ビジネス奮闘記

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2012年1月16日月曜日

イミグレーションロー実務研究会 ~アメリカ編~

昨年からはじまったイミケンの3回目が開催されました。
毎回、参加者が徐々に増えているのは嬉しいことです。やはりアメリカへの関心度はとても高い・・・と開始前から実感しました。 今回の講師は、私同様、かつて政府 査証課にて実務をされていた方、ということでこの道、もう30年以上!と、この長さに圧倒されました。特にアメリカについては、日本にとってはビジネスパートナーとして最重要国、そして、このビザの歴史においても、難関ともいえる国であり、誰もが関心高い移民法です。 そんな事からも行政書士の皆様の意気込みを感じられました。

テンプル大学にてアメリカ移民法を受講していたことを思い出しましたが、アメリカは政府管轄がアメリカ国内(Department of Homeland and Security - DHS)とアメリカ国外 (U.S Citizenship and Immigration Service- USCIS)、と区別されます。これはまさに日本が採用していますが、日本では国外=外務省、 国内=法務省が管轄しているというしくみです。実際、USCIS(アメリカ市民・移民業務局)はDHS(国土安全保障省)の1部となっています。端的にいえば、ビザというのは日本から渡航し、アメリカ入国時までのものであり、この入国審査で実際の滞在期限などの審査が実施、決定される、というしくみのようです。 そのため、この入国審査官の権限が大きい、ということをお話ししていました。 この点、オーストラリアは管轄がDepartment of Immigration and Citizenship( DIAC) という1つになっており、国外、国内かかわらず、世界中ビザに関することはここの省庁で管轄しています。 この統一性は実務の上では、非常に効率的であり、情報共有が全てできている、という点はアメリカと大きな違いかと感じています。

ビザのクラスは移民・非移民の2種類に分別され、それぞれの目的に準じて、このビザクラスが存在します。この中でEといわれるビザクラスは協定国に限定されたビザであり、駐在員や投資家などに多く利用されるクラスです。審査機関が在外公館のみという点で逆にいえば、ローカルの実務者にとっては最も実務を現実的に実施しやすいビザクラスである、という点は興味深い点でした。

このビザはオーストラリアでいえば457(就労ビザ)に非常に近いしくみであり、理論も似ています。

アメリカ移民法はかつて勉強した時にも、いつもしっくりこなかった点は、法律が明快な文面をあえて使わず、グレーな部分が多いという点です。これは、つまり、領事の裁量が非常に大きく、拒否された場合も、説得性のある理由か、という点においては、なかなか理解しにくい点があるといのも事実です。 これは、あえてそのように構築している、という認識ですがオーストラリア移民法に慣れている自分にとってはなかなか申請者の立場からは理解が難しい、と感じています。
この点も少し日本の入管法は「あいまいさ」があるため、似ているかもしれません。

1つ、クリアになったことは、根本として、申請者は「移民する意志がある」ということを大前提に審査をするため、この観点から、本当に帰国する理由や意志があるか、という考え方のため、時にそのビザ審査が厳しいようです。

考え方は「移民国家」のため、理論はオーストラリアとほぼ同じですが、行政書士の皆様はどのようにお感じになられたのか、またいろいろディスカッションしていきたいと思います。 

アフター講義のイタリアンディナーがとても美味しくてなかなか感激でした!次回は2月のシンガポール編です。

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