ビジネス奮闘記

皆さまにとってAOM Visa Consultingが身近なサービスになるようにこのブログでは少しやわらかめのトピックスもふまえて発信していきたいと思います。 オーストラリアやニュージーランド関連のほか、ふだんの活動や関心ごと含めてレポートします。 ご意見・ご感想などございましたらお気軽にメールにてお送りください。 AOM Visa Consulting Official Web site は こちらへ

2014年7月8日火曜日

続き~富裕層の教育事情について

昨日に引き続き、今日は教育事情についてお話したいと思います。今、海外移住を検討する上で、大きなウェイトを占めるのが「クオリティの高い教育」をいかに受けることができるか・・・という点です。 これはどのご家庭も、例として、富裕層でなく、一般家庭のみなさんも望む願いであり、お子様に少しでもよい教育を与えたい、と思うのはどの国も同じ、、と感じています。

最近ようやく日本でも「バカロレア」という教育システムもだいぶ認知度が上がってきました。 文部省もかなり積極的に日本国内でこのバカロレア資格をもつ学校を増やそうと必死です。 国際化の波を受けて、ようやく・・・という感じではありますが、とにかく日本も今、教育については過熱状態かと感じ、かつ、やっとグローバルの仲間入りをするために必死になってきた、という傾向は賛同したい次第です。

そんな中、クライアントさんのお子様の教育事情など最近いろいろな機会に伺うことがありました。もちろん、私の立場は現在オーストラリア、そしてニュージーランドの高等教育のすばらしさや、グローバルレベルで比較してもアメリカやイギリスに劣らず、評価が大変高い、と感じていますし、事実、大学ランキングなどは日本よりも多くトップ100に入っています。 
オセアニア留学への流れは、記憶に新しいことは3.11の震災後に「安全」そして「高等教育」ということから多くの富裕層がオセアニアへ避難&そしてお子様と親子留学が急増したのもとてもわかりやすい傾向です。

そうはいっても、投資家ビザのクライアントの皆様はやはり「グローバル」レベルにおいて時に他国への選択をしているようです。 身近にスイスに留学させていらっしゃる方のお話を伺って、目が飛び出るくらい本当にびっくりする話がつぎつぎとあり、、、本当に世の中は大変な世界もある、、とこのとこ痛感しています。

世界的にみても、スイスはセレブリティの集まる国でももちろん有名であり、かつそれらの子弟が留学する場所・・・・としても有名です。 学費が年間1000万!? ときいてまず驚きましたが、、学生ほぼ全員がセレブリティのため、やはり身なりやファッションなど、中学生でも全身グッチ…などはほぼあたりまえのようで、、さすがにこの環境にいる中で、小学校~中学時代に価値観がどのように形成されるのか、、というのがあるいみ不安になりました。

もちろん、世の中には様々な階級があり、様々な方がいらっしゃるのですが、とても「教育」というのもどこでバランスをとるべきか、というのが難しいと感じます。
裕福に育つことがよい教育、ではないと思う点、その反面、こういう社会における人脈もまた貴重なものであろう、という点、、、identityを形成するうえで、中学~高校という時代はとても重要かと思いますが、本当に富裕層のみなさんにとっては、「選択」は大変多いものの、この選択も非常に悩むもの、、とも感じました。

オーストラリアやニュージーランドはある意味、とても素朴であり、質素なのかも、、とも感じた次第です。競争の激しいアメリカでバイタリティもってがんばるか、伝統的なイギリスでじっくりと勉強していくか・・・、お国柄は多々あるので、その中で、そのご家族にとってもっともよい、というところをきっと選択されるのではないか、と思います。

こうしてみるとますます日本は本当に小さな世界であり、日本の教育事情もかなり危機感を感じる次第です。何が一番よいのか、ということに対する答えは様々ですが、まずは、いまの富裕層教育事情にただただ驚いた日でした・・・。

