ビジネス奮闘記

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2012年4月14日土曜日

大航海時代 ~ 欧州からオーストラリアへの移民

日経「ミドルクラスの興亡」という連載でとても興味深い記事がありました。 ・・・そういえば、、、と気づかされた内容でもあります。 

昨年から日本では「大震災」を機に多くの方がこのまま日本での居住をするべきか、そして留学や海外移住、も検討された事が記憶に新しく、私たちにもその波は十分に感じていた状況ですが、すっかりこの欧州危機による人の移動の影響、というのは頭の中からぬけていて、、しみじみ現実を感じました。 要は、経済的な欧州危機は今、現実をもって、自身の住む場所、そして移住を真剣に考える人が急増しているということです。

オーストラリアはアメリカのように、移民で形成された国であり、もとはもちろんイギリスをはじめとする多くのヨーロッパからの移民たちで国家ができた国です。中でも、ドイツ、イタリア、ギリシャ、ユーゴスラビアなどの地域からの移民は大変多いのも事実です。これは今でも、都市によってその分布がある程度あり、メルボルン近郊は特に移民が多い場所としてギリシャ人をはじめとするカルチャーが今でも根強く残っています。 

欧州の中でももっとも深刻ともいえるギリシャは、これらをふまえて、記事によると真剣にオーストラリア移民を検討する人が今殺到しているということでした。 この半年でオーストラリアへ移住したのは約3000人! 昨年10月にオーストラリア政府がギリシャから技術移民を招聘するために開催した説明会には800人の枠に17000人の申し込みが殺到したということでした・・・。これは本当に深刻さを痛感します。日本の地震・・・の影響も感じていましたが、ヨーロッパはその状況をはるかに超える深刻度を実感します。日々の生活自体に貧窮し、ほかの国への移住をこれほどまでに、考える時代になったのかと思った次第です。 もともと大きなコミュニティがすでに形成されているオーストラリアへの移民はヨーロッパの現状をみても、オーストラリア=今後アジアの中における存在感や資源景気、安定した政治情勢をみても、圧倒的に魅力的と感じるのは無理もありません。

そして、ギリシャ→オーストラリアの動きとともに、言語を同じくするポルトガル→ブラジル への動き、そして アフリカ経済成長をみすえてアンゴラへの移住。また、移民国家として経済効果をうむためのアメリカ EB-5(投資家ビザプログラム) のことにもふれていました。 

今、ヨーロッパの国々は日本人の震災における移住検討、ということ以上に、文化的、歴史的にも、急速的に、この動きが加速し、その現実的な行動へも実践する人が多いということをこの記事で痛感しました。 なんとなく、色々言っても、日本人の海外への移住志向や現実的な語学的・技術的ハードル、そして根本的な「日本に定住する文化」として考えると、圧倒的に、消極的にみえます。

オーストラリアへの移民流入はますます今後、こういう視点からみると、急激にヨーロッパからの移民が増える気がします。そして、これらの動きは近年あったアジアからの移民急増、という波をまた変え、今後のオーストラリア移民政策にも大きく影響する動きでもあると見ています。

誰も伝統・歴史あるヨーロッパがこのような形でかつての新大陸発見を目的に出航したような大航海時代を迎えるとは想像していなかったことかもしれません。 あらためて世界経済の変化を痛感する次第です。 ますますアジアは今後、パワーシフトしていくエリアとも感じました。

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