5日のWBSで、中国本土から香港へ越境出産する人たちが急増しているニュースがクローズアップされ、興味深く、かつ状況を深刻とうけとめて拝見しました。 今や香港は中国の管轄の1つとなりましたが、パスポートも特別に発行される「特別地区」です。そして、その市民権として与えられるあらゆる要件は中国本土と比較しても先進国並みに恵まれているのが現状です。
中国も経済力をつけてきた今、富裕層や特に子供の詳細を懸念して、これらの越境出産を考える人が急増しているということです。 1つに、香港はアメリカ同様、生地主義をとっているため、出生地ーつまり親がその国籍を保持していなくても、香港籍を取得できるという点、 もう1つは中国政府の一人っ子政策です。 昔よりは緩和されたとはいえ、今もなお、第2子を出産することによる罰則は存在するのが現状のため、これらを逃れるためにも香港で出産することにより、その子は香港籍のパスポートも取得でき、将来、海外へ渡航する上でも比較にならないほどの自由を取得することになります。 1国2政府という制度が存在する現在の中国において、ますます今後これらの状況そして経済や社会保障格差から香港への流入は増加することが予測されます。
久しぶりに香港人と結婚して在住歴長い親友がイースターもかねて日本にホリデーでやってきて、今日はランチにてこの談義となりました。 彼女の旦那様は医師ということもあり、興味深くこの現状を伺いました。 香港には政府系の病院と私立病院があり、特に私立病院に関しては、基本、ちゃんと支払い能力があり、出産の予約などを実施していれば、患者が中国からの人であっても特に問題なく対応するということ。 事実として、これらの病院予約をとるのが大変なため、間にブローカーが存在し、妊婦をあっせんするビジネスもあるということ。ただ、もしこれらのビジネスマンが香港人で、正式に就労許可があれば、これらも特に違法にはならないため、中国人はこのようなブローカーを利用することにより、越境出産を実現しているということです。
ただ、ほとんどの母親は入院=overstay したりしてしまうことになるため、そうなると、状況によっては不法滞在扱いになってしまう、、など本当に問題は深刻化しそうです。子供が香港籍を取得すれば、この権利を活用して、香港移住も検討することも容易に考えられます。 =結局のところ、よい教育などを受けるためにも親は国籍取得、という方策によってその権利を得ることに必死な状況です。
日本に居住、そして私たち日本国籍として出生した人にはこれらの国籍のハードルはほとんど感じないのが現状でありますが、実際のところ、同じ中国内で、これだけ、状況も異なり、そして社会保障などが整った場所があれば、子を思う親は考えてしまうのも納得です。 ただ、さすがに香港政府もこれらについては懸念している状況のため、今後はますます厳しくなるであろう、という話でした。
どの国籍として出生するかによって本当にその後の人生も大きくかえるのは事実であり、これは仕方のないことでもあります。 今後、これらの1国2政府という制度はどのように整備していけるのか、というのは微妙なところと感じました。
それにしても、、、、これらの影響もあり、人口が増加した香港における幼少からの教育は大変なようです・・・よい学校、よい教育をうけるための競争はますます激しくなり、ローカル香港人でさえ、どこもwaiting list という現象のようです。 日本は果たして・・・。何はともあれ、視野の広い、そしてグローバル人材になってほしいという親の期待はどこも世界共通のようです。
非常に興味深いトピックスでした。
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