2014年7月6日日曜日

富裕層の移住先

すっかりブログが遠のいていましたが、明日から安倍首相がオーストラリア訪問ということもあり、久しぶりに最近の状況などを記したいと思います。

日本もアベノミクスの影響もあり、6月に多く実施された株主総会も各会社は多くの利益もあり、景気はようやくリーマンショック以前に戻りつつあります。日本が元気になってきた…というのも日々少しずつ感じるようになりました。
日中韓の関係は微妙ではあるものの、その影響もあり、東南アジアへの進出が目覚ましいこのごろです。 その中で、弊社も多くの富裕層の方たちと接する中で様々なご意見をうかがう機会が増えました。 ビジネス目的もふまえてではありますが、シンガポールへの進出がとにかく目覚ましいこの頃です。 理由はとても明確であり、法人税の圧倒的低さ、そして、アジア各国への進出をふまえたら、このロケーションはまさにハブとしておおいに活用でき、かつ、アジア諸国の中でも法整備などの点において、最も欧米に近いともいえるビジネス環境でもあります。こうしたところから、法人、そして法人のみならず、資産も一緒に…という形で、個人富裕層のシンガポール移住はこの数年日本からは激増したともいえます。

傍ら、いまだ、これに比較してオーストラリアやニュージーランドはそこまでの過熱ぶりはない…と感じています。明らかに、「アジア中心」のビジネスを目的とすれば、これは仕方ないという気持ちもありますが、しかし弊社クライアントを含めて、人生計画を長期的に検討している方は、そうは言ってもやはり欧米への行先を真剣に検討している方が多い、と感じています。

まだまだ、日本において、オーストラリアやニュージーランドはきっと80年代~90年代にあった観光ブームのなごり、、、もふまえて、あの時代に多く存在したリタイアメントのイメージがだいぶ強い、と感じています。 また、2011年の震災以降激増したのは「安全」な土地を求めての、親子による留学先としてオセアニアはゆるぎない存在感をいまでも持っていると思います。

富裕層たちの移住先・・として最近いろいろと話題も多くなりましたが、金融機関の方たちからよくきいている事情として、「シンガポールには多く移住したものの、最近顕著に家族のみなさんが日本へ帰国している」ということです。 理由としてやはり気候の暑さは大きい要因のようで、かつ、かえって日本にも近い、という点から、シンガポールのライフスタイルと日本を比較して出した選択のようです。 これらの意見はとても意外でした・・・。

一般的に、オーストラリアやニュージーランドはやはりライフスタイルの素晴らしさから、比較的、一度住み始めるとそのまま居住する方が大半で、駐在員の方でも、ときに、家族がオーストラリアやニュージーランドに残り、お父様のみが任期終了後、日本へ帰国するケースも少なくありません。

実際に、投資家ビザで移住した皆様は大変満足した生活を過ごしているお話を多く伺います。 ある意味、日本ではメディア含めて、アジアが中心の移住ブーム。。。かもしれませんが、これからは少しずつ長期的利点に気づき始めた富裕層がオーストラリアやニュージーランドへ移住していくと感じています。 世界的にみても実は富裕層が多く移住している両国である、ということはあまりしられていません。

世の中は日本人が思う以上にずっとグローバルに物事が進んでいます。 これからは家族が目的に応じて、様々な国へ住む人も増えていくと思いますし、人生にチョイスが必要になってくると感じています。情報は日本を一歩でるともっと多くの選択があり、もっと多くの生き方がある、ということをアジアフォーカスしている富裕層の方にもぜひ知っていただければ幸いです。

明日から、安倍首相のオセアニア訪問、じっくりと期待したい次第です。

2014年4月8日火曜日

感慨深いオーストラリア首相来日

非常に歴史的な数日だった。オーストラリア政府に長くかかわった立場として今回のアボット首相来日に対する思いは強く、結果として、オーストラリアが大いに第一歩を踏み出すことになった。
日本は特に農業においての交渉は非常に困難を伴い、TPP交渉の件含めて、様々な要因が今回の結果を生み出したと思う。 2007年の交渉開始したのも安倍政権時代であったというのも不思議な縁である。 また、その間にBSE問題などが発端となり、一気にオージービーフに好機がきたことも懐かしい・・・・あのころはマックもアメリカビーフだったのに・・・、その当時のマッカーシー大使がオージービーフのCM出演もこなし、そしてマックは今となってはオージービーフが基本となった・・・。すでに交渉以前に日本の輸入牛肉シェアはオーストラリアのほうが優位であったことも、忍耐強いオーストラリア政府の交渉と品質改良、そしてマーケティングなどなど、、、。

一方日本側は自動車において譲歩したが、オーストラリアでは本当に高い。少しでも日本車が安価に手に入ることになれば、トヨタは撤退を決めたが、それでもブランド力はさらに維持できると期待したい。

