ビジネス奮闘記

皆さまにとってAOM Visa Consultingが身近なサービスになるようにこのブログでは少しやわらかめのトピックスもふまえて発信していきたいと思います。 オーストラリアやニュージーランド関連のほか、ふだんの活動や関心ごと含めてレポートします。 ご意見・ご感想などございましたらお気軽にメールにてお送りください。 AOM Visa Consulting Official Web site は こちらへ

2012年2月28日火曜日

オーストラリア大使館 留学エージェント セミナーに参加しました

オーストラリア大使館で開催された留学エージェント向けのセミナーに参加してきました。だいたい毎年このセミナーは開催されており、オーストラリア留学についてもっと知識を深めるために、おもに留学エージェント向けに開催されています。今、「海外留学」といっても、全般的に留学する学生数が減少傾向であること、また、国を選択しようと思った時に、「なぜオーストラリアか」 「オーストラリア留学の魅力とは?」などなど、他国への留学とも差別化するためにも、これらの事情を知ることは有益であり、参加してみました。

いまだ、日本の企業では、どうしても「アメリカ」「イギリス」での留学は少し認知度があるとはいえ、実際、学校名などしらないところも多くあります。しかし、企業からのイメージとしてなかなかまだ「オーストラリア」という国にある学校や大学についての認知度が浸透していないことは、一番痛いところでもあります。 でも、実際世界大学ランキングなどでの評価といえば、

25位 東京大学
26位 Austraian National University
31位 University of Melbourne
32位 京都大学
38位 University of Sydney

・・・・と実質、東大&京大レベルでもあります。 アカデミックな世界の方には知られているかもしれませんが、まだまだ企業への認知度は低いのが現状です。

そして、世界の住みやすい街ランキングでも

1位  メルボルン
6位  シドニー
8位  アデレード

・・・とトップ10にあり、好感度が大変よい街が多いということです。

今後のセールスポイントはなんといっても「アジアの中のオーストラリア」と思います。 これからの経済マーケットを考慮してもアジアが世界の中心になっていくことは予測範囲内であり、かつ、アジアの人たちとのコミュニケーションや人脈が大変重要になってくる、ということです。
日本企業もアジア進出がいま、大変さかんな状況である中、実際、そのアジア諸国の人が目指す留学先の大半がオーストラリアである、という点を重視してもよいと感じており、この点はそのほかのアメリカやイギリス、カナダには決してないポイントといえます。

各州政府担当が、それぞれの州の特徴やその州にある大学、環境そして経済状況など細かいデータを活用してプレゼンして下さいましたが、このように、州ごとの特色などをPRする点も他の国にはないストラテジーかと思います。 ビクトリア州のように、州の経済だけで、ニュージーランドやマレーシアなどを上回る指標をもっている事を知ると、いかにオーストラリアの成長ぶりが理解できます。そして、クイーンズランド州についてもその対貿易国が圧倒的に今でも日本であるということ。今、オーストラリアは資源景気にも沸いていることもあり、各州でも、特に資源がある州では、その成長は目覚ましいものです。 そして、経済が活発な場所での留学は非常に刺激的なものであるということも予測されます。

最後に、ワークショップがあり、ここでは、いわゆるブレーンストーミングが行われました。実際、現場で学生と接している方たちからのオーストラリアに対するイメージやプロモーションする上でのポイント、そして、何が強みか、など、各担当者の意見はとても現実的であり、参考になった次第です。

常に感じるのは、今回オーストラリアはブランディングイメージを「グローバル人材育成先」と大きくシフトした、ということをもっと一般の方にPRしていく方策が必須であるということです。 これは、直接的に、学生たちなどに接して伝えていく機会を増やすことが今は急務と感じています。 学生たちは皆、それぞれ、積極的な方も多いわけで、そのような人たちに、オーストラリアのキャリア的なイメージを伝えるにはまだまだ認知されていない部分が多いと痛感しています。

ぜひ政府発信のメッセージを期待したいです。



2012年2月26日日曜日

JAPAN DAY ~ ニュージーランド オークランドから

クライストチャーチ地震の報道から数日後ではありますが、毎年この時期にオークランドではJAPAN DAY と称して大きな日本のお祭りが開催されます。年々その規模は拡大化しているようで、在ニュージーランドの日本人に限らず、現地の方にも大変好評を得ているようで、今年はなんと史上最大の4万人!という規模での参加者になったようです。 現地からは少しレポート・・・という感じで写真をご提供いただきました。スケジュールも満載で、舞台パフォーマンス、文化展示、屋台など、お天気には恵まれ、どこも行列ができたということです。また、来場されるかたも結構コスプレしてきていたり、浴衣だったりという人たちが年々増えて、オークランドの皆さんもとても楽しみにしている様子がわかります。

