ビジネス奮闘記

皆さまにとってAOM Visa Consultingが身近なサービスになるようにこのブログでは少しやわらかめのトピックスもふまえて発信していきたいと思います。 オーストラリアやニュージーランド関連のほか、ふだんの活動や関心ごと含めてレポートします。 ご意見・ご感想などございましたらお気軽にメールにてお送りください。 AOM Visa Consulting Official Web site は こちらへ

2012年12月18日火曜日

2012年を思う

今年も残すところあとわずかとなりました。震災から1年、スカイツリーの開業、ロンドンオリンピック、そして最後に政権交代・・・などなどいろいろありましたが皆さまはどのような2012年でしたか?
だいたい年末になると、その1年についてふと振り返り、様々な出来事や出会った方が浮かびます。思い返すと、今年は本当に多くの方との出会いがあったと思います。AOM としての活動も少しずつですが、広がってまいりまして、大変多くの方からの温かいご支援を頂きました。少しトピックスごとに記しておきたいと思います。

<オセアニアの動き>
昨年からニュージーランドも開始したこともあり、オーストラリア・ニュージーランド両国の動きをみていくようになりました。今、世界はユーロ危機からの影響はまだまだ引きずっており、人口移動も含めて、労働市場のあるところへと移住や避難、という形で、急速にヨーロッパからの脱出は増加傾向です。このような点で、世界経済も不安な雰囲気はまだ変わらず、比較的安定しているオセアニアへの関心は今後ももっと高くなると予測しています。 企業についても日本も円高から今年は過去最高のM&Aが実施されたようです。オセアニアも例外ではなく、多様な業種のM&Aのニュースは非常に関心高く拝見していました 。 AOMもオセアニア方面の法人案件を少しお手伝いさせていただき、ビジネスや経済の流れ、そしてグローバル展開というものを肌で感じて、時にエキサイティングな年でありました。 ビザはあくまでもその人の移動に関わる点ですが、これらの先陣切って現場で活躍している姿はとても刺激となりました。

来年以降は予測されることはTPPの動向によって明らかにその進出企業や現場でのビジネス展開の方向性が変わってくると感じています。 オセアニアにとってTPPは非常に重要な政策であり、今後の動向をじっくり見ていきたいと思います。

<オーストラリア>
移民法からの観点でいえば、まさに「劇的な」変化=つまり大きな法改正の年だったといえます。学生は全般的に緩和傾向へ、受け入れる政策として、留学生誘致のために方向性が明確になったこと、これとは対象的に、永住ビザについては 「高度人材→ だれでも受け入れる、ということではなく、労働市場にマッチする方を優遇」という理論のもとに、①雇用主がみつかってない→ ポイント制はかなりハードル高く ②雇用主がみつかっている→ 就労ビザからは緩和傾向、 という済み分けが明確となりました。 そして、さらに投資家→誘致 という方向ですが、「超」投資の人をターゲットとすべく、ぐっとこれらの要件はあがり、誰でもが投資ビザを申請するのは難しくなった状況です。 原則として、「移民省」が優先順位もコントロールすることで、バランスよく移民を精査する、という超ドライな政策へと転換した大きな年でした。11月に発表になったSignificant Investor Visa =500万ドルを投資するビザですが、中国人にとってラッキーナンバーである「888」をビザクラス番号にするほど・・・大クライアントである中国人へのアピールは明確です。
来年はこれらの法改正の現実がいろいろとみえてくる年となるといえます。

<ニュージーランド>
ニュージーランドの大きな出来事はなんといっても「東京の大使館」での審査が終了してしまい、10月から上海での審査へ変更となったこと。これによって、申請ステップは変更し、そして、やはり国内に直接質問できるところもなくなり、不便さは感じます。 予測していたよりはだいぶスムーズに手続きはされているため、意外とうまくいくもの、、、ということも感じています。 

そして、もう1つ今後注目している点は、オーストラリアの投資ビザ関連の要件がぐっとあがったこともあり、今後、ニュージーランドを検討する人が増加するのではないか、と感じていることです。 先進国において移民候補先としてはこれらオーストラリア、ニュージーランド、カナダなどの英連邦、そしてアメリカが挙げられますが、富裕層にとって大敵である税金の問題とからめると多様な面においてニュージーランドの優位性がわかります。 まだまだ社会的にはだいぶマイナーな知識ではありますが、事実、現在ニュージーランド投資ビザの申請者第一位はなんとアメリカ国籍です。 先進国の中でも税制のメリットを理解した人たち、そして政治の安定性や安全面を考慮してニュージーランドへと移住してきているようです。 日本人で最近、珍しくこれらのニュージーランドの投資永住ビザについて本を出された方がいらして、このような状況は今後、もっと検討範囲内になるのではないか、と予測しています。

昨年の震災以来、これらのような富裕層の動きは劇的に変わったと思います。プラス、日本の税務法改正への予測もできている今、時間を考慮してかなり早いスピードで日本の富裕層たちも永住権というものを考える人が増えてきていると実感しています。