今後、個人的な見解として、農業という面で、もっと日本はセールスの立場でオーストラリアに進出できると思う。すでに、伊藤園さんのお茶生産などもよい事例だが、「季節が逆」という点を生かして、日本とは別のサイクルで、生産が可能であり、年間供給が可能になること、すでに、「さぬきうどん」「おそば」生産もかなり浸透している。
そして、やっぱり日本の強みは「技術力」のため、おいしい野菜、甘い果物、また、シーフードも日本人好みのものだけを扱うのではなく、その養殖技術を日本から提供したりすることで、中国やアジアへ日豪連携して輸出事業をする、などなど、もっと潜在的な点は多くあると感じる。 

工業は日本は得意なので、農業のテクニカルな面をもっとセールスできる点=人材やノウハウをmonetize していく、ということが可能なのではないか、と思う。

オーストラリアで日本ビジネスをするうえでやはり国全体が「親日家」である点は非常に大きいと思う。「クール・ジャパン」としての戦略をフランス方面とはまた若干異なるかもしれないが、特に「食」に関してはもっと多くのチャンスがあると感じる。 (個人的にはレストランなどもよいが、、、スーパーなどにて扱うレトルトやスープ関係、乾燥食材など・・・あと、冷凍食品も)

また、サービス産業については、ジェトロ・シドニー事務所も後押ししているが、今後もっと活発な市場になると感じている。ビザガイドブックに続いて、「シドニー・スタイル」というなかなか素敵な冊子が今回刊行された。今までの出版物とは全く違う雰囲気で、とても読みやすく、日本からもサービス産業への参入への期待が大いに見られた。

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何はともあれ、大使館の皆様、大変お疲れ様でした!Team Australia として非常に有意義な結果になり、今後もますます日豪ビジネス活性化のために、微力ながら弊社もサポートできれば、、と思います。

2014年3月28日金曜日

オーストラリア出張 ~シドニーでの講演~

季節はすっかり春を迎えるころになってしまいました。ようやく東京も暖かくなりつつあり、桜が咲くのが待ち遠しいです。
久しぶりにオーストラリアへ出張へいってまいりました。まだまだ日差しは夏のようで、それでも風はさわやか、、ととてもよい季節です。

今回は、JETRO SYDNEYより委託を受け、日豪ビジネス活性化のために就労ビザをわかりやすく解説したガイドブックを執筆させていただき、このガイドブックに伴い、ジェトロ・シドニー商工会議所主催のセミナーにて講演させていただきました。弊社にとっても初めて、オーストラリアの地で講演、ということもあり、とても光栄な機会でした。

オーストラリア国内にはもちろんMigration Agent といわれる同じ業務を実施している方が多くいらっしゃいますが、実際日本ではほぼ存在せず、まだまだビザは旅行会社がサポートすることが現状です。今回のガイドブックはオーストラリア大使館査証課勤務時代の元同僚である、Lester Associates Good Migration 所属 Migration agent である、ジェイコブ・ワイリーとともに共著で執筆、講演させていただきました。日系企業の方にとっても弊社共々初めての登壇であったのもあり、みなさんの関心は高く、また、テーマとして「ビザを活用する」という点におけるアプローチのプレゼンテーションは非常に皆様にとって新しい発見が多かったようで、ネットワーキングでも大変多くのよいフィードバックをいただきました。

このジェトロ出版のオーストラリア就労ビザガイドブックはどなたでもダウンロード可能ですので、ぜひご活用いただけますと幸いです。

私たちの思いとしては、移民省における経験があるがゆえに、もっと日豪ビジネスを活性化できる人物交流があってもよいのではないか、と思う次第です。オーストラリアは今後、世界的にも経済の中心はアジアパシフィックになることも想定範囲であり、アジアにおいて、欧米文化を持ち合わせるユニークな国でもあります。そのような地理的利点も活かし、日系企業にぜひ多く進出、そして、研修の地としても活用いただければと思います。

セミナー終了後に、懐かしい仲間3人で再会もかね、打ち合げをし、今後のビジネスの展望を語りました。

シドニーをあとにして、北上し、ゴールドコースト、そしてブリスベンを訪問しました。伝統的に日本人にとっては、ゴールドコーストをはじめとして、今もなお、多くのセレブリティ、そして、オーストラリア人にとってもゆったりとしたライフスタイルの魅力から、比較的富裕層の多い土地柄です。 80年代~90年代初めのオーストラリアブームは去ったといえども、いまでも、多くの著名人や富裕層もホリデーハウスを維持していたり、また投資活動として、日本からクイーンズランド州にいらっしゃる方も少なくありません。

