連日ではありますが、昨日の玉川大学において観光学部開設をリーディングしている教授よりこの「インターンシップ学会」についてお伺いし、勉強がてら参加してきました。
今回はすでに13回・・・つまりもう13年も前からインターンシップというキーワードでこれらの学会の存在が日本にもあったのか、と少々驚きました。まだ、日本ではようやく最近「インターンシップ」というキーワードが定着してきたのが現実であり、いまもなお、その定義はかなり多様で、1、2日でもインターンシップと名を打つところもあります。
欧米におけるインターンシップは大原則として「就職活動」の1pathwayとなっており、まずは「どこでインターンシップをするか」が1つのキーで、ホワイトハウスにおけるインターンシップなどはまさに代名詞ともいえるもので、その後の就職活動において威力を発揮します。
また、インターンシップから就職インタビュー、そして採用、 とその過程として組み込まれている事も現実です。 私自身も外資投資銀行時代に、人事部に所属していたことから、これらの新卒採用における長い長い道のりをサポート側から経験し、いかに人材確保に時間をかけているか、ということを体感した次第です。
日本はいま、「経団連」を中心として、逆にインターンシップx就職採用 というものを切り離して考える傾向であり、(これは青田買いになる、という批判から) ここの連携が大企業を中心とするところはかえってつながっていません。 これらをふまえて、基調講演として 「雇用のミスマッチをどう解消するか~インターンシップを活用しながら~」というタイトルで経済同友会の副代表幹事・専務理事 前原金一氏がご自身の体験と現状をふまえて、お話くださいました。
経済同友会は経団連とは異なり、「個人」で会員になっている点からも若干そのカルチャーが異なり、意見に対しても自由度が高い、という印象を個人的には持っていますが、前原氏のご意見はなかなか斬新であり、経済界にいらっしゃる方で、よい意味で意外な感じで、好感をもった次第です。大きな点としてご自身も若いころにドイツでインターンシップを経験したところも大きいと思います。
大学の経営にも途中かかわっていた時期もあるようで、これも民間視線で、様々な改革や実現を行った経験をもとに、日本を変えるにはとにかく民間主導でどんどんやっていくしかない、という感じでした。 ユニクロをはじめとして、いま、インターンシップをおおいに活用し採用につなげている企業も増加してきていることも現実です。雇用のミスマッチをなくし、そして学生にとっても社風や人、仕事を知る機会として短期ではなく、じっくりとインターンをすることが重要である、という意見にはおおいに賛成でした。 外資投資銀行では2-3ヵ月が日本でも当たり前です。 そんな考え方が少しでも企業の中で増えていけば、と思う次第です。
1つの課題として中小企業における採用プロセスやインターンシップの実施について、どうすべきか、ということがありました。確かに現実問題として日本の大半は「中小企業」であり、リソースや予算も大企業に比較して少ないのが現状です。そして、知名度からも学生へのアクセスに困っている会社も多々あります。そんな課題がまだまだ多い中、大学側がもっと情報提供できるような環境、そして大学→企業へのpathwayを循環よくする努力も重要である、ということをお話していました。
参加している方もやはりキャリア支援関係の方が多かったように感じます。これらの中で、「海外インターンシップ」のトピックスはそれほどありませんでしたが、たぶん海外インターンシップの意義は何よりもその「異文化経験」「その国における実務経験」 かと思います。現実的に、ダイバーシティの中で働く経験は重要であり、そんな体験はやはり海外でないとできないと思います。
海外インターンシップはその企業に採用直結型ではないものの、英語による実務研修、という価値は十分に価値あるものかと感じています。
あれこれと様々な先生方が発表する内容は、かなり新しい世界ではありましたが、結論からは「大学の皆さんは本当に大学から企業へのpathwayを重要課題としており、そして悩んでいる」ということでした。 新しい試みを受け入れるフレキシビリティをもって、大学側も多様なプログラムを学生に提供していける風土をもってほしいと思います。
経産省からも参加されていた方がおり、いろいろ共通の話題にも花咲き、有意義な機会でした。
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