10月にクレディスイスから発表になったグローバルウェルネスレポートによれば、日本人はなんと世界2位の富裕層です。このレポートは非常に興味深く、今後の日本を検討する上で、富裕層たちの行動は明らかに変化していくと、感じています。

日本についての分析

- 日本の家計の富は前年比1.3%増加の約28兆ドルで世界第2位を維持
- 世界の富の増加における日本の貢献度は第3

<カナダ>
5月に急きょカナダ大使館のビザセクションが閉鎖してしまい、現在マニラへの申請と変更になったことをきっかけにAOM もサポートを開始しました。 しかし、まだニュージーランドに比較してもカナダの申請はなかなか苦戦・・・・。印象としてはどうしても現場の審査官が日本のカルチャーやビジネスなどにあまり慣れていないのではないか、ということを感じています。 オーストラリア・ニュージーランド・カナダとすべて英連邦ではありますが、移民法の解釈方法はカナダはだいぶ異なり、申請する上で学ぶことは多くありました。 

ビザセクションは英連邦において早々に「閉鎖」という形を取り始めましたが、今後大使館自身も英連邦は各国と連携して建物なども共有することで、経費削減につなげる。。。。というほどのプランを発表したのも今年です。 オーストラリアも本当にそうなるのか、、とますます心配になりました。来年にまた動きがあるかもしれません。

<インターンシップ>
昨年、オーストラリア政府が掲げた「グローバル人材育成先=オーストラリア」ということからAOMもインターンシップ事業を開始し、今年は大学で講義をしたり、学生と知り合う機会が多くでき、とても有意義でした。 今学生のみなさんは「就職活動」という大きな壁に早くからぶつかっており、自由な学生生活も少し保守的になっている人も少なくありません。 さまざまなことを考えている学生たちと接し、もっと広い視野、そして、もっとチャレンジングな機会をぜひ作ってほしいと思います。
来年から本格的に学生さんを中心としてインターンシップに参加していただくことになります。 ぜひ多くの経験をして、また後輩たちにも自身の経験をぜひ伝えていってほしいと思います。

<現場>
2月にニュージーランド、11月にオーストラリアへと訪問しました。 日本でオペレーションしているものの、現場に行き、多くの方からジャパンビジネスの現状や現地にある日本政府のとりくみ、そして実際のライフスタイルなどなど、現場にいくと多くの発見がありました。 どちらの国も長い間訪問していなかったこともあり、非常に現地のヒアリングは新鮮でした。 現地に進出してきている日系企業の業界も年々変化してきているようで、これは、今後ますます政策によっても考えられることです。 オーストラリア=資源 ニュージーランド=木材などの資源 というような伝統的なビジネスから今後はもっとジャパンクールといえるようなビジネス参入は十分考えられるのではないか、と期待します。 アグリビジネス(農業)やサービス産業は注目したいエリアです。

AOMの来年の目標としては、日豪・日ニュージーランドネットワークを活用し、これらのようなジャパンビジネスのお手伝いできるようなしくみづくりを構築したいと思います。 現場にいる弁護士や会計士との連携、そして、これは日本人のみならず、オーストラリア人やニュージーランド人でも日本ビジネスにたけている方は多く存在するのも事実です。 ビザのみならず、総合的なプロフェッショナルチームとして、現場の方と連携していくことにより、企業進出のお手伝いができればと思います。

また、現地で感じたことは、個人の皆さまはこのようなImmigraton service についての情報がとても少ないということも痛感しました。 最近は日本からもオーストラリアやニュージーランド現場にいる方のサポートをする機会も増え、こうした皆さまに対して安心して、かつ個々のコミュニティにも有益となるネットワークをどんどんご紹介していくことができればと考えています。

<イミグレーションロー実務研究会>
最後に、ビジネスとは別の活動として昨年から行政書士の皆さまと始めた移民法の勉強会について、おかげさまで1年を迎える事ができました。 定期的にチームでこの勉強会を構成してきて、外国の移民法についての気づきや日本の在留資格に対する将来の展望など、同じ移民法を取り扱うみなさんとの交流はとても有意義でした。メンバーみんなが感じていることは今後の日本をみすえてよりよい社会を作っていくためにいつの日か、移民法観点から在留資格への提言などをしていくことができれば、と思う次第です。オーストラリアやニュージーランド移民法のよい点や合理的な点などをご紹介することで少しでもヒントになれば、と思います。 来年も引き続き活動を進めてまいりたいと思います。

・・・いろいろと長くなりましたが、来年の目標がこの1年の活動からだいぶ明確になりました。

少しずつではありますが、新しい年を迎えるにあたり、ちょっとは前進しているかな、と思います。今年も大変多くの方にご支援をいただきましてありがとうございました。 留学がきまったり、お仕事がきまり、就労ビザがとれたり、そして永住権がとれたりして、見送る私の立場として、新しい国でぜひみなさんには最大限チャレンジしてほしいと願います。 

少し早いですが皆さまもどうぞよいクリスマス&お正月をお迎えくださいませ。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

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