ビジネス奮闘記

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2015年2月21日土曜日

イギリス移民法 -就労から投資家ビザについてのイミケンセミナー

2015年になり、初めてのイミケンセミナーが開催されました。昨年のIBA Conference で来日していたGross & Co Solicitors イギリス弁護士の大胡なおみ先生をお迎えして、現在のイギリス移民法による就労ビザから投資家ビザまで、おもにビジネス活動をする方についてのビザセミナーをご講演いただきました。

オーストラリアはもちろんイギリス連邦の1つの国として、様々な点で、類似している制度は多く、また、かつてイギリスビザについてはほとんど勉強したことがなかったため、楽しみに参加いたしました。

ご存じ、現在はイギリスもEUの1か国としての存在はあるものの、唯一自国通貨をつらぬいている国でもあり、その立ち位置というのは常に微妙なものでもあります。また、もともと移民国家ではない、というところから発展した移民法については、オーストラリアや、ニュージーランド、そしてアメリカなど移民国家とはその背景も異なるという点は大きな違いかと思います。

そもそもいまのEUは? ・・・といところから今回は、大胡先生がとてもわかりやすく解説してくださいました。ギリシャ問題もまだまだ続きそうな昨今、このEUという一見とても理想的な経済共同体ではあるものの、経済的優位にある国々にとっては、後退している国々の面倒をみている、、、といういびつな構図になりつつある今、イギリスやドイツ、そしてフランスなどもふくめて、国民感情というのは非常に微妙なもののようです。 特に次々とEU加盟国が増え、ルーマニアやブルガリアなど、東欧圏の国々も入ってきている今、これらの人の移動が激しく経済国家に流れるのは明らかな状況であり、それらの中で、移民に対する反感や複雑な心境になる国民感情も理解できる気がします。


イギリスの制度で驚いたのはやはり昔から言われていますが「ゆりかごから墓場まで」といういわゆる社会保障の制度です。 医療費などは無料でほぼまかなうことができ、保険ということもほとんどの国民が考えていない? という状況のようですが、、、それだけ、もちろん国の財政は裏返せば破たん状態になっている・・・しかし、崇高な理念のもとに始めたが故、だれもこの改革に手を伸ばすことが難しい・・・・らしいです。 もちろんEU,,といっても社会保障制度が個々に異なる国を比較し、かつ「英語」が共通言語ということをふまえたら、イギリスに集中的に移民が集まるのも無理はない、、、しかし、印象として、永住権保持者に対する精査があまりない、ということで、社会保障制度も垂れ流し状況・・・というのがおおまかな印象でした。

ビザの制度については、就労ビザ、そして投資家ビザ、起業家ビザそれぞれの要件はあるものの、非常にオーストラリア、そして起業家ビザはニュージーランドの制度に近いと感じました。
ポンドの強さもあり、資産要件もオセアニアよりはるかに高い状況ですが、それでも、流れはとても似ており、結局のところ、どの国も「富裕層」には門戸を開き、かつ経済効果を移民が生むことにより、潤滑にしたい、という目的には近いと思いました。

就労ビザについてはどうやらオーストラリアの制度をだいぶ参考にしているようです。イギリスにも職業リストがある、というのは初めてしりましたが、事細かに定義づけしているオーストラリア&ニュージーランドの制度を導入することで、比較しやすく、かつ定義からかけ離れていないか?という点で審査はもちろんしやすいのではないかと思います。

ただ、シェフなど技能職を海外から受け入れるのはほぼ無理のようで、、、この点はまだオセアニアは寛大と感じています。

投資家ビザについては、やはりどの国もそうですが、圧倒的に中国、そして近隣ということもあり、最近はロシアが多いこと、また、伝統的に中東からも多い、ということでした。。。日本人にとっては地理的な遠さは申請を検討する大きな要因かもしれません。

なんとなく、理解していたEUの現状とイギリスのおかれている立場、そして、現在のビザ制度など、包括的に知ることができ、非常に有意義なセミナーでした。

イギリスの社会保障制度はオセアニアにも反映させているとは思いますが、ニュージーランドのほうがこの傾向をいまだ継続している印象で、外国人にもやさしい社会保障制度がいくつか存在します。 オーストラリアは年々、社会保障、特に医療に対するBenefitは移民に対して、とても厳格になってきており、永住保持者でなければはっきりとその差を提示している点は、ドライと感じています。

非常に興味深いセミナーで、その後のいつもいくイタリアンも相変わらずとてもおいしい夜でした。



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