だいぶ私もQLD州にネットワークが広がりました。ゴールドコーストをその昔から知り尽くしている方にお会いしたり、現在もバリバリと活躍している方、そして、ブリスベンでも日系ビジネスに精通している皆様にもお会いすることができ、多くのことをあらためて吸収し、帰国しました。日本側から、もっとオーストラリアを知っていただく機会を増やせれば、と思う次第です。

いろいろとまた多くの宿題を持ち帰ってきたわけですが、、あっというまに3月も終わりです。

1年で一番華やいだこの季節はとても好きです。なんとなく空を眺めてまた新しい年度への目標考えたいと思います・・・。

2013年12月20日金曜日

2013年をふりかえって ~今年も大変お世話になりました


早いもので2013年もあとわずか10日ほどになりました。AOM としても3年目を迎えて大変実り多き年に感じています。 今年を振り返り、様々な動きをふまえてまとめてみました。

1.投資家ビザへの需要が急増
2013年年始後に日本政府が発表した「2015年増税改正」をうけてか、年始から顕著な動きは、オーストラリア・ニュージーランド投資家ビザに対する関心が非常に高くなり、日本でもじわりとこれらの投資家ビザを検討する方が増えてきたということです。 日本経済も昨年末に安倍政権に交代した後、大幅な改革を経て「アベノミクス」として時間とともに、景気も上向きになってきている中、資産運用などを海外で実施する方が増加してきたことを実感する1年でした。これらに関する投資家ビザセミナーも多く開催させていただきました。

2.インターンシップへの関心も高まる
弊社の提供しているオーストラリアンインターンシップを活用した大学プログラムとしてお茶の水女子大に採択いただいたことがきっかけに、徐々に日本の学生にもこの「本格的なインターンシップ」への関心が大変高まってきました。 国立大学にて、全国で初めて大学プログラムとしてインターンシップを導入したこと、そして、これを機に、国立大学として、全国で初めて「単位認定」としてインターンシップを導入したことも画期的でした。 個人留学の学生も、アカデミックな留学というより、これら「インターンシップ」を中心とした留学にも関心が高まり、 今後、さらにみなさんのキャリアにつながるよいインターンシップを提供していくことができれば幸いです。

3.4月にオフィスを神谷町へ移転
弊社は青山のオフィスから神谷町へ移転をしました。 オーストラリア クイーンズランド州政府事務所の近くとなる、クイーンズランドビジネスセンター(QBC)へ入居することになりました。 QLD州を中心として、政府との連携もはかり皆様にさらに親和性の高いサービスを提供できるようになりました。またクライアントさんによっては、徒歩圏になったり、大変多くの方にお会いすることができるようになった点は非常に大きなポイントでした。 QBCを拠点に来年はさらにセミナーやネットワーキングなども開催していきたいと思います。

4.ニュージーランドにて講演、オーストラリア出張など
ニュージーランド オークランド商工会議所(二水会)のご後援により、日系企業向けにオセアニアのビザのしくみや現在の移住事情などの講演をさせていただきました。年々、日系企業進出のサポートをする機会も増え、さらに、今後は日本からの投資進出が増えるとみています。 すでに進出して、現場でご活躍されている企業駐在員の方とも再会などを通じて、日々日豪ビジネス・ 日ニュージーランドビジネスに貢献されている姿も非常に新鮮でした。今後ますます多様な業界が海外進出をしていく時代となり、来年はさらなる期待もしています。オーストラリアは労働党政権時代に就労ビザが大変厳格化したことをふまえて、これらのサポートの強化をしていきたいと実感しました。

5.エアライン留学&サポートを開始
オリンピックが2020年に東京開催が決定した9月、今後のエアライン業界のますますの需要をふまえて、エアライン留学を専門とするサイトを別途稼働開始しました。オーストラリア・ニュージーランド各国にあるトップスクールと連携し、さらにグローバルに活躍できる人材育成の一環として、実践的な留学をぜひ応援していきたいと考えています。 また日本では情報が少ないパイロット留学についてもあわせて提供開始しました。 今後については、プロフェッショナルの航空会社を対象に各国にある、トレーニング施設の提供などのサービスもあわせて検討していく予定です

