ビジネス奮闘記

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2012年5月28日月曜日

アメリカ移民政策の2極化

日経新聞に最近のアメリカ移民政策についての記事が掲載されており、興味深く拝見しました。せまりゆく大統領選挙がその背景としてもあげられますが、不法移民が大変多いこの国において、彼らの対処をどのようにすべきか、政策は2極化しているようです。 不法移民=要は一定の期間認可されていた期限以上に滞在、または強行突破で、国境を飛び越えてくる人(=ビザなし)、そしてそのままなんらかの仕事などをみつけてそのまま滞在し、いつの日か、その生活・家族もアメリカにおいて長期化する人たちである。 これらは意図的であり、実際問題、アメリカの雇用状況の中で、アメリカ人たちがつきたくないような仕事に彼らが貢献している構図などがあることも現実であり、経済の支えにもなっていることも見受けられます。

しかし、不法移民たちを長期滞在化+自国よりもはるかにその生活基盤ができてしまった、ということのみで認め続けるのも、合法に入国し、必死に永住権を取得した人たちにしてみれば、不公平な状況でもあります。 基本、オバマ大統領はこれらの不法移民たちの規制を強化する方向のようですが、先般の同性婚に関する支持のように、世論をどのくらい味方につけるか、という事とのジレンマのように感じます

今回の記事で、知ったことは、アメリカにも州別に個々の経済状況や地理的状況をふまえて、移民誘致をすすめるところも存在してきた、ということです。比較的、メディアでは「アメリカの移民政策=不法移民対策について」ということが多いですが、意外と、州によっては、具体的な政策をもってその州に有益となる人たちの確保にも動いているということでした。

州によっての政策=この点に関してはオーストラリアは非常に進んでいると思います。現実として比較してもオーストラリアは州が少ないため、これらの統括がわりとしやすい、かつ、ビジネスモデルとして、州政府と移民局、そして労働市場を把握するために、これらの情報共有が連携されているため、どの州でどんな業種があり、どんな職業が不足しているか、ということがすべて統計化されています。 シドニーなど、都市部については、誰もが住みたい大都会ではありますが、いわゆる地方になると、やはりその労働力確保にも困っている現状があります。 これらは、詳細にどんな職業?ということを分析することで 移民プログラムの中に、その職業リストを明示することで、どの州で自分のような職業が需要あるか、ということも把握できるシステムになっています。 
この分析は、端的にいえば、「職業不足のところを移民でカバーする」ことで、労働市場のバランスがとれ、全般として失業率低下につながるのです。 

今回のアメリカの動きをみると、今後、州ごとの政策が移民政策に大きく関与してくるのではないか、という前兆を今回の記事で感じました。 実際のところ、今はだいぶ認知のあがったESTAももともとのモデルは1996年に世界で初めて稼働したオーストラリアのETA システムがモデルです。
そういう意味で、明らかにアメリカ政府はオーストラリア政府の移民政策も分析していると感じています。 実質ETAが成功したことにより、世界中でオンラインによるビザ申請が開発されたことにもオーストラリア政府の貢献度は非常に高いと感じています。

アメリカは投資ビザプログラムであるEB-5がかなり成功しています。これもそもそも特定のファンドに投資するものであるがゆえ、経済効果や雇用をうめるしくみが明確なため、今後これらを応用して州ごとの政策に反映するのではないか、とこれからの動きをじっくり見ていきたいと思います。

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