隔月で開催しているイミグレーションロー実務研究会において 第2回オーストラリア移民法 <投資ビザについて~ニュージーランドとの比較を交えて> を行いました。
この会も数を重ねるごとにメンバーもだんだん定着して、かつ、運営側の皆様ともよいコミュニケーションを通じ、各国の移民法を学ぼうという姿勢がとても強く感じられます。
日本の在留資格にはまだこのタイプの投資ビザは存在しませんが、いわゆる一定金額の経済的要件を満たし、かつ、多額の投資をその国へ投入することにより、経済効果を生み、かつ国益につなげる、という考えのもと、アメリカやカナダ、オーストラリアをはじめとする移民国家では存在するビザプログラムになります。
昨年からの顕著な動きとしてはやはり、震災以降、日本人も自国への経済に対する不安、そして生活する上での不安から、海外への逃避?を検討する人が急増したのも事実です。特に富裕層による海外投資はかえって活発になったということは多くメディアでも報道されました。
この中で、他国の永住権を取得することにより、税金優遇を考慮して、資産移動、という考えもあらたに日本人の中には多く芽生えたことも事実です。 そのような中、オーストラリアも選択の1つとして検討する人もいらっしゃいました。
オーストラリア投資ビザの特徴は、各カテゴリ-には「州政府スポンサーつき」と「なし」があり、州政府と連携することにより、若干要件のハードルが低いものがそれぞれ用意されています。 これは、投資家(永住申請者)が選択した州に居住することを前提に、州政府は投資家に対し、ビジネス情報や州のあらゆる情報提供、ビジネスを生みやすくするための提案など多くの点で、支援することで、該当州に投資してもらおう、という考え方です。
そして、「投資先」としての商品が「州政府債権」と固定しているものであるということ。 各州によっては利率が若干異なるため、同一ではないものの、基本安定的な商品として、日本の事情を考慮すれば年間4-4.5%の利率はかなりお得感もあります。
ただ、これらのビザはなんといっても経済的要件がとても高いということ。そして年齢も55歳未満、ということもあり、ほとんどの富裕層が60-70代になる日本においては、なかなかハードルが高いのも事実です。
一方、これらとニュージーランドの投資ビザを比較しましたが、こちらは対照的に「投資先」がバラエティーある投資商品を選択できること、そして年齢も65歳以下まで申請が可能であること。 これらはアクティブな投資家にとってはかなりのメリットでもあります。
両国のしくみは対照的なため、少しでもそんな制度がある、ということを皆さまにご理解いただければと思います。
~イミケン運営メンバーも、時間とともに、とてもよいチームになってきました。なんといってもアフター研究会のディナーとしてよく行くイタリアンがとてもおいしく、毎回楽しみです。
日本のビザエキスパートとしてはそれぞれ大変ご活躍なさっている方ばかりの為、セミナーを通じてよりよい日本の在留資格制度についても検討していくことができればと思います。
代表の中井先生が15日にはドイツ商工会議所にて7月から大きく改正となる日本の在留資格制度についてのセミナーも行うようで、各商工会議所との連携もあわせてすすめていくことができれば幸いです。
0 件のコメント:
コメントを投稿