6.クライアントとの出会い
年々、多様なクライアントの方とお会いする機会が増えてきました。 時にビザサポートをするにあたり、ビジネスプランを一緒に検討したり、そこから生まれるビジネスに対するネットワークをご紹介したり、と最近はビザのサポートの範囲を超えてのサービス提供も増えてきました。 日本の方にとっては、時に未知の世界であるオーストラリア・ニュージーランドの事情に際して、よい現場の方をご紹介することで、さらに現場におけるビジネスを広げていくことが可能炉なるケースがあります。多くの温かいご支援のもとで、これらの出会いも非常に嬉しい年でした。今後もオーストラリア・ニュージーランドへの活性化に微力ながら貢献できれば幸いです

7.イミケンの活動
イミグレーションロー実務研究会の活動も2年目となりました。こちらも定期的に様々な講師を迎えて、外国の移民法、およびこれからは日本の在留資格に対する改正もふまえてさらに積極的な勉強会を継続していければと思います。大きな出会いは、移民法や人口移動などを特化して研究されている先生がオーストラリアへ今回仕事の関係で赴任となり、今後はオーストラリア移民法についても活発な意見交換をすることができるようになったことです。他国にも多く滞在されたことがある先生が故、オーストラリア移民法を体感していただくことで、さらに研究のよい課題になるのではないかと感じています。 よい仲間に恵まれ、今後は執筆活動のほうにも少し精力的にしてみたいと考えています

~~来年へ~~
2014年はとても個人的ではありますが、さらにこれらを伸ばしていく機会の年として、さらに皆様によいサービスをご提供することができればと思います。 
ビザ申請や代行という部分はある意味、各国への滞在にむけての「過程」であり、皆様にとっては渡航後からが重要な展開となります。これらをふまえて、各国における情報提供やネットワークもできる限りご提供できるような機会を増やしていくことができればと思います。

今年は9連休という方もいらっしゃるようですが、みなさまどうぞよいクリスマス&お正月をお迎え下さいませ。また、2014年度もどうぞよろしくお願い申し上げます






2013年10月31日木曜日

国際人口の新たな局面 ~ 厚生セミナーに参加して

久しぶりに国立社会保障・人口問題研究所の1日セミナーに参加しました。 私にとっては初めての「人口学」に関するセミナーで大興味深いものでした。

今日本は、「人口減」が25万人といわれるようになり、にわか、この人口論が社会的にも関心が高くなってきていると思います。 移民政策関係をしていると、この人口論、そして経済政策とのつながりは深く、これらを連動することで将来的な国家政策を検討していくことができる枠組みがあるかと思うのですが、どうもこれは、長くオーストラリアにかかわっている経験からの感覚であり、日本は実はまだまだ、、ということを実感した1日でもありました。

今回もっとも関心があったのは、オーストラリアからアデレード大学教授である、Graeme HUGO氏が基調講演されたことです。人口学の権威でもあるようで、今回の講演となったようですが、先生は、オーストラリア移民政策においても、移民省との連携にて、政策についてもかかわっている方です。日本において、オーストラリア移民政策についてトピックスになる機会がほぼ皆無である現状、個人的には、参加している日本の研究者および、聴衆の方にとって、どんな印象をもたれるのか、という点が非常に興味深い私でした。

オーストラリアは歴史的に、そして伝統的に「移民国家」であるがゆえ、日本とは比較しにくい国ではありますが、人口が少ない国が故に、自然増と移民増を考慮して、いかに国益になるように経済政策を人口政策・移民政策と連動して検討しているか、そして、詳細なるデータ分析から、毎年の政策をたてているか、という点は、日本も少しは遠い将来を検討するうえで、事例として参考になったのではないか、と思います。

先生のほかは主に、「人口学」を研究されている先生による講演でしたが、普段はあまりうかがうことのないトピックスが多かったこと、そして、どちらかといえば、海外からの日本への流入する外国人について、また、日本における外国人との「国際結婚」についてが焦点となっており、移民政策=日本では在留資格になりますが、この点との関連性は弱く感じました。

しかしながら、パネリストの皆様が、オーストラリア移民法や国家としてのチャレンジに対しては非常に新鮮だったようで、どの先生からもこれらの政策についての関心の高さは少し嬉しい点でした。オーストラリアは歴史が浅い点や人口が少ないがゆえに、システマティックにできるのかもしれませんが、アメリカに比較しても、着実に移民政策を人口政策と経済効果に反映している先鋭的モデルと日々感じています。

