神田氏はなっているのかと思います。 くりかえし 「ライフワークになるものを探す」ということが書かれていましたが、あくまでも金銭的な目先の事のみを考えるのではなく、社会の仕組みの中での存在意義、そして自分自身のやりがい=つまりライフワークになれるか、ここがポイントかと思います。

キャリアアドバイスとして若い人へ指摘していたことは、よい学校、よい就職先にいくのではなく、

1.海外留学
2.ボランティア経験を積む
3.優秀な人材が集まる場所の空気を吸う

・・・という。特に3については共感する。これは、直接関与しないにしても、何を考えているか、どんな行動をするか、などを観察するだけでも非常に勉強になるものです。

~あらためて外交官からここまでダイナミックなキャリアにシフトした経緯や経験はため息ものでしたが、時間を無駄にせず、かつ社会の為に必死に問いかけている雰囲気を感じました。

彼の見据えている日本はけっして悲観的なものではなく、非常に明るい未来です。 日本は独特のカルチャーを持ち合わせ、今後これらを海外ビジネスに活かす事で大いに飛躍できる点はあると同感です。あとは、現場の力を信じ、現地の人とのコミュニケーションを円滑にすることで、需要をつかみ、現地化していく、ということでしょうか。

とても刺激的な本でした。

2012年5月10日木曜日

カナダ大使館 ビザセクションが閉鎖!!

今日はオセアニアではないのですが、業界柄ホットニュースが飛び込んできましたので、少しご案内したいと思います。

ゴールデンウィーク中の少ない平日に突然 カナダ大使館から「4月をもちましてカナダ大使館のビザセクションは閉鎖となり、今後の申請・審査はフィリピンのマニラにて行われる事になりました」 というご案内メールを頂き、大変びっくりした次第です。すでに大使館ホームページにもその告知が掲載され、これは本当のことなのか、、、と目を疑いました。

お国は違いますが、この査証課の任務というものは私自身もある程度理解している立場がゆえ、申請者たちが今後、途方にくれてしまうことも想像しつつ、一方、外交的にも友好的なイメージは少し遠のいてしまいます。 まだ日本人は観光で渡航する際、ビザは不要ですが、ビザが必要な方たちの国籍の皆さんにとってはビザ手続きがいかに大変なことか、そして労力のかかる事かという点を痛感する次第です。

申請の面倒さを考える場合、他の国へのオプションも考えてしまうのではないか、というのもあり、これから留学やワーキングホリデーを考えている人、そして、彼らをお世話するエージェントの皆さんはただ、呆然、という状況です。 そんなさなか、今日大使館で今後の手続きについての説明をかねてビザセミナーが行われました。

short notice だったにも関わらず大変多くの方が関心高く参加し、いや、半分はただただ、怒りさえ感じている方も少なくなかったようです。 毎年大変多くの学生を留学生として派遣しているエージェントさんや大学関係者など、困惑はとまらない状況で、担当官が1つずつ説明はしつつも、まだ情報不足の点も多く、不安感漂うセミナーでした。  しかし、これが政府の方針のため、従うしかありません。 

今、各大使館の状況として、電子化が年々進むにつれ、現場に人が多く必要ではなくなり、しまいにはアウトソースする国もでてきています。事実、すでにイギリスやシンガポールなどはビザ業務をアウトソースしており、業務も軌道にのっているようです。 これらをふまえ、今回のカナダも例外ではなく、オンライン化→ そして効率化という状況でしょうか。 今後、現存の大使館もこれらの同じような政策を考えることは想像できることです。

オーストラリアはほかの大使館に先駆けて一早く、オンライン化し、その実績を世界にしらしめた国でもあります。 あまり知られていませんが、どの国のシステムをみても、はじめは斬新すぎるといわれましたが、今となっては最も洗練されたシステムを確立していると自負しています。

ビザクラス種類毎にオーストラリア国内にオフィスを設置し、オンライン申請により世界中の審査を集中させることにより、一定の統一感を保ち、かつ何よりもオーストラリア国内における雇用を生み出している、ということが最大の成果と思います。 これらの発想はまだ他国にはそれほど実践されていません。 

