ビジネス奮闘記

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2015年4月9日木曜日

ボッティチェリとルネサンス展 Money and Beauty

4月にはいり、少し落ち着いてきたこの頃、大変久しぶりに美術展に仕事の合間をぬって出かけてきました。先日テレビでも特集していましたが、Bunkamuraで「ボッティチェリとルネサンス展」が先月下旬から開始されて、とても楽しみにしていた展覧会でした。

学生時代に、授業で美術史として触れたのが始めでしたが、私にとって、美術史上最も好きな時代であり、またその奥深さ、そして何よりも図像学の追及などに大変凝った学生時代でした。中世~ルネサンスへの過渡期は歴史的背景ならず、人間らしさが開花した時代でもあり、絵の中に描かれる人間たちはその筋肉の鼓動まで伝わってくるかのように、リアルさは絵画を超える躍動感としてその時代を映し出しているかのような衝撃でした。

音楽を勉強する身として、キリスト教思想の多大なる影響、教会から政治へ、そしてそれらをとりまく権力者たちの芸術への関心や貢献などヨーロッパの歴史は、壮大であり、あらゆる面からの理解や解釈を学ぶことは非常にエキサイティングだった記憶があります。 

今回の展覧会のテーマには「Money and Beauty」という視点も非常に興味深い点でした。メディチ家の台頭=労力を使うことで富を得るのではなく、Moneyという今までにはない手法で莫大な財産を築いた事から、その財を「正当化」するためにも教会(宗教)や芸術への投資を積極的に実施したことで、ルネサンス文化を加速化させた点は、後世への遺産ともいえることと感じます。
そんな時代の中にも、本来つつましく生きる教会の信義にならう生き方から贅沢な風潮を否定的とし、贅沢禁止令をもうけたり、、、しかし、罰金?を支払うことで、その豪華な身なりや行動も正当化したり、と時代の中で、あふれる富の中で、いかに自身たちが忠実に生きているか。。。という点をあらゆる手法で示した時代でもあったようです。

その渦中に生きたボッティチェリの絵画はメディチ家の繁栄とともにどの絵も非常に透き通った、崇高な仕上がりで、多様な聖書物語を描いており、きっとどんな方でも心が落ち着くような感情を抱くのではないかと思います。基本、これらのパトロンや教皇、権力者からの依頼により多くの絵をしあげているわけですが、絶頂の時代に生きた芸術家として、人間の欲をもっとも身近に感じて生きた人でもあったのではないかと思います。人は富を得ると様々な面においてその欲の矛先が変わるものであり、それを良しとするか悪とするか、ある意味紙一重なのかもしれません。

フィレンツェに訪問したのはもうかれこれ学生時代までさかのぼるため、、、だいぶ昔ですが、ヨーロッパももうだいぶ長い間訪問しておらず、芸術からだいぶ遠くなっている危機感も感じるこの頃です。やはりヨーロッパの歴史の深さは時にまた没頭して勉強したいと思うところです。

これらのルネサンス絵画を多く目にふれる機会も最近全くなかったため、シンプルに心洗われた気もしました。

そういえば、来月からは「ミラノ万博」がイタリアで開催となります。今回は日本の食を大々的にPRするようです。

イタリア芸術や文化はやはり自身の中で最も落ち着くため、ふらりと久々にイタリアに訪問したくなりました。。。



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