昨年から行政書士の皆さまといろいろと勉強会をさせていただいていることもあり、少しずつ日本の在留資格についての状況もみえてきた気がします。毎年入管協会で、「入管国際セミナー」というものをされているということなので、今回初めて参加してみました。 毎年各国の移民法に関する識者によるパネルディスカッションや最近の傾向、そして入管からの最新情報などを意見交換しているようです。今回は特にアメリカビザコンサルタントで一緒にイミグレーション実務研究会もしている船曳先生がパネラーとして参加する、というのもあり、興味深く伺いました。
前半は今年大きく在留資格に関する入国管理法がかわりましたので、法務省のほうからこの法改正に関する情報、また、特に高度人材に関するポイント制の説明がありました。
5月から施行されたのですが、、まだまだ試行錯誤中のようです。 個人的にかなり興味深い点は、やはり、この方式が非常に英連邦全般の国でとりいれているポイント制に近いことです。 ただ、他国移民国家のように、直接永住、という形での申請は不可能なものの、優遇策として始まったこの試みは過去の入管法を考えれば、かなり斬新と感じています。
1つただ、ほかの国にかえってない点は、このポイント制に該当する人のメリットとして、ヘルパーを帯同できたり、国から親を呼び寄せることができる、という点でしょうか。ここは非常に日本特有の点かと思います。 背景としては多くの外国商工会議所の意見が関わっているのでは、という感じです。まだまだ、とにかくはじまったばかりのため、今後1~2年をみて、調整していくのではないか、と思う次第です。
その後、各国の移民法の状況について各講師から発表がありました。国はロシア・インド・中国・そしてキプロス・・・アメリカ、と様々でした。今は新興国への進出がめざましい日本企業にとって、特にロシア・インド・中国の情報は貴重なのではないか、と思います。ただ、聞いている限りでは、本当に郷に入れば郷に従う・・・・という状況はまぬがれないため、これらを1つずつ把握していくことがまずは第一歩ではないか、と思います。
参加者は圧倒的に行政書士の皆さまが多い印象でした。皆さんはこれらの他国の移民法をどのように感じているのか、、と思った次第です。はじめから外国の移民法に携わっている自分にとっては、日本は常にその比較対象ですが、まだまだ日本はもっと改変できる点が多くあると感じています。 カルチャーとして、特に「法改正」については非常に遅い日本にとって、これらの対応がまだまだ今後、遠い道のりには感じつつも、それでも、この近年の法務省による改正、または特別措置も含めて、少しスピード感がついているとも感じています。
どの程度、人口政策に対して危機感をもっているか、ということが入管法には反映してくると感じています。
日本は「留学生をどうしたら増やせるか」と悩む一方、留学生にとっても日本における就職は日本人以上に非常に難しい環境でもあります。 これらをふまえて、本当に留学生を増やしたい、ということであれば、留学生にとって魅力ある国、にみえるように法整備する、というのが1つの方策と感じています。 それには、やはり留学→就職へのpathwayを考えてもよいのではないか、と思う次第です。
今、ただでさえ、日本の学生たちの就職難の中で、これらの意見はさらに批判的に受け止められる可能性も大きいですが、しかし、本当にグローバル化したい、と国家が思うのであれば、必然的なステップであり、日本社会がもっと順応していかなければ、国際化、はまだまだ遠いと思います。
できるところから、風通しをよくする、ということをぜひ検討していってほしいと思います。
~~いろいろとよい勉強の機会になりました。
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