ビジネス奮闘記

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2012年8月17日金曜日

アメリカの不法移民に対する新政策

アメリカの大統領選も11月に控え、選挙戦も日増しにメディアを通じて激しくなってきたようです。オバマ政権も早くも4年の月日が経ったということになります。 選挙を控えた今、6月に大統領令として不法移民に対する新政策が発表され、この受付が最近開始されたということが報道されていました。 

今、アメリカには1100万人の不法移民が存在するといわれています。国境をわたりやってくるヒスパニック系が圧倒的な数を占めていますが、アジア系、イスラム系、ヨーロッパ系と様々です。今回の政策はアメリカに不法入国した当時、子供として入国した以下の条件の人たちには暫定的な労働許可を与えようというものです。これによって強制退去される恐れはしばらくなくなり、若者たちも就業意欲をもって職につける、ということです。 

・不法入国時、16歳誕生日前であった。
・2007年6月15日以来居住している。
・2012年6月15日時点で30歳以下である。
・2012年6月15日以前に審査なく入国、または2012年6月15日時点で合法的な入国状況が終了する。
・現在学生で通学中または高校卒業、Certificateを教育機関で取得、またはアメリカ軍において在籍
・犯罪歴なと人物審査において問題ない人
・2012年6月15日時点でアメリカに居住し、この申請時にもアメリカにいること。


確かに入国時に子供だった彼らには罪はなく、その為に将来に不安を継続させながら生活することもつらいのは事実です。 オバマ大統領が4年前に、「不法移民たちにも永住権を」というドリームアクトというものを掲げたものの、いまだ野党の反対のために法案は不成立のままという状況のため、今回「大統領令」としてこの条例を特別に設けたようです。

これらの背景として明らかに、現在のアメリカは労働力としてこれら不法移民たちの貢献度も高い=一般のアメリカ人がつかないような仕事で社会を支えている=経済を支える大きな労働力、
そして、何よりも大統領選を見込んでも、人口で大きな割合を占めるヒスパニック系の票は無視できない、というのが現状です。 そのため、彼らに好意的な政策は受け入れられることにより、票にもつながる、ということです。 
これに対し、野党のロムニー氏率いる共和党からも、はっきりとした反対意見はいまのところでていないようです。なぜなら、彼らにとってもヒスパニック系の票が重要な割合である為です。

受付開始から、長蛇の列をなし、若者の夢に託すこの思いが報道からも痛感しました。・・・しかし、現状として、不法入国時に、自身のIDやパスポートなど証明する書類をもって来ている人ばかりではなく、これらの証明をすることさえ大変な人も数多くいるのが現状です。そのような状況もある程度想定範囲内としてこの法令を開始したと思いますが、まだまだ大変な状況は続きそうです。

何はともあれ、社会の構図、そして選挙戦、双方のバランスを見込んだ上での政策を打ち出すことがリーダーには重要・・・ということがこの法令から実感しました。
移民の国ではアメリカをはじめとしてオーストラリアやニュージーランド、カナダもそうですが、税金によって賄われる支援や費用に対して、とてもシビアであり、基本国籍や永住権保持者に関してはこれらの恩恵をうける権利がありますが、それ以外は社会保険など、極力負担がないようにする構造になっています。そのため、不法移民を認め続けると、それにかかる社会的負担は増大し、国の財政にもかかわってくる、ということもあるため、全面的に肯定することは難しいのが現状です。

しかし、今回の法案については、少なくとも現在この条件に見合う若者にとっては嬉しい朗報であり、そして彼らも将来の展望を明るく検討できる内容の為、就職に対するモチベーションも上がり、結果的に若者から雇用に対する経済活性化も少しできるのではないかと感じました。

~日本は基本「移民でできた国」ではないため、このような考え方はまだまだ遠いと思いますが、時々メディアでもあがる不法移民についての扱いについては、特に未成年で入国した場合のケースについて、今後、「出生国よりも育った環境が長く、かつ、生活習慣や教育が肉体的、精神的、現実的に日本にタイがある」という場合は彼らの将来にも大きな影響が予測されるため、緩和していく猶予はあってもよいのではないかと思いました。

また、ある意味日本は外国人にとってとても「やさしい福祉の手厚い国」と常々感じます。国民皆保険制度という基本概念からと思いますが、どの程度税金が外国人に対して利用されているか、という社会保険の観点で少し政策を考えて、効果的に外国人の在留を検討してもよいと思います。

アメリカはいろいろいっても、このような政策を聞くとやはり人権に関しては「寛大な」国と、感じました。 

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