ほかの国の制度を知ることにより、オーストラリアの移民政策やその打開策の斬新さには気づかされますが、オーストラリアをロールモデルとし、カナダやアメリカ、イギリス、インドなどなど、次々とオンライン化をしている状況です。 

今回のニュースでよぎることは、オーストラリアもこれらの政策を横目で見ながら、完全オンライン化は遠くない将来なのでは・・・と思った次第です。  いまは、カナダのプロセスが一日も早く落ち着くことを祈ります・・・。

2012年5月7日月曜日

日本脱出 ~ 投資家たちの行動

昨年からの傾向ではありますが、メディアでも随分報道されるようになりました。 特に震災をきっかけに、行動に移した方が増加した、という認識です。 今や財政赤字を抱え、自国の借金を自国民が請負っている構図の中で、日本経済への不安はぬぐえません。 また、消費者も年々、インターネットの普及も含め、多くの情報収集が可能になったこともあり、海外への投資、そしてリスク分散ということを真剣に考え始めたと感じます。 

海外へもLCCなどにより、より身近になったことも1つの理由であり、加えて、今の円高中になんとかよい投資先をみつけよう、というのがほとんどの方の心理のようです。
テレビ東京でこれらの現状についての特集が番組で報道され、興味深く拝見しました。

海外への投資=各国の規制、そして自国民の権利を守る、という点において、ビザ制度もおおいに関係するエリアです。 今、熱いのは、やはりマレーシア。 国をあげて数年前からMalaysia My 2nd Home Country = MM2Hというプログラムを大々的に誘致し始め、いわゆる日本では「退職者ビザ」プログラムのようにロングステイ希望者に対して誘致していますが、この関係もあり、多くの日本人も押し寄せています。 何よりも物価が安い、年金でもなんとか生活できる範囲、 急激なインフラ整備や街つくりにより、快適な生活になりつつある・・・などなど。 そしてこのビザ要件についても 一般の方にも手が届くものになっています。 

例として、不動産購入ツアーが紹介されていましたが、(まだあまり詳しく調べていませんが) それほどビザの規制がないまま、外国人が購入できる環境がある、と感じました。 びっくりしたのがハワイで、かなり安い金額のものからあり、これなら、投資用に日本で購入するよりも価値を見出す方も多いと感じました。

そして、海外への銀行口座開設。。。日本は今、かなりの規制もあり、海外への送金も非常に厳しい状況です。また、日本で預金しても先が見えない不安からこれらの行動は自然なことであり、個々の権利として、皆さん行動している、という感じに見受けられました。

最後に紹介していたのはアメリカのEB-5 ビザプログラムです。 (地域センターといわれているところにUS$50万投資することで永住権取得可能。特に経済的要件のほかには学歴や年齢、ビジネス経験などの要件はなし) これは2012年までの暫定的な法律、、、ではありますが、たぶん延長されることはほぼ確実のようです。 今アメリカ経済も実は、これらの外資による投資によって個々のインフラプロジェクトなどが支えられており、それらの恩恵を受けているのも事実です。 実際、「雇用を生む」ということがビザ条件にも含まれているということで、必然的にアメリカ人の雇用を生み出すしくみになっているということです。

