ビジネス奮闘記

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2011年8月23日火曜日

東北 被災地へ ~女川ほか石巻・南三陸へ

女川町中心地
3月の東北大震災からはや5か月が経過しました。東京にいると、メディアを通じて多くの情報がはいってきますが、やはり現地を一度訪問したいと思い、今回元同僚たちと週末を利用していってまいりました。仙台に赴任中の友人のエスコートにより、石巻ー女川ー南三陸とまわりました。今回一番の目的は女川に住んでいる友人を訪問することで、現場の状況、そして、現場の話などを共有することにより、皆で、今後の支援についても考えたいということでした。
南三陸は地震直後に、オーストラリアの救助隊が支援にはいったことが経緯となり、4月にギラード首相も訪問した町です。 石巻・女川・南三陸 ともに、最も被害の大きかった地域であり、現場に車に入るに従い、言葉も失う状況でした。 ただ、友人はこの5カ月の経過をほぼすべて見てきていることもあり、だいぶ片付いた・・・ということを淡々と教えてくれました。 

コンクリートが横たわる。奥には入江
地形にもよりますが、女川はその前に訪れた石巻とは対象的で、まさに「入江」が美しい町だったのだろう、と感じさせるほど、扇形の町になっており、この地形の為に想像を絶する津波が形成されてしまったそうです。 町の中心、というところにたどりついたものの、そこは工事現場、のようにまったく更地のような状況で、ここに町があったのか、と思うほど、平地で、真新しい電柱だけが誇らしく立っていました。 コンクリートが底からもぎとられたような状況で、ブロックのように横たわっていました。 友人は町で唯一の歯科医となった今、町の復興にむけての支援、そして町の住人の支援への決意を強く感じられました。 しかし、地震当日の話を長々と伺いましたが、本当に恐ろしい状況だったということを痛感した次第です。

南三陸町
女川をあとに、大川小学校、そして南三陸へと向かいました。 テレビでみている内容のみではやはりわからない現実は多々あり、特に地形や現実的にこの場所で津波が起きたら・・・・・と思えば、その避難ルートの選択のなさに愕然とした次第です。 また、巨大なバスや船がいまもコンクリートの建物の上に乗っていることも恐ろしいです。

町がどこもかしこもがれき、そして、鉄くずのような中、妙に各町でも向日葵が強く咲いていました。それでも、その向日葵もうなだれた咲き方であり、元気になるはずの花ですがさみしささえ感じさせていました。

各国これまでに様々な形での支援をしていることは周知の事実であり、でも果たして本当に地元の方が喜ぶ支援ってどんなことなのだろう、と皆で考えました。 何が必要か、ほしいか、今はやはり生きていくための仕事ということ・・・。 雇用創出、そしてまずは町の機能を復活させるという大きな課題はまだまだ長くかかりそうです。 

女川の友人に言われたことは、このような現場である、ということをぜひ東京の人にも伝えてほしい・・・ということでした。 新幹線で東京へ戻り、また何気ない大混雑の駅で、東京はやはり被災地から感覚が遠い、と感じました。 多くの事を話したことを記憶に残しつつ、今後の復興に少しでもお役にたてればと思います。  

2011年8月7日日曜日

アサヒ ニュージーランド飲料企業 買収へ

最近の飲料業界の海外戦略は非常に積極的に感じています。 先日、キリンがブラジル企業の買収へ、という記事が大変大きく報道されましたが、アサヒもキリンと並ぶほど、猛勢をかけており、特に両企業によるオーストラリア・ニュージーランドマーケットへの参入は著しい状況です。今回は、アサヒによるニュージーランドの酒類大手、インディペンデント・リカーという会社の買収になりますが、国内シェアは1位、オーストラリアでも3位という巨大企業です。 

この飲料業界の積極性はどんなマーケット背景があるのか、と思いますが、商品開発などの分野において、海外企業との連携についてはメリットも多そうです。もちろん、日本のブランドが海外へ認知度をあげていくためにも非常に消費者にとっては魅力的にも感じています。