日本において、地図からいかに外国人が偏って分布しており、特に東海地方・そして関東近辺に集中していることもあらためて、実感しました。 外国人に限らず、日本の現状は、都市に人口が集中しすぎており、地方都市への政策はまだまだ弱く感じます。

日本の研究者の方はRSMS(地方都市に移民することでボーナスポイントまたは優位に永住できるタイプ)の存在にもとても新鮮だったようですが、セミナーをきいていて、少し思いついたのは、やはり、日本の現状制度で法改正のスピードが遅いため、「特区」制度を活用し、その土地に合う労働力を呼び寄せるのも1つの手かもしれません。

たとえば、日本は今、2020年のオリンピックを目標として、ますます観光立国として早いスピードでサービス改善もしていかなければなりません。地方の魅力、そして外国語の提供が薄いエリアに、特区とし、これらの地区やニーズに必要とする雇用=外国人の労働力を活用し、かつ、自国の人へのプロモーターにもなりうる立場として、海外への新しい発信の仕方も検討できるのではないかと思います。 

ヒューゴ教授もおっしゃっていましたが、日本はまだまだこれから多くの点で人口政策の上で、活用できる機会は大きいと思います。 「多文化共生」というキーワードが随分語られていましたが、人口移動を検討するうえで、人口学・移民(在留資格)政策、そして外国人に対する社会保障制度、労働市場、という点はリンクして検討していくことが今後重要であり、特に「長期的に日本へ滞在する」外国人を視野にいれるのであれば、 共存していくうえで、必須の課題と感じます。

今日の参加者はほとんどが人口学の研究者だったと思いますが、オーストラリア移民政策がどのように映ったのか、今回は、オーストラリアのようなモデルが存在している、ということを広く知っていただくために、大きな機会だったと思います。

日本において、オーストラリア移民法について関わる数少ない1人として、日本がよりよい国になるために、問題提議の1つの意見として微力ながら、これらの制度について紹介することができればと思います。

2013年9月9日月曜日

2020年東京オリンピック決定とオーストラリア選挙

この週末は話題満載の週末でした。日本では何よりも2020年のオリンピック開催地のゆくえを決定する重要なプレゼン+決定日となり、国民が一体となってこの日に臨んだ気持ちです。

日本チームによるプレゼンテーションも生中継で、じっくり拝見でき、この45分間にかけたその想いは非常に大きなものであるということを実感しました。 はじめから最後まで釘づけの私でしたが、各プレゼンターが登壇し、様々なアングルからこの東京招致に対する説得する姿は本当に日本国民としてのチームを強固に感じた次第です。 一番初めの高円宮妃のプレゼンテーションも本当に素晴らしかった・・・。皇室として初めての試みということではありましたが、一人の日本国民としてのメッセージ、そしてどのような立場で支援しているか、など流暢なフランス語と英語でとくとくと語っていらっしゃいました。 また、間にはいる映像を交えて、次々とプレゼンターがかわっていく演出やその、映像の美しい効果や印象は誰もが日本に行きたくなる!ような気にもなったと思います。

そして、最後のほうで、安倍首相が長いスピーチをしました。この直前までG20の出席をしていたにも関わらず、このオリンピックへのメッセージは大変意味深く、非常に重みを感じ、長文の英語によるメッセージは本当に驚いた次第です。 全般的に日本人があまり得意としない表現の部分において、どの方もその感情的なメッセージは心打たれるもので、本当に感激しました。 あ~日本の心や日本人としての誇り、そして日本人として、これからしていきたいこと、などチーム一丸となって皆さんの必死さや真剣さがテレビでも伝わってきました

東京決定は圧倒的な大差で実現し、本当にうれしい限りです。自分の生きている間にこのような素晴らしいイベントが体感できることに幸せを感じた週末でした。

~一方、オーストラリアについては、この選挙日にむかうにつれて、日々、どんどん野党の支持が強まり、結果的に、ほぼ予想通りではありましたが、6年ぶりに自由保守党が返り咲きとなり、アボット氏が首相となります。 6月末の急なラッド首相就任も驚くニュースではありましたが、結局のところ、国民はこの効果より自由保守党を選択しました。

この6年間、労働党が与党して、移民政策においては本当に就労ビザが劇的に厳格化し、これは私たち実務の立場の人のみならず、経済界にもかなりの大きな影響を及ぼしたと予想しています。
今後の展開にぜひ期待したいところです。 今、資源経済も失速しているオーストラリアにおいて、次の打開策は必須となっています。 まずは、今後の状況を傍観していきたいと思います。