国家として非常にドライ、かつ永住権取得を目指す方に対する、貪欲なプログラムではありますが、実際、安定した投資を確保でき、かつ、申請者の立場では目標とする永住権を取得できる、という意味で、双方にはよい効果を生む仕組みになっています。(ただ、どれに投資するかにより、その利益幅は異なるし、これらはいっさい申請者の責任となる)

~~~~~~~~

これらのいくつかのケースをふまえ、オーストラリア、ニュージーランドはまだ少々遠いのかもしれません・・・。投資ビザプログラムにしても、アメリカ EB-5の要件に比較すれば、金額的にもハードルが高くなります。 しかし、実際、永住権取得後に関わってくるコスト(税金義務や医療保険など・・・)を検討すれば、アメリカもかなり「居住」する、そして居住しなくても税金については必須になるため、どこでよしあしとするかは、長期的スパンで計算しなければならないと感じます。

オーストラリア&ニュージーランドのよさは、特に医療制度に関する点はかなり永住者としてのメリットが高いと感じます。 何はともあれ、どこに住むか、そこで何をするか、どんな生活スタイルを維持したいか、、、などそれぞれの理想に準じたよい場所を探す事が必要です。

メディアでこう大きく取り上げられると、刺激になりますが、それぞれによい選択をしてほしいものです。

2012年5月3日木曜日

留職について

今週はGWということもあり、毎晩見ているWBSには毎日若者の起業家がゲストで登場しています。今日は3日目であったのですが、毎日本当に「すごい!」と思う方が登場し、非常に刺激的です。いろいろ言っても、こういう元気な、そしてタフな若者もいるのか、と日本の行く末にも少しpositive になったりもしています。 

今やグローバル人材は日本の大きな課題・・・教育現場もビジネス現場も必死感漂うこのごろです。そんなこの風潮に助け舟ともいえそうなビジネスモデルが登場しました。 
Cross Field というNPO で昨年の設立だそうですが、、、まさに今後必要としている新興国におけるチャレンジ、そして、現場研修を企業へ提供するというNPO団体です。 

代表の方もまだ若干29歳!? 信じられない!と思うほど、先を見ており、そして着実な方向を向いている気がしました。実際既にアメリカをはじめとして 「プロボノ」 活動 = 「プロ」の各スキルや技術を提供することで、支援したり、仕組み作りをすることでNPO団体を活性化したり、その企業にたりない部分をカバーしてあげる活動 はさかんであり、 日本もこの波は徐々に広がりつつあります。 代表自らも青年海外協力隊における途上国での経験、そして、そこにビジネスマンたちがビジネスモデルや技術、スキルを提供することで、その国や地域に必要なインフラを整備したり、と社会のために役立つ形ができあがる、ということが彼にとっての「目からウロコ」だったようで、これらをふまえ、このNPO構想ができたようです。

一方、企業は先日フォーラムなどでも話されていたように、「青年海外協力隊」体験者を採用する動きが増加いている=つまり、この新興国や途上国でのタフな経験をしている人、またそれらの現場での人間関係を作り、チームワークを経験してきた人を企業は高く評価する、ということです。
こういう構図からいえば、 Cross Fieldの役割はとても大きな貢献ができるのではないか、と思いました。 ニュースキャスターは「NPOにした理由」ということを追求していましたが、各国の派遣先が途上国や新興国におけるNPO団体がほとんどである場合、フェアな立場、そして、これらのNPOネットワークの強さから、あえてNPOにすることがメリットである、ということを語られていました。
確かに、彼らのパートナーは素晴らしい面々が揃っており、さすが・・・と思いました。 今後、応用するならば、ギャップタームを利用して、学生向けへも大いに可能なのではないかと思います。

面白い試みとしては既にIBM, GSKなどのようなグローバル企業では、社内版「青年海外協力隊」を実行しているとういことです。 なるほど・・・とくに現場のインフラ整備やプロジェクトに若者が各国から集まり、協同作業するだけでも、非常に有意義な経験になる、と感じます。
皆がこのようなグローバルにオフィスがあったり、大企業でない為、このNPO団体が、コーディネーターとしての役割を果たせば、それは、非常に有益かと思った次第です。

ようやく、日本も「サムスン」的になってきたのかなぁと・・・何があっても企業は机上のビジネスプランや会議では意味がなく、現場は何を必要としているのか、どんな需要があり、そしてどうしてほしいのか、などは、現場にいくことがそのカルチャー・慣習・そしてそのお国柄などなど、体感できるのです。

