ビジネス奮闘記

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2012年5月13日日曜日

サムスンの戦略的マネジメント

つづけてもう一冊・・・。最近特に気になる企業のため 一気に読んでしまいました。 今はスマホをはじめとする驚異的企業に成長して、その躍進ぶりはすざましいです。アップルをぐいぐいと追っています。韓国を代表するこの企業の戦略とは・・・ととても興味深いものです。

かつて、日本のメーカーはソニーをはじめとして、世界中にあふれており、そして何よりも「Made in Japan」というゆるぎない、製品の強さ、ブランドから多くの人から愛されましたが、いまは海外ホテルにいっても部屋にあるのはLGなどを代表とする韓国製品が大きなシェアを占めています。 いつからこのような構図になってしまったのか。その原点ともいえるこの企業の強さに関心を持ちました。

歴史を振り返ると全ては1997年のアジア危機から始まったようです。この危機を経験した韓国は国をあげての経済復興に誰もが努力し、そして団結した結果、今の韓国があるようです。 日本より半分以下しかいない人口、そして資源のない国において、海外展開を視野にいれなければ生き残れない、という危機感は日本の何倍にも増して長く感じていた結果、その究極を人材確保や人材育成に集中したようです。 ただ、興味深かった事は、創始者をはじめとして3代目まで皆、日本へ留学していること。日本のトヨタやパナソニックなど、多くの企業をロールモデルとして運営してきていること。日本に共通する点は多く吸収しているのです。 でも、戦略の中で、日本と決定的に早くから異なっていた事はローカル化、つまり現地の需要をキャッチする力、その国は何を欲してるのか、徹底的に、研究し、そのマーケットインという考え方です。 日本はあくまでも製品の質などを重視したプロダクトアウトの発想・・・という点において、その製品の自信に満ちたセールスの方式がグローバル環境においては明らかに誤算になってきているということのようです。

全般的に、日本企業がグローバル化できていない、という点はこの「現場を知る力」や「現場に任せてその需要をつかむ」というところが韓国ときっと対象的なのでしょう。

ですが、 昨日NHK で特集していたキティちゃん旋風~ サンリオのグローバル戦略は日本企業において元気に成功している例として非常に興味深いレポートでした。 まさに、現場にすべてその戦略をゆだねている点が、成功への道なのかと実感しました。 文化背景や好みも全く異なる国において、日本で人気があるからといえ、同じようには決して伸びることはなく、何よりもまず、現場のニーズを知ること、これが大原則である、ということを実践していました。 

日本はこのように隣国においてモーレツな企業が多くある中、もっと危機感をもってグローバル戦略を考えなければ、特に人材育成や人材確保において非常に遅れをとり、かつ優秀な人からみれば魅力の低い国にみえてしまう、と痛感しました。 サムスンの人材に投入するその情熱は極端かもしれませんが、それほどまでに、アジアには強力な企業があるということを、脅威と感じ、戦略をたてなければ、今後、よい人材はどんどん海外へでてしまう、と感じました。

サムスンのパワー感全てがよいとは思いませんが、これらの企業とは別戦略として今、日本がグローバルに関心持ってくれる点は 「ソフトパワー」かな・・・と思いました。 いわゆるジャパンクールの輸出です。 キティちゃんをはじめとして、生活の中で欠かせなくなったコンビニ文化、そしてユニクロなど・・・・。クールジャパンはもっと飛躍できる面があると感じます。 でもこれらも結局、いかに現場のニーズ、そして現場の人材をとりこめるか、にかかってると思います。 

会社は強大になったサムスンではありますが、、個々の人生が犠牲になっていないことを祈りつつ、日本は日本らしさで今後、クールジャパン戦略、人材確保含めて、相当真剣に検討するべきと感じました。


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