現地日本総領事館をはじめとして、日本人会、そして日系企業などなど、そのサポーターのもとに、これだけの大きなイベントが毎年開催されることも嬉しいことです。
友人は「ヨサコイ!」ダンサーとしても参加していたようですので、日々の練習にも励んでいた姿が印象的でした。 練習の甲斐あり、イベントでは人気だったみたいです。

ニュージーランド&日本は昨年同じような痛みを感じながら、互いの連携も強化した国でもあり、そして、より日本の存在が近くなったのかもしれません。 在ニュージーランドの日本人は他国に比較して、それほど多くない人数ではあるものの、このような形で、日本に対する理解やイベントが年々盛り上がっていくことは非常に嬉しいことです。 

なお、クライストチャーチでもこのたび3月10日に初めてのジャパンフェスティバルが開催されるときいています。そして、クイーンズタウンでは最近、 日本人会のような JAPAN Family Association が設立された、ということも伺い、その土地においての日本の活動は活発になりつつあります。

先日、ニュージーランドに久しぶりに訪問した際に、本当に各地域に居住している日本人の皆さんにお会いして、ニュージーランドを活性化しよう、という想いからがんばっていらっしゃる姿がとても印象的でした。ぜひ、日本側からニュージーランド活性化のお手伝いができれば幸いと存じます。

2012年2月24日金曜日

オーストラリア 労働党のゆくえ と日本の移民政策について

オーストラリアでは27日に現労働党の党首選が実施されることが発表になりました。長年の保守党から労働党にかわってから早5年あまり・・・元首相のラッド外相と現首相のギラード首相の間における確執が政局不安をかもし出しているとのこと。 ギラード首相も支持率が低迷しつつも、ラッキーなのは今、オーストラリアは資源景気に沸いており、国民からの不満はそれほど目立たない。加えて、もともと、ラッド首相が退陣にかつて追い込まれてしまったのは資源税を発表したことで、民間会社から多くのバッシングをうけてしまったこと・・・・そのため、それ以来、この資源会社に対する税金制度についてはまだ構築されておらず、法人にとっては、今、追い風となり、収益を上げているという状況が継続しています。 同じ党内におけるもめごとのため、それほど政策には響かない、という見方が強いようですが、TPPやEPA /FTAをはじめとして、オーストラリアの課題はまだまだ山積みです。

オーストラリアは労働党に代わって以来、もっとも影響をうけたのは移民政策かもしれません。もちろん、「労働党」というだけあり、労働者保護=Fair Work といわれる労働基準法にあたるものが整備され、そして何よりも外国人労働者を滞在させる「就労ビザ」の規定をはじめとして、永住ビザも労働市場と人口政策を検討しながら、いかに国民(国籍保持者や永住者)の労働市場を奪わず、かつシステマティックにバランス良く、外国からの労働力を確保できるか、という視点で大きく移民政策はシフトし、一般的には「規制」が増えたのが事実です。
この流れは労働党が続く限り変わらないと思いますが、オーストラリアはしみじみ、与党の政策で移民政策が斬新に改正になる国ということを常々実感しています。

~そんな中、メディアでは「日本における移民政策を検討すべき時期にきている」 と中川正春少子化担当相からコメントがありました。「人口政策だけでなく、どういう形で外国人を受け入れるか議論する時期に来ている」と述べ、日本の移民政策に関する有識者の議論の場を設ける考え明らかにしました。


報道において「日本の移民政策」というキーワードはほとんど今までなかったのではないかと思います。あくまでもスタンスは「在留するための目的別資格」と位置づけが色濃い現代において、今の人口減から真剣に国益を追求するためには、海外からの労働力は必須であり、どのように位置つけていくか、ここが今後の課題です。
個人的には、日本を開国するためにこの考えはぜひ支持したく、そしてオーストラリアやアメリカなど、移民国家のモデルを検討する中で、日本にとってよりよいモデルを形成してほしいと願います。

大学開国へ ~秋入学問答~

今週の日経に月曜日から毎日「大学開国」と称してこのたびの東大による秋入学宣言からのじわりとした影響を伝えています。 1月明けてからこの話題満載ですが、ここまで、他大学も号令をかけてフォローするということに意外性を感じています。 興味深かったのは一ツ橋大学が入学は「春」としつつ、秋から授業開始する、という独自の学期制を発表したこと。どちらにしても原則、グローバルスタンダードにマッチするために「秋開始」はかわらないようです。