個人的に感じるのは、このオセアニアに買収が集中するのは、やはり、市場規模はアメリカやヨーロッパに比較すると中的規模であること、そして、先進国+アジアマーケット開拓の先端として、これらの国からアジアへも浸透させることが有利なのか・・・とふと思います。 また、アジアでだけでなく、先日のモスバーガーによるオーストラリア進出の際に理由としてあげていましたが、オーストラリア・ニュージーランド共にヨーロッパからの移民が多い国であり、それらの移民の人たちのテストマーケティングをする市場として活用でき、ゆくゆくはヨーロッパ市場開拓へ導く、という点も大きなポイントかと思います。 移民国家はいろいろ言ってもやはり、もともとルーツのある国の文化や習慣、そして好みなどはそのまま受け継いでいるものであり、彼らが移民先に移ったとしても、それらのIdentityは根強く継続するものです。

オセアニアマーケットというのは、様々な人種が混在して、かつコンパクトな市場であるがゆえ、テストマーケティングするには有効なのではないか、と感じています。そして、比較的移民の国は新しいものを受け入れる、という点に関して、寛容な面もあることも事実です。

そういう意味で、日本企業は最近ターゲットをオーストラリア&ニュージーランドに目をむけているのか・・・と個人的には分析している次第です。 

何はともあれ、このような活動が広がることは、日本人消費者にとっても刺激的であるため、日本企業はもっとpotentialを感じて、進出につながれば嬉しいです。


2011年8月6日土曜日

マレーシアの移民政策~8月から不法滞在者を合法に認可

ニュースで特集していて、興味深かったので、オセアニアではないですが、ご紹介したいと思います。

8月からマレーシア政府は現在不法滞在しながら就労している外国人に対し、合法的に就労・居住を認可する方向で決めました。最近の急激な経済成長に伴い、多くの外国人が職を求めてマレーシアにやってきており、そして、不法滞在しながら、職をみつけ、滞在を継続している数が急増しているということです。 実際問題、アメリカをはじめ、先進国においては、ときに、その国の経済を支えている背景に、その国の人たちが就かないような職種をこれらの外国人が支えているケースが多々あります。 一時、アメリカもメキシコ人をはじめとする大量の不法滞在者が増加し、合法的に認める動きもありました。 そして、今回、マレーシアも、現在、外国人の数があまりに増えてしまい、彼らの人権を保護することをしなければ、将来的にもその外国人勢力の強さが国家の統制をとるにあたり、政情不安を引き起こす懸念もあり、今回このような政策に取り組んだということです。 ただし、このプログラムは今月1ヶ月という超短期期間の間に、申し出のある人に限られ、また、不法就労者たちは政府の認可する業者に登録義務があります。このことにより、政府側からも個々の状況を把握することが可能となる、ということです。 「就労」はあくまでも、一時的な期間となるため、コントロールする上でも経済状況が不景気になった際には、この外国人を出国させる、という状況にもなりそうな雰囲気です。

どこの国も経済が活性化している国には職を求めて人がやってくるものであり、これらの人口移動に伴う、移民政策問題というのは非常に繊細な問題でもあります。特に先日北欧であったテロ事件はかなりショッキングでしたが、あの理由も結局「イスラム人が増加したことにより職を奪われている・・・・」という反感感情から発展したもの、ときいて大変驚きました。 フランスなどは、長年のアフリカ植民地との関係もあり、アフリカなどから流入してくる外国人との雇用問題、移民政策問題は常に頭の痛い問題です。

マレーシア、というのは今まではきっと後進国というカテゴリーだったかもしれませんが、今後アセアンにおける国の存在感をふまえ、急激にこれらの移民政策においても、状況が変化しそうです。

日本人には身近なところで、最近は「マレーシア=リタイアメント&ロングステイの場所」として大変人気があります。 これも結局移民政策のうちの1つであり、経済活性化を生むためにも、経済的要件を満たす外国人に関しては非常に寛大に誘致している状況であり、大変成功しているのも事実です。 

今後、マレーシアは、様々な意味で、この移民政策、ということに対し、積極的にとりくんでいくのではないかと感じました。