ビジネス奮闘記

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2012年3月23日金曜日

サービス産業海外進出支援シンポジウム:グローバル企業の先行事例に学ぶ

現在日本企業は、内需から海外進出へ、勢いは止まりません。このような中、特に顕著に存在感を増してきているのはサービス産業かと思います。 今日はJETRO主催のシンポジウムで、サービス産業に特化した海外進出の事例を紹介するシンポジウムに行ってきました。 

企業も 1.ラーメンの一風堂(飲食) 2.無印良品(小売) 3.モスバーガー(飲食) 4.ユニクロ(小売) と飲食・小売に特化され、それぞれのチャレンジや課題、そしてぶつかった問題など具体的な事例は非常に興味深く、そして、その進出先においての現地化(ローカライズ)がいかに重要であるか、ということを実感しました。 これらはすべてオーストラリアに既に進出している企業、そしてこれからかなり現実的にオーストラリア進出を検討している企業であり、今後のことをふまえても各企業の戦略はとても興味深い内容でした。

この中でもっともタフ、と感じたのは商標権の問題です。具体的には、無印良品が実体験した中国における事例として、先に商標権を登録されてしまったがゆえに、その本家としてのビジネスを確立するには気の遠くなるほどの時間が費やすことになり、かつブランド、マスの信頼を獲得するまでも本当に大変だったということをしみじみ痛感しました。 この最近ちょうど国会で枝野大臣がこの商標権に関することで中国を批判していたことを思い出しましたが、日本企業にとどまらず、各国のブランド会社も同じくして、中国企業に本家よりも先に商標権をとられてしまったがゆえに、大変な裁判など労力がかかっていることはよく聞く話であります。 そんな実体験はこれから海外進出を検討する日本企業にとって、リスクマネジメントを真剣に考えさせられる事例として非常に現実味のある教訓になっていると感じました。それにしても、無印良品そっくりの・・といいますか、ほぼそのままのお店が何店舗も展開され、かつ、タグや色のイメージまでほぼ同じように作られ堂々と販売している姿は錯覚をみているかと思うほどです。不思議な位堂々たるこのようなビジネス展開も中国特有の難題なのかと・・・・。 各他の企業もやはり商標権については皆さん深刻に受け止めており、それぞれ早い時期に登録、または極力多くの分野(業種)において登録をする、ということでリスクマネジメントをしている、ということも話されていました。 

一風堂さんは他社3社に比較するとまだまだ海外進出では新しい企業であるということをおっしゃっていましたが、比較するに、最もローカライズが進んでいる企業でもある、と感じました。確かにラーメンの食材、特にスープの素材は各国で確保する為にはなかなか洋食的なファストフードなどに比較しても大変そうなのは予測できる範囲で、プラス、外国人の味の好み、ということを尊重し、好かれるラーメンを改良するまでの話など、どれだけ、受け入れられるものにするか、その味や好みは各国文化も異なり、味覚も異なるわけで、その斬新なローカライズは興味深い内容でした。 その結果として、実績としてニューヨークではミシュランやザガットサーベイに掲載される、という飲食としては誇るべき評価をうけているということです。 ここまでくると、やはり「日本文化」を誇りに海外進出を通じて、その独自の日本食を浸透さえていると感じました。 今後オーストラリアへの進出も検討しているということで、アジアンダイバーシティの中における西洋というこの独特の地で、また真新しいメニューが創作されるのではないか、と楽しみでもあります。

先日でかけたユニクロ銀座店を思い出しつつ、海外進出する上でのステップとして現場にその国のスタッフを日本本場に呼び、現場トレーニングさせることで、各国においてユニクロとしてのミッションやビジョンを遂行している、ということを語っていました。 勢い止まらないユニクロですが、常に新しい国の進出の際には、ユニクロの志やビジョン、信念、企業理念などなどをいかに伝え、理解してもらえるかが勝負。。。ということです。

各企業共通するのは「どんな企業か、どんな信念でビジネスをしているか」などを各国で理解してもらい、共存していく、ということです。その為にブランディングの構築は非常に重要である、ということも共通した認識でした。 また、海外進出を検討する上で重要なのは「人材育成」ということです。これらの現場にいく人たちによってその方向性も大きく変わるものです。質のよい人材をいかに集め、戦略として活用するか、すべてはこの人材である、ということも共通の認識でした。

今後、この「サービス産業」は日本を世界に売っていく際に、非常にキーとなる業界でもある、と実感した次第です。 細やかなサービスが得意で、そして、顧客に対する慣性も優れているのは日本人独特のものでもあり、これらのサービスは来日する外国人には常に評価の高い点でもあります。また、ある意味日本は「洗練」されたものも実はあふれている国と思います。いままでのハードな製造業からソフトのサービス業へ、新しいステップとして、JETROも4月からこの支援を強化していく、ということです。 

夜WBSでは、国民的アニメ「巨人の星」 が今年からインドで放映されるにあたり、インド版らしく「クリケット」として変身して放映すること、また他国におけるアニメ産業の輸出ビジネスについてもフォーカスしていました。 以前、「料理の鉄人」も各国へ輸出して大ブームになりましたが、こういう産業も非常に日本らしさでもあり、また新しい分野としてますます可能性は高いと思います。

今日のパネリストは皆さん、口をそろえて「海外進出する際に相談先はJETROへ」 とおっしゃっていました。事務所もそうですが、ウェブサイトにある情報だけでもかなり膨大な資料があり、国別になっているのは非常にわかりやすいです。 オーストラリアも特に労働法(Fair work) などが厳しく制度化されていることもあり、これらの情報が日本語で収集できることは進出を検討する上で、非常に参考になると思います。 

オーストラリアのサービス産業について

何はともあれ、アジアには今大変多くのサービス産業がすでに進出しています。そこからさらに足をのばし、オーストラリア、そしてニュージーランドへも進出をして、日本企業の可能性を実現ほしいと願います。

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