今日はオセアニアではないのですが、業界柄ホットニュースが飛び込んできましたので、少しご案内したいと思います。
ゴールデンウィーク中の少ない平日に突然 カナダ大使館から「4月をもちましてカナダ大使館のビザセクションは閉鎖となり、今後の申請・審査はフィリピンのマニラにて行われる事になりました」 というご案内メールを頂き、大変びっくりした次第です。すでに大使館ホームページにもその告知が掲載され、これは本当のことなのか、、、と目を疑いました。
お国は違いますが、この査証課の任務というものは私自身もある程度理解している立場がゆえ、申請者たちが今後、途方にくれてしまうことも想像しつつ、一方、外交的にも友好的なイメージは少し遠のいてしまいます。 まだ日本人は観光で渡航する際、ビザは不要ですが、ビザが必要な方たちの国籍の皆さんにとってはビザ手続きがいかに大変なことか、そして労力のかかる事かという点を痛感する次第です。
申請の面倒さを考える場合、他の国へのオプションも考えてしまうのではないか、というのもあり、これから留学やワーキングホリデーを考えている人、そして、彼らをお世話するエージェントの皆さんはただ、呆然、という状況です。 そんなさなか、今日大使館で今後の手続きについての説明をかねてビザセミナーが行われました。
short notice だったにも関わらず大変多くの方が関心高く参加し、いや、半分はただただ、怒りさえ感じている方も少なくなかったようです。 毎年大変多くの学生を留学生として派遣しているエージェントさんや大学関係者など、困惑はとまらない状況で、担当官が1つずつ説明はしつつも、まだ情報不足の点も多く、不安感漂うセミナーでした。 しかし、これが政府の方針のため、従うしかありません。
今、各大使館の状況として、電子化が年々進むにつれ、現場に人が多く必要ではなくなり、しまいにはアウトソースする国もでてきています。事実、すでにイギリスやシンガポールなどはビザ業務をアウトソースしており、業務も軌道にのっているようです。 これらをふまえ、今回のカナダも例外ではなく、オンライン化→ そして効率化という状況でしょうか。 今後、現存の大使館もこれらの同じような政策を考えることは想像できることです。
オーストラリアはほかの大使館に先駆けて一早く、オンライン化し、その実績を世界にしらしめた国でもあります。 あまり知られていませんが、どの国のシステムをみても、はじめは斬新すぎるといわれましたが、今となっては最も洗練されたシステムを確立していると自負しています。
ビザクラス種類毎にオーストラリア国内にオフィスを設置し、オンライン申請により世界中の審査を集中させることにより、一定の統一感を保ち、かつ何よりもオーストラリア国内における雇用を生み出している、ということが最大の成果と思います。 これらの発想はまだ他国にはそれほど実践されていません。
ほかの国の制度を知ることにより、オーストラリアの移民政策やその打開策の斬新さには気づかされますが、オーストラリアをロールモデルとし、カナダやアメリカ、イギリス、インドなどなど、次々とオンライン化をしている状況です。
今回のニュースでよぎることは、オーストラリアもこれらの政策を横目で見ながら、完全オンライン化は遠くない将来なのでは・・・と思った次第です。 いまは、カナダのプロセスが一日も早く落ち着くことを祈ります・・・。
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