秋入学 VS  就職活動 という構図になっていることをふまえ、就職活動がなぜここまで今、困難をきわめているのか、いろいろな意味で「日本的」な事情を感じる次第です。 1つ言えることはどうしても「足並みそろえる文化」・・大学も一斉に秋入学派が増加、そして企業は一斉に就職活動解禁日を設け、エントリーシートを登録し、スマホを片手にこのペースのレールにのらなければ、次のステップにはいけない・・・という危機感・・・。 
大手企業はどうしてもこの波を変えることは困難であり、そして学生がその波にあわせ、タイミングを逃さないようにいかにアピールするか・・・ どうしても自身が経験してきた就職活動とは違う空気を感じてしまいます。 でも日本での就職を検討するのであれば、これはどうしても仕方ない・・・というのが大半の意見なのかとも感じています。
ふと海外の大学生はどのように就職活動しているのか、と思えば ウェイトとしては「どんなインターンシップをしてきたか、そこからどんな経験や課外活動、研究や習得をしたか」という経験からの実績などを優先的に評価している状況です。

開国モードが一気に高まったこの年明けから、どのくらい大学も企業も行動に移せるのか、そして当事者である学生たちも、どのように4年間をすごしたらよいか、ということをあらためて考えなおすきっかけになるとよいと思います。1年生からの就職説明会開催が今は当たり前と聞いてさらに驚いてしまったのですが、いかに幅広い経験を積むか、ぜひこのことを学生に考えてほしいと思います。

留学が就職活動のタイミングに合わない、という理由で断念してしまうことは非常に残念に感じます。また、企業側も学生の人とは異なる行動を受入れて、評価していく、そんな土壌を期待したいです。 今日のニュースで伝えていたことは、今はとにかく、日本にいる海外留学生にとっては追い風にになっていること=それは既に語学をはじめとして、様々なタフさを身につけていると感じます。

また、企業の人事部についてもコメントがありました。 日本の企業のしくみは今大半がローテーション制をとっており、人事に配属=将来の幹部候補生的なポストでもあります。 そして日本の企業における外国人CEOはなんと0.8%足らず。これは非常に低い数値であり、会社全体の保守的な雰囲気を変えることは人事部からの発信が重要であり、かつ、この人事部にMBA出身者などを登用して、会社を変えていくことも重要である、という事が語られていました。

大学だけが変わってもその先にある企業の人事部も柔軟かつ視野を広くもつことがこの先、グローバル人材採用には本当に重要なのかと感じています。

2012年2月22日水曜日

クライストチャーチ地震から1年・・・・

市民による追悼式
早いもので昨年のクライストチャーチ地震から1年となります。180人あまりの犠牲者のうち28名という多くの日本人がこの震災にて犠牲者となってしまい、非常に無念という気持ちです。何度映像をみても、あの中心部において、語学学校の入っていたビルだけが、無残な状況になってしまった事は疑問も今も多く残るところであります。

実は先週まで9年ぶりのニュージーランド訪問をして、オークランドから南島まで多くの方にお会いしてまいりました。このレポートは追ってさせて頂くこととして、クライストチャーチを訪問した際には、現地にお住まいの方にいろいろなお話を伺いました。この1年を振り返って、普通の生活ができない不便な中で、多くの苦難や近所の方たちとの助け合い、そして街の復興へとみんなが協力していく日々・・・など様々なドラマを体験しながら10ヵ月くらい近所の方たちも同居して、皆で力をあわせてきた、というリアルな話を伺いつつ、本当に生活を立て直すための大変な努力が語られ、あらためて、この1年間の重みを感じました。 

日本からは多くのご家族が今日の追悼式に参列された模様がメディアでも報道されましたが、夢を多くもってニュージーランドの土地へ向かった彼らのご冥福を心よりお祈り申し上げたい次第です。
ニュージーランドと日本は昨年から「大震災」という同じ痛みを共有してきた同志でもあり、そしてお互いの国への復興に対する想いも人一倍強いと感じています。 

今回、ニュージーランドにて長年各エリアでご活躍されている多くの日本人の方にお会いし、自国のようにニュージーランドを愛し、そしてさらなる発展のために精力的に奮闘している姿は非常に印象的でした。特に南島の方たちはこの震災の痛みを共有し、日本人としてケアできることを日々の中で実践されているようでした。 報道の中では伝わらない彼らの信念をずっしりと感じた次第です。

自身がはじめてニュージーランドを訪問してからはや15年・・・この街に対する想いも深く、そしてあらためて月日を経て現状をみた今回、大聖堂を中心とするあの華やいだガーデンシティといわれたクライストチャーチが1日も早く戻ることを祈るばかりです。