ビジネス奮闘記

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2012年3月18日日曜日

日本企業によるオーストラリア向けのビジネスを考える ~資源ビジネスとFTA

17日日経に丸紅が最大級の鉄鋼山開発に参画するというニュースが大きく報道されました。資源豊富な西オーストラリア州における開発であり、今回は韓国ポスコと共同開発であり、資源メジャーに対抗するものになりそうとのことです。日本商社による資源開発および権益獲得におけるビジネスは非常に活発であり、オーストラリアに限らず、カナダ、アメリカ、南米、中東・・・と、かつては貿易に主眼をおいていた商社ビジネスの中核にもなっています。 オーストラリアはその中でも日系企業の存在感は年々増し、特に西オーストラリア州、そしてクイーンズランド州では重要なビジネスです。日系企業の積極性が見える業界でもあります。 

この翌日に、FTA を活用して海外生産が拡大・・・という記事が報道されました。今、各国FTA/EPA協定を締結することで関税撤廃、そして自由度を増すことで、両国の経済循環を活発化する政策が進んでいます。日本ももちろん、多くの国と締結していますが、この記事を読んで、オーストラリアでの日系ビジネスを検討した場合、半面複雑な気持ちにもなりました。 

最近米韓FTA締結をうけて、この両国は関税撤廃を目標に関税が低く設定されています。その為に日本企業はこの締結を見据え、貿易ルートをシフトすることで、コスト削減をする、という戦略に移ってきているということです。 主に対象となるのはメーカーや車など、製造業、具体的にはトヨタが米国向上で生産した車を韓国へ、そしてオーストラリアやロシアにも来年からは輸出開始するということです。 ・・・つまり、製造業はその国へ進出するより、関税の安いところ・生産能力がある工場を拠点として貿易したほうがコスト削減になる為、極力進出先も限定されてくるだろう、ということです。 先日、ニュージーランドにてJETRO所長にお会いした際に、実際として、ニュージーランドからは大幅製造業関係が撤退し、日系企業が減少したということを伺い、このFTA/EPA (ニュージーランドの場合はTPPも含め)の影響は想像以上に大きいと実感しました。

今後、日系企業がオーストラリアへの進出を検討した場合は、特に製造業についてはきっと対象外となり、今までとは異なる業界やビジネス、 特にサービス業や住宅、小売、そして時差のない点をいかしたビジネスなどが考えられる国になるのかも、と思いました。

資源景気に沸くオーストラリアは今、活気がある状況ですが、物価高になりすぎた今、日本企業進出へかかるコストも1つ懸念事項でもあり、バランスを求めてよりよい投資先になればと思うこのごろです。

ジェトロのFTAについての解説がわかりやすかったので参考まで・・・。

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