~~これらをふまえ、、、グローバル人材育成を掲げているオーストラリアはどのようにこれら、新興国への研修を横目に、オーストラリアにおける人材育成が有益なのか、あらためて考えていかなければならない、、、と思った次第です。

今、起業は流れとしてこの2つが熱いと思いました。個人的には②に強く関心をもち、今後日本発信でぜひ、牽引してほしいです。 
① IT & SNS
② 社会貢献系

2012年5月2日水曜日

かきくけこ・・・ 生きる元気の素とは?

ユーカリ Eucalyptus 
だいぶ長い間御無沙汰していた方と久しぶりにお会いする機会ができました。 オーストラリアのワイルドフラワーやアレンジメントに20年以上たずさわってきた方でこのところ、行く先々のイベントで偶然にお会いすることもあり、ようやく今日はお時間がとれてゆっくりお会いすることに。

オーストラリアのワイルドフラワーとは熱帯にも強く、そしてある意味斬新なその姿にかなり個性的な印象も強い花の種類です。その昔、まだ日本にはそれほどこのような花が輸入されていない時代から関わることになり、長年その活動を続けていらっしゃっています。時々大使館のイベントでも、このワイルドフラワーは欠かせない存在にもなります。

たわいのない話題から話すことは多くあり、気がつけば、私の母と同じ年、そして、お嬢様と私も同じ年、ということで、世代は違うものの、オーストラリアに関わってきた経緯など紐ときながら、多くの話を共有しました。昨年11月に大使館で大きな個展をされたのですが、残念ながら私は演奏活動で海外へ行き、お伺いできず、、、という状況で、時を逃してしまったのですが、また次回期待したいものです。

バイタリティーあふれるその姿は圧巻とも言うべきですが、その元気の素は・・ということで教えて下さいました。

か ・・・「感動」      いろいろなものに刺激をうけて感動する
き ・・・「緊張」       常に緊張感を持てることを実践
く  ・・「くよくよしない」  なにがあってもくよくよしない  
け ・・・「決断力」     こう!とおもったら決断する
こ ・・・「好奇心」     アンテナをはっていつも楽しみをみつける

~だそうです。 確かに、か・き・く・け・こ  ですね。

「これからの人生にたーくさんやりたいことがあるの!」
と、言われて、やっぱり年齢じゃなく、その追求心といいますか、積極的なその行動力が若さの秘訣でもあり、そして人間的な魅力でもある、と実感した次第です。

スワンプ・ボトルブラシ Swampt Bottlebrush
様々な交友関係のお話も伺いつつ、そしてお互いにどうやってオーストラリアをもっと活性化できるか、多くの日本人の人にもっと関心をもっていただくか、などなど話すことは尽きず、過去のオーストラリアブームからいまに至るまで、いまこれからしていくべきことなどなど、オーストラリアのことに限らず、人間の生き方として大変刺激になった一夜でした。 

型にはまらず、人生何がしたいのか、そして悔いのこらないように何をすべきか、などたくさん語っていらして、半分くらいの人生である私・・・は? と、少し空虚になりつつ、いろいろチャレンジしていかないと・・・と思いました。 素敵な年齢の重ね方に私も追いつきたいと思います。

2012年5月1日火曜日

ついに こ、コアラが・・・・

オーストラリアにとってかけがえのないマスコット・・・であるコアラが久々に大きくニュースになっていました。なんと、数が激減し、絶滅の恐れ!?という内容で、、、これはショッキングな事です。主にクイーンズランド州、ニューサウスウェルス州、キャンベラのあつ首都特別地域が対象ということで、他の州はまだこの対象にはなっていないものの、、近年の住宅開発や交通事故による減少は推定42%ということです。 一昔前は抱っこして記念撮影…という時代もありましたが、Sensitive なコアラにとってはストレスになってしまう、というのもあり、抱っこも今は限定された動物園でしか体験できません。  何はともあれ、国民的アイドルであるこのコアラの存在は、オーストラリア人以外にとっても大きなことです。

~~めっきり、最近はオーストラリアのイメージ=コアラやカンガルー・・・というのは実はイメージチェンジPRもあり、もっとグローバルやビジネスにシフトし、これらの広告もだいぶ減っているのが現状ですが、原点ともいうべき伝統的な観光業のマスコットであるコアラがすみやすい環境にぜひ努力してほしいものです・・・。