このところ、ほとんど毎日こんな記事が掲載されているのではないか、と思うほどですが、日立が若手2000人を海外派遣することを決め、その派遣数を大幅に増加させるということでした。メーカーや車の会社は特に、人件費の確保から中国や新興国への進出が顕著なため、選択するすべもなく、まず、この新興国でのビジネスをしていく上で、その人材確保が急務である、という動きをしていると感じます。 日本の大手企業が本格的にこれらの人材育成を真剣に取り組み始めた、ということを最近は実感しています。日本は今空前の円高でもあるため、M&A活動が非常に活発になっています。=そうなると、各国の企業と必然的にビジネスをしていく環境になることを考慮すれば、ほぼその状況をふまえた準備は必須となるのが現状です。
企業としても、派遣先としてまず現実的に考えられるのはその企業の事務所がある国、また、実際これから進出予定の国、そして、言語を考慮して、英語、中国語を勉強する目的の国へ・・・または、伝統的にその企業が長く関係のある大学への派遣・・・と、あれこれとその人材プログラムを構築すること自身もかなりの労力かと感じますが、「ゆったり考えている時間はない」 ということを日々の報道から痛感する次第です。
新聞にも書いてありましたが、これらの若手海外人材育成で、注目された志向は韓国の「サムスン」でしょう。 彼らは特に新興国や新しい海外展開するにあたり、若手に1年間とい時間を与え、好きなことをする、=その自国にどっぷりつかり、ビジネスやカルチャー、そして嗜好などを得ることにより、自身のビジネスに活かす=地域専門制度、というものを実施しており、この試みは確実に彼らのビジネスの強みにもなってきている事は有名な話です。 「何も研修の内容がない」ほうがかえって、自分たちでその内容を作り上げ、そして、言葉のわからないその国で実践していかなければならない、 というプレッシャーがよい効果を作っているのかと思います。 (日本はまず、このような趣向をとるとは思いませんが・・・・)
もともとサムスンも 世界的に強い日本のメーカーの研修センターをモデルにして「人力開発院」という巨大な人材育成センターを設立したのが経緯ですが、「ビジネスよりも人間作りで負けた日本・・・」ということが一部の雑誌で特集されていたほどです。 この背景も真摯に考える意味はあると思います。
韓国では若者のあこがれは「サムスンマン」になる事のようですが、1つの問題としては、会社のしくみから働きすぎによるひずみも実はある、ということも現実です。アジアのカルチャーかもしれませんが、軍隊のようにならない理想的な人材育成、というのが今後の課題かもしれません。
会社を名をとっても自身の「人間力」でその国で健康にビジネスをしていける、ような人が理想なのかな、と思います。
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