月日が流れるのも早いもので、もう時期は忘年会シーズンで、街はどこも賑わってきました。今年から始めたイミグレーションロー実務研究会 ・・・通称イミケンメンバーで少し早いプチ忘年会をしました。私自身もこれまで行政書士の皆様とそれほど接点がない状況ではありましたが、今年からはぐっと身近になり、お互いにとって、とても刺激的なよいグループ活動となり、私もモチベーションがあがりました。
行政書士の方は 海外→日本への流入者に対するビザ、私自身は日本→オセアニアへ流出していく方に対するビザ、ということで正反対ではあるものの、先日のセミナー開催の際にも気づいた点は、大きくこの両国、特に日本の制度はやはりユニークであり、「移民」を前提として作られていない、ということをあらためて実感する日々です。具体的には、海外からいきなり永住権の申請、という概念は日本の在留資格制度には皆無の世界であり、最低xx年居住歴を作ることにより、初めて永住できる、という観点、つまり一時居住=永住への途中段階、ということのみではなく、全く別のものとして存在している、という点が大きく異なるのかもしれません。
この日は、主催者の中井先生&武田先生をはじめとして、中村先生、そして、オーストラリア研究をされている浅川先生と5名で、先日の私のセミナーをふまえて、日豪ビザについての比較、また日本における在留資格を考慮した場合、今後の情勢からどんな資格が必要となるのか、という点を多様な面からカンカンガクガクとディスカッションしました。オーストラリアのシステムに慣れている私にとって、例えば日本では、配偶者が主申請者に含まれず別に「家族滞在」を取得し、基本就労権はもともとついてないこと、就労ビザの配偶者は自動的に就労できるわけではない、という点や、移民政策=経済効果を生む事を大前提にその戦略を考える、という点はほぼまだ日本には浸透できていない、そもそも日本は「移民政策」ではなく、「入国管理」なので・・・などなど。 イメージとしてはどうしても「規制する」というところからの観点のような気がしています。
ディスカッションの中で、今、日本政府も検討中である永住権取得への道として「ポイント制導入」という話題がのぼりました。 これは、まさにオーストラリアは長く取り入れている制度ですが、いくつかのカテゴリー別に点数を設けて、合計点が規定点数を満たした方に対し、永住権を与える、というものです。 高度人材確保にむけて、今日本政府はこのポイント制導入をかなり前向きに考えている、ということです。 個人的に感じているのは、発想は端的に良いかと思いましたが、それには、英語力=と同じように、このポイント制に「日本語力」など語学力点も加えること、そして、最も難しそうなのが、各業種や職務をどのように「定義」づけて、それ相当の職業としてみとめられるのか、というところでしょうか。 もともとオーストラリアのポイント制はカナダの制度を取り入れたことが始まりです。 いまとなっては、オーストラリアのほうがはるかに斬新に進んで、かつ事細かにそのシステムが存在していると思います。
~このポイント制導入談義と、もう1つ、「外国人を上手に活用し、その効果が日本の国益に結びつく」という概念を政策にとりいれたら、と私から提案させていただきました。これは主に経済的国益をさします。
つまり、今、日本にない制度として、外国人の投資家たちに日本経済を少し助けてもらう、 という考えのもとに「投資ビザ」制度(永住)の構築を検討してもよいのではないか、ということです。ほとんどの移民先進国にはこれらの制度があり、かつ上手に利用することで、海外マネーを誘致していると思います。 今、日本にとって 今年の地震をはじめ膨大な予算が必要な状況であり、これを全て税金でまかなう、というのも限界があると感じています。 他国がどのように投資家たちを誘致しているか、そして、これは移民政策において、非常に活用されている、という点を少し日本も検討しはじめてよい時期にきていると思います。
話は尽きず、各皆様からも非常に現実的かつ、真剣に日本の将来を考慮して、合理的な政策として考えられるケースがいつくも提案されました。 私以外は日本の入国管理法のエキスパートたちのため、このエリアに明るく、比較することで、さらに日本に合うしくみ作りができれば、、、と思いました。
・・・・最後には「明るい移民政策」なんていうキャッチフレーズがついていました。イミケン活動と平行して、いま、政府も変化の時期にきているため、今後の動きが楽しみです。
とても充実した忘年会でありました。
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